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うちの嫁さま【第9話】折れる心
疲労困憊。
行き場を無くした便太郎一家…
黙り込む嫁さま。
お子さまは機内で寝たせいか、
あちこちウロウロしたにも関わらず意外と元気なのが救い。
精も魂も尽き果てとにかくここからいちばん近いホテルへチェックイン。
もしもここが満室だったらもっと笑えた。
ホテルの受付で、試しに聞いてみた。
実はマカオに行きたいんですけど、
中国人が、通行証じゃなくてパスポートでマカオに行くこと出来ますか?
「没问题!」(問題無い)
と即答…
こいつら良くわかってないくせに自信満々で答えるなよな…
信じません!
と心の中でつぶやくオレ様。
その言葉を聞いても、
嫁さまがマジ?っと喜ぶことは無かった。
恐らくオレ様と同じ気持ちだったに違いない。
ホテルの受付に再度、
実は今通関でダメって言われたんですが、
なんとかマカオに行ける方法無いですか?
と聞いてみた。
受付は、あ、そうなの?
私には、わかりません。
最初からそう言えばいいのよ。
人を混乱させないで欲しい…
もうしんどい。
とりあえず翌日考えよう。
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てれてれてってってー
(ドラクエの宿の音楽)
嫁さまとお子さまは爆睡中。
実は、オレ様には秘策があった。
第三国に抜ける航空券があれば、
通行証が無くてもパスポートでマカオに入境できるのである。
そう何度も言われた。
って事は?
第三国に行く航空券を買えばいいだけじゃん!
実際に行かなくても後でキャンセルすればいいのである。
ぐひひ。
我ながら良いアイディアを思いつくものである。
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嫁さまとお子さまはさすがに疲れて起きてこない。
一人でホテル付近の散策。
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旅行代理店がたくさんあったので、
2,3件なんとかマカオに行く方法無いか聞いたけど、
どうにもならないみたいだ。
やはり、第三国へ行く航空券を買うしかない!
ホテルへ戻り、嫁さまにこの作戦を説明する。
しかし、嫁さまの心はボッキっと折れていた。
もういい。マカオへは行かない。
お前ひとりで行ってこいよ。
ホテルはキャンセル出来ないし、
ホテル代が全部、無駄になるのはどうしても許せない。
だからお前ひとりで行って、
せめてホテルに泊まって楽しんで来いよ!
お前たちはどーすんの?
とりあえず珠海観光してから考える。
オレ様の作戦など聞く耳もたない嫁さま。
こうなると何を言っても無駄なのが
うちの嫁さまなのである。
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こうして春節初日に一家離散となった便太郎一家…
一体この後、どうなってしうのか?
つづく