便太郎のおもひでぽろぽろ【第7話】香港ビザ取得ツアー!
仕事も探さなくてならないのだが、
ノービザの滞在期限も迫る。
とりあえず、Tさんに教えてもらったとおりに、
香港行って1年マルチビザ取りに行くかな?
ってな訳で早速出発!
上海駅は凄い人でごった返している。
まだアプリで切符購入なんか出来ない時代である。
駅の切符売り場で並んで、購入する。
てか、Tさんが書いてくれたメモを渡すだけ。
思えばTさん、いたれり尽くせりで優しいじゃないか?
(なのに、胡散臭いとか武勇伝かたるオヤジとか言ってすいませんでした~!)
無事切符をゲットし、上海から寝台車で深圳の羅湖へ。
35時間かかるらしい。
おおお!
これが噂の3段ベッドの寝台車ってやつね?
Tさんのお薦め通り中段のベッドを購入済。
(3段ベッドの下段は、知らない人に座られたりして落ち着かないし、上段は上るのが面倒くさいし、ちょっと狭いから、中段がお薦めだとTさんに教わっていた。)
確かにTさんの言う通りで中段ベッドが正解だった。
(さすがTさん)
寝台車ってテンション上がりますよね?
いいわ~寝台車!
しかも中国の寝台車は親切で、乗ると切符を車掌に預ける。
降りる30分前に次の駅ですよ〜って切符を返してくれるので、
乗り過ごす事が無い。
アナウンスが何言ってるか分からなくても安心なのだ!!!
かなり良いシステムだと思う。
ただ、ここで衝撃的光景を目撃する。
食堂車でダラダラ呑みながら飯食ってたら、
乗務員達が慌ただしく動き出す。
なんにやってんだ?
と思ってじーっと見ていると、
黒いゴミ袋を集めて食堂車の通路に置き出した。
なんだよ人が飯食ってるのに…
しばらくして乗務員が列車の窓を開けた。
そんでもって川を越える鉄橋を通過する瞬間!
ヤー!!!
ってゴミ袋を窓から川へ投げ捨て始めたのだ!
マジかよ…
空いた口を塞ぐのを忘れちまったじゃねーかー
川はゴミ箱って訳ね?
(今ではこの程度では驚かなくなったが、当時は凄い衝撃を受けた)
当時スマホとか無かったんだけど、
35時間の旅は全然苦じゃ無かった。
景色を見ながら妄想にふけったりしてとても楽しい。
むしろもっと乗っていたい衝動にすら駆られたが、
時間が経つにつれ劣化していくトイレがなぁ…
手を洗う水も途中から出なくなって、
それがしんどかったなぁ。
深圳に着いたのは、ちょうど通関?が開く5時近かった。
(駅前に凄い風俗ビルがあるらしいが…そこは今はスルー)
香港側に通勤と通学なのかな?
既に行列が出来ていた。
中国側でスタンプをポン!
香港側でスタンプをポン!
こんな簡単なの?と拍子抜け。
通関を繰り返したらビザ要らないんじゃね?
などなど思いつつ、地下鉄を乗り継ぎモンコックへ。
目指すは、女人街近くの日本人宿。
日本人のおじいちゃんがオーナーの安宿である。
(Tさんの常宿らしい)
ここで、チェックインの時に、
卒業旅行らしき日本人女子大生3人組に遭遇。
キャッキャッキャ〜!
と楽しそうにきゃぴってるので、
負けじと
キャピキャピキャピ~!
とチェックインしてたら、
ええ日本人?
そうです!
こう見えても日本人です。
えええタイ人かと思った〜キャピ〜!
良く言われる…キャピ~!
その後、
この宿のオーナーの日本人のおじいちゃんが、
お腹空いてる?
近くに安い屋台があるから案内するよ!
つって4人で飲茶へ行くことになった。
ええ~上海から来たんですか~すごーい!
ええ~英語ペラペラなんですね~すごーい!
(サバイバルイングリッシュが生まれてはじめて褒められた)
とかなんとかおだてられてめちゃくちゃ楽しい!!!
一緒に香港観光とかどーですか~?
え?
マジ?
一瞬香港へ来た目的を忘れかけた。
私には1年マルチビザ取得という任務があるのだ!
無い後ろ髪を引かれる事は無く、
丁重にお断りし、3人組と別れ重慶大厦へ。
ネイザンロードをてくてくと。
香港は日本と同じ左側通行。
テレビで見た事ある!
屋根無し2階建バスにテンションが上がる。
ジャッキーは何処だ?
無駄に画数の多い漢字の看板。
この漢字覚えてからじゃないと学校のテスト答えられないじゃん!
香港人凄いハンデ背負ってるなぁ…
などと思っていると目的地の重慶大厦に到着した。
まさに人種の流壺。
インド系、アラブ系、アジア系。
両替屋。偽ブランド物屋。
迷路みたいなビルである。
どうやったらこんな複雑にエレベーター作れるの?
直通エレベーターが無い。
これが重慶大厦か?
凄い所だ。
ビザ代理店まで何回もここへは、どうやって行きますか?
って聞きながら、聞く度になんか買わされそうになりがら、
やっとたどり着いた。
着いた所は、代理店ではなくただの安宿でビザ代行をしているだけだった。イメージしてたのと大違い。
特急で申請して翌日12時に出来上がるのだが…パスポート預けるのが不安になる様なボロい所。
大丈夫かな…
でも、ここで止める訳にも行かず、1年マルチビザを申請したのだった。
つづく