ビーバーらしく 「 つくる 」 にもっと多様さを。
皆さん、こんにちは。はねだまさひろです。
2021年6月に産まれた合同会社ビーバーも、無事に2歳半を迎えて、人間だとまもなく幼稚園入学…というところ。3歳を迎えるまでの数ヶ月、notoを通じてビーバーの棚卸しとして、文章で整理していく機会をつくりたいと思います。
"つくる"から、2歳半をふりかえる…
思い返すとずっと " つくり " 続けてきたように思います。
創業当初はキッチンカーから始まり、次第にキャンピングカー、小屋、空き家のリノベーション…と規模や難易度が上がっていきましたが、変わらなかったことはずっと作り続けてきたことでした。
そしてもう一つ変わらない事があって、地域で新しいチャレンジを企てる起業家マインドを持った方達の建築をつくってきた事です。
起業家マインドを持った方達って、本当にユニーク。その方達の個性や特性とどのように調和させながら、ひとつの建築を一緒につくり続けられるのか。それが、僕たちのチャレンジの一つでした。
気仙沼市のゲストハウス「スローハウス」は、オーナーが引っ切りなしに呼んでくる、"日本一周中の旅人達"と内装工事を一緒に仕上げました。旅人達は次の旅先で"自分がつくっているゲストハウス"と、自分ごとでスローハウスをPR。噂を聞きつけ、どこからともなく湧いて出てくる旅人達はオーナーの恵一さんや気仙沼のマチに惚れていき、移住や”沼る”展開がありました。
クレープ屋さんのキッチンカー「moimoi by 自然卵のクレープ」、気仙沼市のパーソナルトレーニングジム「bonobo」、一関市の禅宗寺院「藤源寺」の離れ…と、これまで関わったプロジェクトや施主の個性・特性もさまざま。時には施主の自主工事を2,3割組み入れたハーフビルドのプロジェクトや、大工が組み上げた建築物の内装のみをアップデートしたプロジェクトもありました。
"つくる"をもっと多面的に扱いたい
元々僕は移住する前、建築設計事務所で保育園などの施設をデザイン。建設会社等がつくる、数億円規模であったり、面積も大きな建築に関わってきました。
打って変わっていま僕が携わっているのは、もっと小さかったり、優しかったり、自由度の高い建築です。
大工は大工、管理者は管理者…のような分業ではなく、全てつながっていて、僕も時には工具を手にしてつくります。"百姓"な東北の風土らしい、在り方です。
設計だけでなく施工も担当するようになり、手仕事の魅力や苦労、職人達が育んでいる日本文化について、考えるようになりました。一方で、「苦労の割にお金にならない」と嘆く声にも、どこか複雑な気持ちも湧いてきました。
その複雑な気持ちを考えてみると、"仕事の苦労"と"対価"以外にも沢山の視点がこの世界にはあるのに、どこか二の次になっている現状に違和感があることに気づきました。
「建築する意義ってなんだろう?」
動物のビーバーがつくるダムが、森に新たな動植物を呼び込み多様性を育むように、僕たちが関わる建築が、誰かの夢の実現につながり、マチに魅力が生まれ、その先の未来が多様な展開をしていく事を願って、建築する。僕たちらしく表現すると、そうなるかもしれません。つくる楽しさを忘れぬようにしたいものですね。
次回も、棚卸しエッセイを書きたいと思っています。
終わり .
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?