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【Tap03】石見麦酒(島根)
石見麦酒は2015年、島根県江津市で誕生したマイクロブルワリーです。
もともとは市内の「島根県石央地域地場産業振興センタ―」という施設の中に設けられた醸造所ですが、2024年夏に現在のJR山陰本線・波子駅内に移転。この波子駅は無人駅で、利用客減少に対する打開の一手として、地方活性化の側面からも注目されています。
さて、この石見麦酒は実は、クラフトビールの世界では非常に有名なブランドです。というのもブルワーの山口厳雄さんは、マイクロブルワリー開業時の初期コストを大幅に抑える、独自の醸造手法を考案した人物なのです。
“石見式”の通称で知られるその手法は、発酵タンクをポリ袋と大型冷蔵庫で代用するもので、大掛かりな設備が不要であることから、小資本での参入を可能にしました。そもそも個人での開業が多いマイクロブルワリーですから、この石見式は一躍脚光を浴び、瞬く間に全国へと広がったのです。
現在は通常の醸造手法との併用でビールづくりを行っているという山口さんですが、現在のクラフトビールブームの礎を築いた、陰の立役者の一人と言っていいでしょう。
そんな石見麦酒の創業のきっかけは、江津市主催のビジネスプランコンテスト「Go-Con2014」で、地域の農産物を用いたオリジナルのビールづくりを提案し、見事に大賞を受賞したこと。
クラフトビールを通した地域振興、地方創生という視点から、「ビビビ。」としても大注目のブルワリーなのです。
〈Text By Satoshi Tomokiyo〉