うちの嫁さま【第20話】天津ダックがやってきた!
仕事を終え帰宅すると…
なにやら
「ぴーぴーぴー」
騒がしい…
(長渕?いやいや違う違うそおじゃなーいー♪)
視界を横切る黄色い物体…
ひよこ?
すぐにピンときた。
(いつか110番通報してやる!象印クイズじゃねーぞ!)
嫁さまのヤローまたやりあがったな?
一気に体の力が抜けた…
便太郎家で歴代飼った犬、猫、ハムスター、うさぎ、カメ、上海ガニなどなど…
全てなんの相談も無く嫁さまの独断で飼ったペットばかりなのである。
てか、
欲しいなぁ~とか、
可愛いなぁ~とか、
言ってると近い将来必ず部屋にいるのだ…
今回もそう。
お前怒る?
怒る!
どう?可愛いや~こいつら!
どう?じゃねーよ!
どーすんのこのひよこ達…
ひよこじゃねーよ
ダックです!
いやどっちでもいい!
どーすんだよ?
飼えないって!
無理だって!
飼えるよ!
そんなやり取りをしている間に、4匹の天津ダックたちは猫のエサを貪り食い散らかしピーピーピー部屋中を歩き回り、そこら中に糞をまき散らしていたのだ…
猫どもは、怖がって遠目に天津ダックを観察している。
ん~
良く見ると確かに可愛い。
(ダックの産毛は思ったよりも硬くて撫でても気持ちよくないって知ってました?)
でも、この時にすでに、可愛いからと言って無責任に飼っても手に負えなくなって「食葬」になるか、さすがに捨てはしなとは思うけど、適当に誰かに売るか、あげるかする未来が私には、はっきりと見えた。
しかも4匹も…
絶対無理だって!
大丈夫!
どうせ2匹くらい、すぐ死ぬから!
すると嫁さまの言葉どおり。
翌日に1匹、翌々日にはもう1匹が冷たくなっていた…😭
(あなた預言者ですか?凄いな…)
そういえば子供の頃、祭りで買って貰ったひよこも2,3日ですぐ死んだっけ?
どうせすぐ全滅するだろう…
既にブレーキの壊れたダンプカーモードに突入してて、
どうせオレ様が何を言っても聞く耳もたないし…
なるべく感情移入しないように、そしてなるべく面倒見ないようにして、
天津ダックを飼い始めたのであった。
その代わり絶対最後まで面倒見ろよ!
途中で捨てるなよ!
途中で食うなよ!
というオレ様の言葉は、嫁さまに聞こえていただろうか?😰
残った2匹は元気いっぱいですくすく成長していきます。
そろそろ名前付けた方が良いかな?
気がついたら、めっちゃメインで面倒みてるオレ様…
(いつもの事だが…)
もう、この2匹の天津ダックの可愛さにメロメロになってしまってました。
てか、こいつらの成長が早い早い!!!
夜、仕事を終えて帰宅すると、
朝よりでかくなってるんです!!!
これマジですよ!
左を、Pちゃん。
右を、イカリヤ。
と名前を付けた。
いかりやは、くちばしが…😱
でも、元気モリモリです。
そんでもって、
週2,3回お散歩へ連れて行きます。
なんせ天津ダック連れて散歩しているヤツなんかいないので、いろんな人に声かけられます。
この野良仕事していたおっさんらの話によると2匹ともメスらしいですね。
(実際のところは不明…)
Pちゃんといかりやは、かたつむりが大好物。
雨上がりに散歩に行くとガシガシ食べます🤣
小さい頃は水たまりで泳いだりして、
めちゃくちゃ可愛いかったな。
Pちゃんとイカリヤとの散歩!
マジで超楽しいんです!!!
めちゃくちゃ可愛い2匹!!!
ただですね。
世話するのが死ぬほど大変。
糞尿をコントロールできない動物を部屋の中で飼うのは絶対にやめた方が良い。おすすめしません!
1日に何回も掃除しないといけない。
成長していくについれてどんどん大変になります。
ダックは水鳥なので水浴びもさせないといけません。
最初は良かったのですが、大きくなるにつれ入るバケツが無くなっていく…
最初は毎日水浴びさせてたのですが、
2日に1回…
3日に1回…
と減っていきます。
糞の臭いもきつくなり…
とうとう部屋で飼うのをあきらめた。
いらないガラクタをかたずけて場所を確保して、
ベランダへお引越しです。
(ベランダの片付けは、嫁さまが頑張りました👏)
この囲いもすぐに取っ払って大分広くなったので、
Pちゃんイカリヤも嬉しそうでした。
そんなある日…
悲劇が突然訪れる…
あれ?
イカリヤがいない?
Pちゃん!!!
イカリヤは?
どこ行ったの?
え?
マジでいないんだけど…
え?
まさか?
落ちた?
うそ?
(ここはタワマンの中層階…)
えええ?
慌てる便太郎一家!!!
とりあえず、お子様と下へ見行く。
大丈夫!
羽ばたけば落下スピード落とせるから!
その辺ウロウロしてるかも?
窓の真下の中庭には居ない…
外だ!
頼むから生きててくれー!!!
神頼みは通じなかった…
道端に横たわるイカリヤを見つけた…😭
嗚呼…
イカリヤよ何故…
お子様は泣いている…
嫁さまも泣いている…
私も涙をこらえ、イカリヤを路肩の植え込みに置いた。
部屋にスコップを取りに戻る。
そしてすぐ近くに昔、飼ってた犬の、
小黒(しゃおへい)が眠る木のしたに埋葬したのであった。
さよならイカリヤ…
ベランダの手すりまでは相当、高さがあるのでそこまでは超えられないと思ってました…落下防止の網をつけようっていう話をしていたのですが、そのまま実行に移すことなかったのが悔やまれます…😭