劇団かもめんたる『HOT』感想(ネタバレ無し)
劇団かもめんたる第10回公演『HOT』を観劇しました。
前作の『君とならどんな夕暮れも怖くない』はコロナにチキって配信で鑑賞したため、今回は生で観ることができて有難いなあと心からしみじみ。お笑いにせよ劇にせよ音楽にせよ、生で観るに越したことはありません。
12月7日までの公演ですが、今ならまだチケットもあるので、チケットぴあで購入するかう大さんにDMして取り置きしてもらいましょう。
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2025521
息を吸うようにダイレクトマーケティングをしましたが、かもめんたるのファンとして劇団かもめんたるには今後も存続していただきたいので是非とも宜しくお願い致します。
ストーリー自体は前作や前々作の方が好みでしたが、今回も下ネタ…う大さん節全開でキャラクター同士の掛け合いが非常に美しい。今作はコメディ色が強いので気軽に笑って楽しめます。
題材も「祭り」という身近なものなので、劇団かもめんたるを初めて観る方にもとっつき易いかも知れません。
以下本筋に触れない程度の感想をつらつらと書き連ねたいと思います。
特に良かったところ
・槙尾さんのキャラ
前評判どおり出てくる度に笑えます。
あの絶妙なウザさは槙尾さんならではですね。性格も言動も槙尾さんの演技にハマっていて、思わず殴りたくなりました。
それにしても槙尾さんは黒髪ロン毛が似合いますね。今回の衣装も着こなされていてシルエットが凄く綺麗でした。役柄ではなく「槙尾さん」のああいう格好も見てみたい!飲食店のオーナーが長髪にするのは衛生上問題しかなさそうですが。
・ラサール石井さんの演技
ただただ素晴らしかったです。
正直石井さんにはあまりいい印象がなかったのですが(すみません)、一番演技が難しい役であそこまで魅せる姿は圧巻でした。永遠に聴きたくなる語り。
冗談抜きで石井さんの演技だけでも課金する価値はあります。中盤のシーンは必見です!
・キャラクター同士の掛け合い
お笑い界広しと言えども、言葉の面白さでかもめんたるに敵うコント師はいないのではないでしょうか。
博学多識から来る豊富な語彙。それらが織りなす掛け合いは楽しくて楽しくて仕方ない。
誤解を恐れずに言うと、自身の教養の深さを大衆に向けて一般化したう大さんのワードセンスには脱帽です。
これは……と思ったところ
・神社局2人のキャラ造形に無理がある
主要キャラで国家公務員と思しき人物がいるのですが、言動に激しい違和感があり、話に入り込むのに苦労しました。観光庁に所属している設定なのかな。
彼らは言葉尻を捕らえられないように非常に丁寧に接するはずなので、敬語すら碌に使えない姿はあまりにも現実と乖離していて……。慇懃無礼な方はよくいますけどね。創作世界にあれこれ言うのは野暮ですが、序盤はかなり気になりました。
色々書きましたが、毎度ながら当日券が余っているとは思えないほどのクオリティ。豪華ゲストもあって採算が取れているのか心配になりました。多分取れてないんだろうなあ。
EDで恒例の物販案内をされていたので写真を載せたいと思います。
アメカジ系にも甘辛コーデにも合わせやすそうな程よいデザイン。この季節、TシャツではなくロンTなのが有難いですね。
今作&過去作の物販サイトがこちら。
https://gekikamo.thebase.in/
遠方の方や都合がつかない方も今作は配信チケットがある親切設計。過去の劇団かもめんたる公演もとても面白いのでDVDを買うのも手。かの岸田國士戯曲賞にノミネートされた第8回公演『GOOD PETS FOR THE GOD』を観て知識人ぶるのも乙なモノ(良質なディストピア作品。マジでめちゃくちゃ面白いです)。
期間限定ですが、配信は3000円と手頃なのでこの機会に是非。来年の夏公演が早くも待ち遠しい。