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ブッククラブ|2022-11-07

今回は、うでパスタが書きます。

ブッククラブを会社で主宰していたことがあり、これはファシリテーター役が選んだ本をみんなが読んできてディスカッションをするというものだったのですが、発案した僕自身がそもそもファシリテートに向いていなかったということもあって短命に終わりました。いわゆるブレインストーミングなんかもそうですが、やはりそれなりにワークショップなどへ通って方法論を身につけた人が旗振りをしてくれないとなかなかうまくいかないものです。

実家の母は、離れて暮らすうちの子への小遣いがわりなのか童話館ぶっくくらぶの金を払ってくれています。会員になるとこどもの年齢にあわせた絵本を月に一冊ずつ選んで送ってくるという、通販によくある「頒布会」の書籍版であることはご存じの通りです。アクティブ投信やラップファンド、REITなど中身を誰かが勝手に決めているものには手を出してはいけないという教えが個人投資家の世界にはあるのですが、まぁこれもそうだと言われればそうかもしれません。

これはこどもが生まれてほどない頃に申し込んでくれたのだと思うのですが、いま見たらやはりゼロ歳児から対象のコースがあるようです。また、当時私たちはボストンに住まわっていたわけですので海外発送もやってくれており、その場合には(送料は取られているのかもしれませんが)消費税がかからないなど、わりとしっかりした経理が行われています。

例によって話は少しそれますが、一国でしか使われないという意味では「マイナー言語」と呼ばざるをえない日本語を話す家庭にとって、海外で生まれ育つこどもの「母語(Heritage Language)」教育は頭の痛い問題です。
大学での私の先生は元外交官だったのですが、ドイツ大使を務めた際に奥様がいわゆる駐妻の集まりで「私たち海外駐在組の子女が日本人としてしっかり育っていくために、読ませたいと思う本は何か」というアンケートがとられた話をされていたそうです。
「で、なにが多かったの」と先生が尋ねられたところ奥様が「『三国志』でございました」とお答えになったそうで、「いや『三国志』は日本の話じゃないだろう」と先生が仰ったところがオチなのですが、たしかに日本人の三国志好きは異常と申しますか、「日本人にとり『三国志』とはいったい何なのか」を知りたいと思いながら私はいまだに読んだことがありません。
せめてマンガでも、と思って分かるひとに「横山三国志というやつを読んだらいいんですか」と尋ねましたら、「横山でもいいですけど、横山は絵が下手なんで人物の違いが分からないんですよ」と私も何となく不思議に思っていたことを言われて笑ってしまいました。

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