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リトル・パーティー|2024-08-08

今回は、うでパスタが書きます。

しばらく前に、phaさんという人の「パーティーが終わって、中年が始まる」という本がネットを中心に話題になっておりました。言うまでもなくネットが中心である私の生活においては、まさにいっときその話題しか目に入ることがなかったわけであります。

読後感としてはだいたい30代の方が、非常に主観的な表現で描き出された「確実にまもなくやってくるつまらない近未来」に衝撃を受け、衝撃を受けるということはつまり自分でももうかなりの部分その現象を体験しているのがいま言語化されたに過ぎないのだということに気付いてもういちどショックを受けているという、このようなことを仰っているケースが多かったように思います。

phaさんという方は私とほとんど同い年だということが今回分かったのですが、正直これまで私はこの方のことをよく存じ上げず、著書を読んだのも今回が初めてのことでした。結果分かったことは、phaさんは「2000年代の初頭から10年ぐらいのあいだにツイッターで可視化した『いつも面白そうなことをワイワイやっている発想豊かなひとたち』の世界に属するビッグネームの一人だったらしい」ということで、今日の悪しきメーンカルチャーになる前、まだサブカル味のあったツイッターで知らぬ者のなかったらしきこうした界隈が私の死角になっているのは、この時期私が仕事をしていたからです。

なかには本書について、「長い時間かけて地道に積みあげていく仕事を持たず家庭を持つことにも関心を持たなかった以上、加齢と共に感性が衰えていったときに何も残らないのは当然であり、個人的な戦略の失敗が語られているに過ぎない」という厳しい声も聞かれます。同様に戦略的な失敗(というか戦略の欠如)を痛感している私としても充分に理解のできる批判であると感じます。しかし同時に、こう批判しているみなさんの多くがどうやらまだ30代らしいという印象も受けており、批判そのものは当を得ている一方で彼らが5年後、10年後にまだ同じ声で鳴けるかどうかはもうちょっと待ってほしいというのが私の冷笑的な感想です。

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