去年の夏頃

もう一年が経つ
プレイリストを作りはじめてから
いつのまにか50曲を超えるあなたのための曲たち
打ち沈みが激しく嬉しい時の曲とダメな時の曲が交互に入れられている

一緒にアイスを食べながら知らない街をうろうろしたあの日から一年が経つ
すごく、とてもいい夏だった
だけどもう戻れないし、話したことも覚えていない
あの時知らない街だったあの場所はあなたを思い出す場所になっただけど話した内容はこれっぽっちも思い出せない
ライターの火がつかなくてマッチでタバコをつけてくれたことだけが思い出せる
あのベンチだけが存在している

いつも幸せでいてほしいと思う
いつまでも、幸せの方に進んでほしいと思う
あの子の幸せがわたしの幸せだ
そう思えるようになったのは最近のことで、この時のプレイリストに追加したときは一緒に幸せになりたいと思っていた
素直にそう思える今なら少しずつ変わりつつある

横断歩道の真ん中で青色が点滅している
点滅と同時にあの子のサンダルが脱げた
ノロノロと信号も気にせず履き直す姿はいつまでも思い出せてしまう
サンダルの柄の部分がいつもボロボロだった
今年は新しいサンダルを買ったのだろうか
いつになったら甚平を買うのだろう
ママにはずっと内緒の話だ

愛してると好きの違いを話してから簡単にあの子には愛を伝えられなくなった
見返りなんか求めてもいなくて、ただ単純に知ってほしいがためのわたしの愛はいつしか言えなくなり、誰にでも言えてしまう好きばかり伝えるようになった

楽しいことだけが好きで、死ぬまでずっと楽しいことだけをしていたい
苦しくて真っ暗なこの世界
わたしはあの子に会うまで真っ暗だった
苦しくて、いつでも死んでしまえそうなほどザワザワとする胸騒ぎを止めてくれたのはいつもあの子だったどうせ死ぬなら楽しいことしてようずっと

こんな形じゃなくて、というかもっとわたしが可愛くて、細くてあの子の好みなら変わってたのかもしれない今の形神様は意地悪だ
だけど少しでも付き合いたいと思ってくれた一緒にいたいと思ってくれたあの子の本心ありがとうね
握った手以外も、握った手も全部忘れたくないかもずっと

あなたになって世界が見たいよ
あなたしか知らないあなたしかみることができない景色を少しでも見たいと思う
出会ったときのセリフをいつまでも忘れないでおきたい
それでも忘れてしまう どこかに言葉を残しておかないと忘れてしまう忘れたくないのに

煙草とちょっとのお金があればあなたとならなんでも楽しい
ちょっとのお金じゃ済まない時ばかりだけど
楽しいから楽しいからなんでもいい

君は僕の一番だよー
世界の中の一番でも、友達の中でも、好きな人の中でも、大事な人の一番でもないけどきっと何かの一番なんだよ

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