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#07 【4年秋の大逆転】交換留学からオーストリアに現地採用!新卒から”駐在”で叶える海外キャリア

海外で活躍する20代の日本人女性にフォーカスするポッドキャスト番組『海外ではたらく私たち20’s』。今回のゲストは、慶應義塾大学を卒業後、ドローンサービスを提供するスタートアップの海外営業担当(駐在員)として、オーストリアに移住した、西平美侑さん(25)です。この記事では交換留学からオーストリアでの就職に至る経緯を深堀り、多様な選択肢と挑戦する勇気をお届けします。
※エピソードは2024年5月5日公開時点の内容です。



自己紹介

はじめまして、西平美侑と申します。
沖縄出身で大学進学を機に上京し、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業しました。大学4年生の秋に参加した1年間のオーストリア交換留学をきっかけに、現在もオーストリア駐在員として、日本のスタートアップ企業に勤務しています。
ドローンのサービスを提供するスタートアップでは、ヨーロッパ進出に向けた欧州拠点の立ち上げに携わっています。私は駐在員としてオーストリアからリモートで日本チームと連携し、営業活動や拠点立ち上げの準備に取り組んでいる状況です。

この記事では、私のオーストリア留学を経て海外就職を実現した経緯についてお話します!海外に挑戦する方のお役に立てると嬉しいです。

インタビュー音声はPodcastで配信中です

原体験は国連支部での戦争継承活動

私が海外に興味を持ったきっかけは、高校時代のオーストリア派遣でした。沖縄の高校に通っていたのですが、部活動の一環で沖縄戦の戦争体験を継承する活動に取り組んでいました。その活動の中で、オーストリアのウィーンにある国連支部でスピーチをする機会があったんです。初めて海外の大きな国際機関に足を運んだ経験が衝撃的で。当時高校3年生だった私は「いつかまたウィーンに戻ってきたい」と考えるようになりました。

当時は受験生で理系だったのですが、この経験から高校3年生の終わり頃に文転を決断したんです。もっと英語を使ったお仕事をしたいという気持ちと、国際政治にも興味を持ったからです。最終的に、慶應義塾大学法学部政治学科に進学しました。

沖縄出身のアイデンティティ

振り返ると、国際的な舞台で働きたいという目標はずっと持っていた気がします。それは沖縄戦の継承活動をしていたことも影響していますね。私の祖父母は沖縄戦を経験しているのですが、本当に悲惨な出来事だったと聞きます。それでも、その時代を生き抜いてくれた祖父母の存在があってこそ、今の私がいる。そのことが、自分のアイデンティティを考える大きな支えになってるんです。平和の大切さを身をもって知る方々のおかげで、私は大きな舞台で、戦争の悲惨さと平和の大切さを自分なりに伝えたいと思うようになったのだと思います。

私の場合、大きなゴールに対して必然的に海外で働く選択肢が生じた側面もあります。もちろん、海外に住んだり働いたりすること自体への憧れもありました。実際に海外で働くことは楽しいですし、いろいろな経験が積める環境はとても刺激的です。

就活スキップで4年秋に交換留学

大学在学中は交換留学に挑戦しました。当初は3年生で留学する予定だったのですが、コロナの影響でプログラムが中止になったり延期になったりして。結局、3年生での留学は断念して、代わりに国際学生寮に入寮しました。それでも、やっぱり留学したい気持ちを諦められなかったので、4年生の秋から交換留学することにしました。当時は就職活動のことは一旦考えず、「まずは留学に行きたい」という気持ちが強かったですね。

日本で就職したければ、海外経験のある学生向けのボストンキャリアフォーラムやロンドンキャリアフォーラムなども活用できますし、オンラインの面接も増えていたので、そこまで「日本に戻って就活しなきゃ」と焦る気持ちはなかったです。何より、東京で働くことにこだわりがあまりなかったんですよね。沖縄出身ということもあり、将来は沖縄に戻るか、あるいは海外でキャリアを積みたいなと思っていたので、留学を経てから方針を決めても遅くないと考えていました。

交換留学を経て現地就職

留学前は日本で就活することも想定していたのですが、交換留学を経て次第に「このままウィーンに残って働きたい」と思うようになったんです。ウィーンには慶應のOB・OGが集まるウィーン三田会という同窓会組織があるのですが、半数近くが国際機関の職員として働かれている方々で、民間セクターから国連に転身した方のお話を聞く機会もありました。そのような方のお話を聞いていると、やはり高校時代の経験を思い出して、ウィーンの国際機関で働く夢を実現したいと思うようになりました。

ただ、国際機関で働くためには最低3年程度の就業経験が必要なんですよね。そのため、まずはビジネスの現場で経験を積むことが大切だなと思ったんです。ヨーロッパには大学院進学を経てキャリアアップしていく人が多いので、大学院進学も検討しつつ、まずは現地で実務経験を積んで、いずれは国際機関で働きたいという思いがあります。

海外就活に立ちはだかる壁

オーストリアで働くことを決めてからは、実際に現地企業に応募をして、大学のキャリアフォーラムに参加したり、自分のレジュメを配ったり、リクルーターの方と話すなど、ありとあらゆる自分に出来ることにやってみました。ですが、やはり外国人として働くことの難しさを感じる場面が多かったです。

まず言語の面で、オーストリアの公用語はドイツ語なんですよね。第一関門としてドイツ語が流暢に話せないと、最初の選抜から外されてしまいます。
また、最終学歴も重要です。私は交換留学でオーストリアに来ていたので、現地の学位を持っていませんでした。慶應義塾大学は日本でこそ有名ですが、ヨーロッパでの知名度はそこまで高くありません。法学部政治学科では横断的な学びをしていたため、専門性もなくて、スキルも知識も不足していました。

ヨーロッパの学生は学部選択の段階から就職を見据えているため、自分の経歴は現地の学生と同じ場で戦うには少し弱いと感じました。大学院に行く人も多いので、大学院進学がキャリアの幅を広げる1つの選択肢になり得るということも学びましたね。

海外就職を叶えた運命の出会い

そんな私が今オーストリアで働くことができているのは、運が良かった部分もありますが、諦めないで行動した結果であるとも思っています。

自分の強みを振り返った時に、日本人であることを活かせるのではないかと思い付いたんです。日本人だからこそ、日本企業と関わりがあるビジネスの場にいた方が強みが発揮できると考えました。そこで、オーストリアにある日本と関連する会社を調べてみました。色々と調べていると、ネットで日本のスタートアップが一堂に会するイベントがあることを知ったんです。
ここなら日本人としての強みを活かせるかもしれないと思い、イベントに足を運んで履歴書を配りまくりました(笑)この時に、今の社長に声をかけてもらったんです。履歴書を配り続ける姿を見て「営業に向いているかもしれない」と評価してくださったそうです。

こうして日本のドローンスタートアップの代表と出会い、ちょうど欧州に拠点を立ち上げたいというタイミングも重なったことで、現在はオーストリアからリモートで日本のチームと連携しながら営業活動や拠点立ち上げ準備をしています。就職の形としては、日本の本社に在籍しつつ、オーストリアからリモートで働く“駐在員”のようなスタイルに落ち着きました。

成功の鍵は履歴書とコネクション

私の場合、新卒で海外就職を実現するために大切だと思ったことは、履歴書とコネクションです。
レジュメは2か月ほどかけて、大学のキャリアアドバイザーなどに添削を依頼し、何度もブラッシュアップしました。フォーマットをよく調べて、刺さる内容はどんなものなのかを考え、応募するポジションごとにアピールポイントを変える工夫もしました。現地企業には入社できませんでしたが、この経験は今後の転職活動の際にも役立つと思っています。

コネクションに関しては、オーストリアは小さい国ということもあり、人と人とのつながりでインターンや就職の話が回ってくるケースが非常に多いんです。日本でいう「親の紹介」や「先輩のつて」のようなことが、オーストリアでは頻繁に見られます。私もイベントで現職の社長と出会えましたし、改めてつながりの大切さを実感しました。イベントに積極的に参加して、自分がやりたいことを共有することは重要だと思います。

※エピソードは2024年5月5日公開時点の内容です。

👩‍💻美侑さんの現在
昨年秋に同社のオーストリア現地法人を立ち上げ、その代表として勤務。ドローン事業を国際平和への貢献に繋げるべく、調査業務や情報発信も行う。
また、ネットワークとノウハウを活かし、日本と中東欧の企業に向けた営業支援サービスも展開。

📢美侑さんからのお知らせ
以下にご関心のある方は、お気軽にお問い合わせください!
▪ オーストリア / 中東欧の市場調査
▪ ヨーロッパへの事業展開
▪ ドローンやディープテック領域の調査
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  • 後編は2025/2/1(土)投稿予定です

  • Podcastはこちらから聴けます

番組:海外ではたらく私たち20's
『海外ではたらく』に挑戦する20代の日本人女性をゲストに招き、日本社会の固定観念を覆し続ける彼女たちから、海外で働くまでのストーリーや現地でのリアルな体験談、将来のキャリアを伺う番組です。日本で生まれ育った彼女たちが異国でチャレンジする姿を通じて、リスナーの皆さんに多様な選択肢と挑戦する勇気をお届けします。毎週月曜日 朝7時配信
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制作:BIAS
BIASは、固定観念が人々の可能性を狭めている現状への問題意識から、固定観念が覆る瞬間を創造し、「バイアスを超えた可能性を」目指すプロジェクトです。現在は、BIASの第1弾コンテンツとして、Podcast番組「海外ではたらく私たち20’s」の制作に注力しています。


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