ワークショップデザインの伴走をさせていただきました!
ご縁をいただき、1月から一般社団法人JOYNT理事の皆さん向けに「ワークショップ」について学ぶ場を週に1回オンラインにて実施させていただきました。2011年に青山学院大学のワークショップデザイナー育成プログラムを受講してから13年。学校や街中でのワークショップ、Edcampをはじめとした対話の場づくりは継続してやってきたものの、「ワークショップ」そのものについてお話する機会というのは今回が初めてでした。お話をいただいた時にはワークショップを生業として活躍されてる多くの方々や書籍の数々を思い浮かべ、
(私がワークショップを語るなんて、100年早いんじゃないか・・・)
と恐れ多く感じました。しかしながら「これも1つのチャンス!」と挑戦させていただき、結果的に私にとっても非常に大きな学びの機会になりました。
「ワークショップ」を講義する
全9回の実施のうち、最初の数回は私からの講義が中心、途中からは3月30日(土)に予定していた関係者向けのワークショップを一緒にデザインしていきました。講義では、
・ワークショップの定義
・ワークショップの分類
・ワークショップデザインの流れ
・探究的WSと創造的WS
・ワークショップの手法紹介
など、これまで実践してきた事例も交えながらお伝えしました。参加する側も含めてワークショップを身近に感じて過ごしてきた私にとって、当たり前のように使ってきた言葉や手法も、改めて説明しようとすることで意味が明確になりました。また「初めて聞き(知り)ました!」「ワークショップのイメージが変わりました!」と言っていただけることもあり、実践を積み重ねてきたからこその専門性があることを自覚することができました。
借りてきた言葉には魂が宿らない
専門性を自覚できた一方で、未熟さを痛感する出来事もありました。実践ばかりで説明する言葉を持ち合わせていなかったことを理由に、尊敬するファシリテーターの方の言葉を引用させてもらったことがありました。伝えたいことが明確で、それを補足するための引用であれば良かったのだと思います。けれど、その時の私は伝えたいことが明確になっていませんでした。にも関わらず、明確にすること、言葉を紡ぐことを怠り、人の言葉に頼ってしまったのです。
迎えた講義当日・・・何が起きたかというと、そのスライドを使って話す際にとてつもなく違和感を感じたのです。受講してくださった方から質問をもらったり指摘されたりした訳ではないのですが、私の違和感は伝わっていたのではないかと思います。スライドの言葉をなぞりながら、内側から言葉が出てこない感覚、まさになぞっているだけのような感覚。今考えてもゾッとする思いでした。あの時の私は明らかに背伸びをしてしまっていました。実感を伴わない言葉は使ってはいけない、自分で言葉にすることを怠ってはいけないと猛烈に反省した出来事でした。
”共に創る”からこそ見えてくる魅力
3月30日(土)に向けてのワークショップデザインがスタートしてからは、理事の3名の方々との対話が中心となりました。すでに会場や参加してくださる方々、「5年後のおとラグを創ろう!」という大きな目的は決まっているところからのスタートでしたが、”なぜこのワークショップをやるのか”というところからじっくり対話を積み重ねて創っていきました。そして、その創る過程で、私自身が心震える場面が度々ありました。
代表理事の喜連さんが、”おとラグ”に込めた想いを語り、本音を呟く場面がありました。私にとっては共通点の多い響子さんが、涙ながらに教育への想いを語ってくれる場面、違和感を正直に伝えてくれる場面がありました。どんな意見も肯定的に笑顔で受け止めてくださった剛さんは、日付が変わりそうになるまで続いた日の振り返りで「ワークショップを創るというワークショップ、楽しいですねぇ。」と満面の笑顔で伝えてくれました。
私自身が、回を重ねるごとにJOYNTさんの活動と皆さんの魅力にどんどん惹き込まれていきました。そして、これこそが”ワークショップ”や”対話”の醍醐味だと身をもって感じました。共に創ることは、互いを深く知ることに繋がります。異なる意見や背景をもつ他者であることを認識しつつ、その違いを活かしたチームとしての一体感が出てくる。
今回、JOYNTの皆さんとご一緒させていただいたことで、そんな”場”の可能性、ワークショップデザインの伴走の魅力を感じることができました。
”おとなのラグビーコミュニティ”参加しました!
「5年後のおとラグを創ろう!」というワークショップ当日の午後には、私自身もおとラグに参加させていただきました。そして、もう純粋に、めちゃくちゃ楽しかったです!!裸足で砂の上を思いっきり走る、ボールを追いかける、砂まみれになって転ぶ。本名も肩書きも分からない、出会ったばかりの人と大笑いしてハイタッチをする。そんな場面があちこちで起きていました。
おとなラグビーコミュニティでは、ラグビー”体験”ではなく『交流』としています。プレーのハードルを下げ、ラグビー憲章や人との繋がりを体感できるオープンコミュニティを目指しているとのこと。
怖い、痛そう・・というイメージが強いラグビーにとって、「やってみる」ということはハードルが高いもの。まず最初につながることからスタートすることで、やってみるハードルを下げることを意識しているそうです。
だからこそ、運営の皆さんだけでなく参加者の方々の創り出す雰囲気がとても温かく明るかったのだと思います。代表の喜連さんがとても共感してるという言葉、
まさにその通りの時間。立場や肩書きを気にせず、遠い未来のために頑張るのではなく、”今”目の前で起きていることに集中し、心から楽しむ。そんな子どもに戻ったようなかけがえのない時間がありました。
立ち上がったばかりのコミュニティにも関わらず、すでに全国各地で開催されていて満足度は96%、2023年だけで総勢1423人もが参加したというおとラグ。単独で参加される方も多く、リピート率は68%にもなるそうです。年齢も性別も幅広い層が参加されていました。ただの体験会に留まらず、コミュニティとして機能しているおとラグは、多くの方にとっての一歩踏みだすチャレンジの場でもあり、大切な居場所にもなっていることが伝わってきました。ラグビーそのものについては知識も経験もまるでない私ですが、それでも心からお勧めしたいコミュニティでした。
点が繋がり、線になる。
実はスポーツ科学部1期卒業生の私。小学校ではサッカー部、中高ではバレーボール部、大学ではストリートダンスサークルと体を動かしてばかりいた学生時代を過ごしています。大学ではスポーツ社会学のゼミに入り、部活指導と教育についての卒論を書きました。そんな私ですが、大学の授業そのものにはあまり興味を持てず、卒業直前に仲間とカフェを作ったことが人生を大きく変えたと感じてきました。
しかし、大学を卒業して15年以上を経て、巡り巡って、スポーツ関連の方々とお仕事をご一緒する機会に恵まれました。地域コーディネーターとして関わっているジェラート屋さんでは時々コーヒーを淹れさせてもらっています。スポーツ科学部にいたことも、カフェを作ったことも、その経験が今の私に繋がっています。
街のさまざまな活動、小学校での講師、母としての日々、これまで出会って関わってくださったたくさんの方々、何もかもが今の”私”を作ってくれています。
いよいよ新年度が始まりました。勤務校での子どもたちとの出会いももうすぐです。さぁ、どんな1年が待っているのでしょうか。どんな経験も、新しい自分への大切な一歩として、日々を大切に過ごしていきたいと思っています。