OOS期セッカエルフ
はじめに
Eeveeです。グリームニルおよび再誕のナーフが発表され、これまで苦手としていた進化ネクロの数の減少が見込まれることから、環境的に追い風になってくるであろうセッカエルフについて記事を書きます。是非、最後までご一読いただけると幸いです。
1.セッカエルフとは
セッカエルフとは、瘴気の妖精姫・アリアの効果を利用しながら、場から離れたエルフ・フォロワーの数(以降セッカカウント)を稼ぎ、セッカによって大打点を出して一気にフィニッシュするというデッキコンセプトです。
DOC期環境では、シャムシャマ、エレメントスラッシュによる疾走打点で押し切るプランも存在し、WGPの8名中7名が40枚同じ構築を持ち込んだという点で話題を呼んだ、記憶に新しいデッキでしょう。
しかしながら、今期はシャムシャマがスタン落ちしてしまい、アグロプランを通すことが難しい現状です。ウェルダーを入れ、アクセラレートを稼ぐことのできるカードを多めに採用すればできなくもないのですが、デッキ自体のパワーを落としてしまい、肝心のセッカでフィニッシュを決めるという点が難しくなってしまいます。
そこで今回は、まず私が考える現段階でのデッキレシピおよび各カードの採用理由、不採用理由をまとめ、マリガンや環境デッキ相手に対するプレイングについて記していきます。
2.デッキレシピ
現在私が使っているセッカエルフの構築です。ここから、確定枠と自由枠に分けていきます。
2-1.確定枠
まずは確定枠です。「ほとんど確定枠じゃないか」という意見があると思いますが、その通りです。このデッキの骨格をなす部分はこれらの33枚であり、ここの枚数を減らすわけにはいきません。
自由枠で詳しく述べますが、よく、輪廻の回生を入れ、原始の悪神を減らすリストを見ます。これはやめたほうがいいです。なぜならば、バウンスとしての能力が悪神>回生であるからです。
また、アマツはアリアが引けていない状況だと弱いから、アマツを減らす、または入れないという意見も散見されます。しかしながら、アマツには、セッカポイントを最も効率よく稼ぐ、除去耐性のもつ大型守護で相手の打点を減らす、という他のカードにはできない大きな役割があります。特に、アリアが無い状態でのセッカポイントを稼ぐ手段は非常に限られているため、むしろアリアが無い時のために3枚入れておいたほうがよい、というのが個人の見解です。
アルバータを減らすという人もいるでしょう。しかし、アルバータはシャムシャマのいなくなった今、捕食者と並んで中盤の打点札という大役を任されています。セッカ単体だけでは打点が足りない状況は非常に多く、そういった場面でアルバータを減らしたことに後悔したくないのであれば、3枚入れることをおすすめします。
2-2.自由枠
次に、自由枠です。とは言っても、アリアやセッカの持つ性質上、選択肢はそこまで多くありません。各カードについて簡単にまとめていきます。
①フォレストレンジャー・アルバータ
スタン落ちしてしまったシャムシャマの穴を埋めるカード・・・になると思いきや、使い勝手は悪いと感じました。なぜならば、このカードを入れても打点の穴埋めにはならないためです。さらに、このカードを入れるためには、アイヴィーキングやエレメントスラッシュを採用する必要があります。私は、この環境においてデッキを前寄せにするメリットがあまりないと思っているため、採用を見送っています。
しかし、今回の記事の趣旨と異なるのであまり深くは述べませんが、ラティカ入りのハイブリッドエルフを回す場合は、採用間違いなしでしょう。ラティカでは足りない分の打点を埋めてくれたり、直接召喚によってバウンス先として有用な働きをしたりしてくれます。
②輪廻する回生
新規のバウンスカードです。効果に無料進化がついており、一見すると強そうに見えますが、この効果はおまけ程度であると考えたほうがいいでしょう。なぜならば、セッカエルフで進化権を切りたいフォロワーはある程度決まっており、それらはすべて2コスト以上であるからです。そのため、前述したように、バウンス能力としては悪神>回生となります。
バウンスというだけでセッカカウントを進める上では有用であるため、バウンスが6枚で足りないと感じる人であれば採用する価値のあるカードとなっています。バウンスを増やすと、AFネメシスに対してアーティファクトの当たり先を失くすことができるので、少し有利に働くかもしれません。(要検証)
③花束の妖精
書いてあること自体は悪くありません。エルフで足りない確定除去を担いながら、セッカカウントも1枚で4カウント分貯めてくれます。ただし、このカードを出したターンにはアルバータの起動が見込めないといったデメリットは付いてきます。
大型フォロワーを多く展開するデッキが多ければ輝くのですが、今期はどちらかというと横展開が主軸となり、大型フォロワーをただ処理しただけの次のターンには相手からリーサルが飛んでくることも多いです。そのため、環境が低速化し、大型フォロワーが多く出てくるようになったら、このカードが輝けるのかもしれません。
④エレメントスラッシュ
シャムシャマのスタン落ちによって大きく影響を受けたカードです。今期は、このカードによって複数枚の疾走にバフを乗せてリーサルを狙うという動きが極めて難しくなりました。そのため、リーサル手段としての役割を担うことは難しくなっています。
また、盤面を作って勝てる対面があればいいのですが、台頭が予想されるAFネメシスや守護ビショップには通用しません。それにより、今期はこのカードにはお休みしてもらっています。前期、大変お世話になりました。
⑤シードショット、幻惑のラクーン
この2枚に関しては、どちらもドローソースとしてほぼ同じような働きを行います。それによって、どちらを採用するべきか十分は議論をする必要のあるカード達となっています。
シードショットのメリットは、なんといっても2PPで使える点です。何もやることのない先攻2ターン目に打つもよし、先攻4ターン目に2ドローしてアリアを探してもよし、小回りを利かせてアルバータを起動させながらドローしてもよし。とにかく使いやすいカードです。しかし、デメリットとしては、盤面除去という面においてはあまり効力を発揮しないという点、セッカカウントが進んでいないという点が挙げられます。
一方で、幻惑のラクーンのメリットは、この3/2(5/2)というスタッツです。相手の序盤の0/2や1/2、1/3を上踏みしながら1ドローできたり、相手の中型フォロワーを除去しながら2ドローできたりと、除去のついでにドローがついてくるという認識です。また、シードショットと違ってセッカカウントが1進むのもポイントになってきます。ただし、デメリットとしては、アルバータ召喚が難しくなる点や、シードショットの一番強い点である先攻4ターン目に2ドローできない点があります。
これらのメリット・デメリットを比較し、採用を検討するのが望ましいです。私は、シードショットの小回りの効きやすさを重視して、シードショットを採用しています。
⑥フォレストフェアリー
ファンファーレでウィスプを手に入れることで、動きやすくし、進化を切ることで、セッカカウントを稼ぎながら回復することができ、除去性能も高いこのカード。ここだけ書くとメリットだらけに見えますが、デメリットも多いです。
序盤に出そうにも、他にやりたい動きが多い点(アルバータを出したりドローを回したり捕食者アグロしたりなど)、中盤以降は進化権を切らないと強い動きではなくなる点、進化を切ったとしてもアリアがないとただ面を圧迫してしまう点です。
回復だけなら奇跡の実りやワンダーツリーで足りていると判断する人にとっては、事故要因になりかねないこのカードを削って他のカードを入れると良いと思います。私は、進化権を回復してくれるピアシィを採用していることで、進化権が切りやすいリストになっています。そのため、進化を切ることで真価を発揮できる、フォレストフェアリーを3枚採用としています。
⑦凍土の女王・ピアシィ
ほんとか?と思うようなこのカード。進化権を回復してもそもそも進化権が余りそうですし、2/3/3とはいえセッカカウントも1しか進みません。パット見た感じ、あまり強そうに見えず、他のカードを採用したほうがいいのではないかと思うことでしょう。(私もそう思っていました。)
このカードの大きな目的は、対守護ビショップの時です。守護ビショップというデッキは、8ターン目にホーリーセイバーによるダメージカットをしてくるため、なんとしてもそれまでに倒さなければなりません。ですが、相手は常に横展開を続けてくるので、セッカが通りにくい対面となっています。
そこで、その悩みを解決するのがこのカードです。使い方は簡単。セッカでリーサルを取るターンの初めにこのカードを投げるだけです。奇跡の実りもあるとなお良いでしょう。そうすると、相手の邪魔だった守護を全部どかすことができ、セッカを通し切るという展開を作り出すことができます。
また、進化権を回復することで、進化権が必要なフォロワーのために進化を残す立ち回りをしなくても済むようになります。一番代表的なのは、アリアが引けていない時のトップアリア受けです。他には、7T目にセッカカウントが届いていない場合でも、ピアシィ+フォレストフェアリーで1ターン延命できるようになるなど、何かと便利です。
今の環境では、セッカエルフ、AFネメシス、守護ビショップの3つが大きな割合を占めると考えています。その中で、苦手としている守護ビショップに対して勝ち筋を作り出すことができるため、私はこのカードを採用しています。
⑧アイヴィーキング
入れておくだけで損することはまずないカードです。手札に来てもアクセラレートで自分で戻りながら1ドローすることができ、直接召喚によって相手の盤面を除去することも、バウンスで更に使いまわすこともできます。しかし、私の評価としては、器用貧乏といったところで止まっています。
たしかにアイヴィーキングによって守護をどかしてセッカでリーサルを取れるという強みや、直接召喚で出てきたこのカードをバウンスしてリソース変換するという動きは魅力的です。ですが、他のカードを押し退けてまで採用するカードかどうかというと疑問です。このカードを入れるならば、フォレストフェアリーを削り、アルバータやエレメントスラッシュも採用してアグロプランも用意できるようにするべきでしょう。
3.マリガン
簡易的なマリガン表です。(赤が単キープ、青が条件によりキープ)
すべてのマリガン理由に共通することですが、いかにしてアリアへのアクセスをし、セッカカウントを貯めることができるか、という点が非常に重要となっています。そのため、マリガンの先にはアリア、セッカがいるということを忘れてはいけません。どのように勝つかをしっかりと見極めた上で、マリガンを行い、以降のプレイングに繋げましょう!
3-1.常に単キープ
①ワンダーツリー
このデッキの最も重要となるドローソースです。ワンダーツリーがあるかないかで、動きやすさが段違いに違います。守護も立ち、セッカカウントも進み、ついでに回復までしてくれるので、まさに万能カードです。融合なしで2T目に投げても十分な働きをしますし、バウンスで戻すことによって更にドローを重ねることもできます。デッキの潤滑油的存在となるので、必ずキープしましょう。
②閃光のエルフ・アルバータ
シャムシャマが消えた今、中盤に出すことのできる主要な打点カードです。可能なら4プレイを行い続けることによって、継続的な打点や1枚で多くのセッカカウントを稼いでくれる、非常に強いカードとなります。ただし、アルバータを出せるターンは基本的に3ターン目もしくは6ターン目以降です。最も強く使える3ターン目に合わせてプレイしたいカードなので、マリガンの段階で持ったほうがいいです。
③瘴気の妖精姫・アリア
説明は不要かと思いますが、このデッキの核となるカードです。このカードが出せるかどうかによって、打点面でも、除去面でも、またプレイ面でも非常に楽になります。絶対にキープしましょう。
④ギガンティックブロッサム
フェアリーサークルが復活したカードです。このデッキはフェアリーを多く必要とするため、このカードはいつ開いてもかなりのバリューを発揮します。手札にフェアリーがあるだけで、プレイの幅が広がり、どのように展開していくかのプラン立てが行いやすくなります。2ターン目にワンダーツリーを置きたいデッキでもありますので、このカードは必ずキープしましょう。
3-2.条件によりキープ
①ブラストフェアリー
ギガンティックブロッサムが見えていない時、先後問わず単キープ
⇒妖花の捕食者、ワンダーツリーのトップ受けができます。これを持つだけで序盤に強い動きができる可能性が高くなります。また、ベルエンジェルに対してのケアにもなりますので、私は単キープすることを推奨します。ただし、ギガンティックブロッサムが見えている場合は、ギガンティックブロッサムの方が小回りが利きやすく、安定した動きをしやすいです。そのため、アリアやリソース札を探すために、返しましょう。
妖花の捕食者が見えている時、先後問わず妖花の捕食者とセットキープ
⇒序盤から顔を詰めながら盤面を除去することができ、序盤の動きとしては最高級です。ハンド消費量も少なく済み、セッカカウントも貯まるので悪い所がありません。
②妖花の捕食者
ブラストフェアリーが見えている時、先後問わずブラストフェアリーとセットキープ
⇒序盤から顔を詰めながら盤面を除去することができ、序盤の動きとしては最高級です。ハンド消費量も少なく済み、セッカカウントも貯まるので悪い所がありません。
相手が回復ビショップであると分かっている場合のみ、必ず返す
⇒序盤に打点を入れても回復されるだけでほとんど無意味になってしまいます。そのため、セッカでワンショットを狙うために、必要パーツをかき集めましょう。
③シードショット
ギガンティックブロッサムが見えている時、先攻のみギガンティックブロッサムとセットキープ
⇒先攻4T目に2ドローしてアリアを引きに行く動きが強いです。そのため、小回りの効きやすいギガンティックブロッサムと一緒にキープすることによって、アリアを引ける確率を少しでも高くしましょう。
4.プレイング指針
4-1.共通指針
プレイングの指針についてまとめていきます。まずは、デッキ自体の共通指針についてです。
まず、このデッキはアリアに進化が切れるかどうかによって戦いやすさ、勝ちやすさが段違いに変わります。そのため、なるべくアリアを引き込み、最大バリューで出せるように常に盤面の取り方には気を付けましょう。
また、ハンドの1枚1枚、フェアリーの1体1体が非常に大切になります。特にアマツに進化を切る時、ハンド・盤面管理には常に気を付けましょう。考え方のコツとしては、セッカやブラストフェアリーはハンドを減らさずに、セッカカウントを稼ぐことができます。ブラストフェアリーはさらに複数面除去にもつながりますので、有効的に活用しましょう。
進化権の1つをアリアに切りたいのは当然ですが、残りの1つはなるべくアマツに切りたいです。後手であれば、ある程度自分の体力で受ける展開が多いため、残りの1つはフォレストフェアリーに切っていけると良いと思います。
もしアリアが引けない場合には、セッカカウントを全力で貯めながら、相手の隙を突いて進化顔を通しましょう。アリアがない場合、セッカカウントを効率よく貯めるにはバウンスを多く使っていかなければならず、セッカに使えるバウンスはせいぜい1枚か2枚だからです。そのため、足りない打点を補うために、進化顔をどこかで通す必要が出てきます。
以降は、環境トップであると予想される各デッキの対面について、気を付けるべきことをいくつか記していきます。
4-2.対AFNmプレイング指針
AF対面は、とにかく回ったほうが勝つマッチです。ギガスファクトリーによってパラダイム連打からインパルスされるのが先か、アリアによってフェアリー連打からセッカで削り切るのが先かの勝負になります。
ギガスファクトリーの安着を防ぐために、相手の5Tに合わせてなるべく強い面を作りましょう。その際、妖花の捕食者やアマツを上手く使っていけると良いでしょう。
ギガスを置かれてしまった後は、相手の土俵になります。こちら側の対策としては、なるべく当て先を作らないことです。それによって相手のリーサルターンを少しでも遅らせて、セッカが間に合うように祈りましょう。なお、その場合、輪廻する回生があると場を空にしやすく、勝ちやすくなるかもしれません。
4-3.対守護Bプレイング指針
守護B対面は、ホーリーセイバーが先かセッカが先かのマッチです。エルフ側が先攻ならば多少遅れてもホーリーセイバー前の8Tには間に合いますので、守護を抜く準備が十分にできていれば突破可能でしょう。ただし、その守護の突破が難しいという話はあります。
そのために私はピアシィを採用しています。ピアシィをリーサルターンに投げることによって、守護を全部除去しながらセッカを顔に通すことが容易になります。また、リーサルターンでなくても、ピアシィを投げながら進化顔をすることによって打点を通しながら盤面形成もできます。ピアシィなしでは盤面が返らないと思ったら、無理することなくピアシィを使っていきましょう。
守護ビショップは、序盤の展開が強いデッキです。序盤の盤面の取り合いに遅れてしまうと、ウィルバートや神威のユニコーンといったバーンダメージで削り切られる可能性が生まれてしまうので、なるべく制圧されないように立ち回ると良いです。
4-4.対セッカEプレイング指針
対セッカエルフ、すなわちミラーマッチは、アリアやアルバータを引き込み、強く使えたほうが勝つマッチになっています。とにかくアリアやアルバータを引くようにし、さらに強く使うように心がけましょう。
ブラストフェアリーは、ミラーマッチにおいて1T目からリーサルターンまで仕事があるカードになっています。相手に一方的に使われてしまうとアドバンテージを稼がれやすくなっていますので、優先的に除去しましょう。また、自分がブラストフェアリーを使う場合も、最大限の仕事をしてもらうようにバウンス等を上手く活用して戦っていきましょう。
セッカエルフというデッキは、奇跡の実りやワンダーツリー、フォレストフェアリーといった回復札があり、思った以上の回復をされることが多いです。1点足りずにリーサルターンが1ターン伸びてしまうと、その1ターンでリーサルを決められる恐れがあります。余裕をもって打点を準備しておくとよいでしょう。
5.おわりに
ここまで読んでいただきありがとうございました。セッカエルフについて伝えたいことはほとんど伝えましたので、この記事を読んだ上で、各々が判断をしていただけると幸いです。採用カード・不採用カードのそれぞれにそのカードしかできない動きができるようになったり、逆にそのカードによる穴が生まるようになったりというデッキになっています。
RAGEまで残り1週間という短い期間ですが、デッキが決まらない、エルフを持ち込みたいけどどういった構築にしたほうがいいか分からない、というような方々に届けば幸いです。
この記事を読んでくださった方々のご武運をお祈りしまして、締めとさせていただきます。
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