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反射炉ビヤ(静岡)

 2015年に「明治日本の産業革命遺産」の1つとして世界遺産認定された、韮山反射炉。これは金属を溶かして大砲を鋳造していた金属融解炉で、通年人の絶えない伊豆の人気スポットになっています。

 その真横に隣接するのが、1997年からクラフトビールを醸造している「反射炉ビヤ」です。
 醸造所やレストランが置かれている敷地はもともと、明治の頃まで造り酒屋が営まれていた場所で、「かつては近隣の農家から納められた米を使って清酒を醸していたようです」と代表の稲村秀宣さんは言います。

 首都圏で絶大な人気を誇る同社だけに、そのユニークな商品名に聞き覚えのある人も多いのではないでしょうか。イングリッシュペールエールの「太郎左衛門」、アメリカンペールエールの「早雲」、ブラウンポーターの「頼朝」……etc。地域にゆかりのある歴史上の人物の名を冠した反射炉ビヤのビールは、どれも確かな品質でファンの支持を得ています。
※太郎左衛門はこの地域の農兵部隊を組織した江川太郎左衛門英龍から。

「韮山反射炉は世界遺産に登録されてすっかり有名になりましたが、最近は逆に、『反射炉という言葉はビールの名前で初めて知りました』というお客様も増えてきました。地道に良質のビールづくりに取り組んできたことが報われたような気持ちになりますね」

 そう語る稲村さん。伊豆観光の折にはぜひ、現地のビアレストランも訪ねてみてください。

〈Text By Satoshi Tomokiyo〉


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