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インターンインタビュー:Luoyi Shenさん

今回は、2024年夏にポリシーナッジデザインでインターンをされたLuoyi Shenさんにインタビューしました!

横浜のインターナショナルスクールを卒業後、英国の大学London School of Economics(LSE)の心理学・行動科学コースに在学しているLuoyiさん。

ポリシーナッジデザインでのインターン経験についてお話いただいたほか、どんな高校時代を過ごし、大学ではどのようなことを学んでいるのかについてもお話いただきました。

これから大学で行動経済学や心理学などの行動科学を学びたいと思っている中学生・高校生のみなさんには、とても参考になる内容かと思います。

ぜひ、最後まで読んでみてくださいね。

Luoyi Shenさん

 
―Luoyiさんはなぜポリシーナッジデザインのインターンを志望されたのですか?

夏休みに日本でのインターンシップを探していて、コンサルティング、特に行動科学コンサルティングに興味がありました。そんな時、インターネットで日本の行動科学コンサルティング会社であるポリシーナッジデザイン合同会社を見つけました。会社のウェブサイトを読み、とても面白いと思ったので、インターンシップを申し込みました。

私はLSEで経済学、心理科学、行動科学の授業を受け、これらの科目のつながりにとても興味を持ちました。大学1年目も終わりに近づき、新しく得た知識を活かせることをしたいと思うようになり、夏休みは日本でインターンとして働くことを経験したいと思いました。大学生を募集していない企業も多いなか、私はとても幸運で、ポリシーナッジデザインのボランタリーインターンとして参加させていただくことになりました。


―ポリシーナッジデザインでは、さまざまな業務を行なっていただきました。どのような点が印象に残っているかを教えてください。
 
私が携わった業務は、次のようなものです。
ー日本の防災におけるナッジの活用に関する記事や、ナッジ研修の紹介記事の英語への翻訳
ー様々な認知バイアスを紹介するソーシャルメディア・シリーズのデザイン
ー地域でのボランティア活動を促進するための行動インサイトに関するデスクトップ・リサーチの実施
ー自分に合ったボランティア活動のタイプを理解しやすくするためのポスターのプロトタイプのデザイン

このようなプロジェクトの一つひとつを通して、現代の現実の社会問題に対して新たな解決策を生み出す上で、行動インサイトが持つ力に深く興味を惹かれ、引き込まれるのを感じました。

また、ポリシーナッジデザインの手がけてきたプロジェクトを通じて、廃棄物の適切な分別の増加やエネルギーの無駄の削減など、ナッジや行動洞察が日本の政策立案にどのように活用されているのかを学びました。

私にとって日本語を使って仕事をすることは大きな課題の一つでしたが、このインターンシップを通じて主に日本語を使って活動したことで、自信にもなりました。

 
―自主的に提案したりなど、熱意を持ってインターンとして活動してくださり、とても感謝しています。ところで、Luoyiさんはなぜ大学で行動科学を学ぼうと思ったのですか?

高校時代にサステナブルファッションに関心を持ち、学校での衣服廃棄を減らすことを目的としたチャリティーショップの団体を立ち上げました。この団体を運営する中で、過剰消費によって廃棄物となった商品の山を見ているうちに、なぜ人は不要なものを買ってしまうのかに興味を持つようになりました。

ファストファッションのドキュメンタリー映画「ザ・トゥルー・コスト」で語った心理学者ティム・カッサーに影響を受け、国際バカロレアプログラムのため、「感情的な不安はどの程度物質主義をもたらすか」というタイトルのエッセイを書きました。この研究プロジェクトを通して、経済的不安や親との関係、自己不信が物質主義的信念に及ぼす影響について知識を得ました。こうした過程を通じて、人の意思決定のプロセスや、社会現象における個人の心理の役割に興味を持つようになり、心理学をより深いレベルで学びたいと思うようになりました。

そのため、心理学だけでなく行動科学にも焦点を当てた心理学プログラムを志望することにしました。米国と英国でそのような大学を徹底的に探した結果、LSEの心理行動科学プログラムが私のやりたいことにぴったりだとわかり、3月に出願して、7月にLSEへの入学が決まりました。


―なるほど、高校時代の経験がきっかけだったのですね。現在、大学ではどのような勉強やプロジェクトに取り組んでいますか?

LSEでの1年目は、心理科学、行動科学、統計学と研究法を専攻科目として勉強しました。行動科学に必要なスキルを身につけるための課題が含まれており、チャリティ寄付を促進する方法に関する混合方法研究プロジェクトを行いました。「お金で幸せを買えるか」というタイトルのブログを書いたり、価格分割に関する発表を行ったり、統計ソフトのRを使用してデータを分析しました。また、気候変動に対する時間割引の影響を検討しました。

学部1年生を対象としたLSEの代表的な学際的グループ・プロジェクトであるLSE100では、他学部の学生と協力して、再生可能エネルギーを選択した企業が支払う税金を相殺する政策である生産税額控除を使って、オーストラリアにおける再生可能エネルギーの利用の促進を目的とした政策案を作成しました。

MINDSPACEフレームワークなどの行動科学モデルの導入とともに、グリーン経済への移行の出発点として、オーストラリアで再生可能エネルギーを生産するエネルギー企業の動機づけを高めることを目指しました。

これらのコースや課題を通して、私は様々な分野で個人的な興味をさらに深める機会を得ることができました。

授業以外では、LSE学生組合のRaising and Givingという英国最大級の学生主導の慈善団体で、マーケティング担当として活動しました。Instagram などのSNSを運用したり、チャリティ・ファッションショーなどのイベントのキャンペーンに携わって、チャリティ・パートナーのために5,000ポンド(日本円で約100万円)以上の寄付を集めることができました。


―大学では、心理学、経済学などを横断的に学ぶと同時に、自分たちで取り組むプロジェクトもたくさんあるのですね。現在は、行動科学のどの分野や領域に最も興味がありますか?

私が最も興味を持っている心理学と行動科学の分野は、持続可能性の政策立案、慈善団体、消費者行動研究への応用です。この興味は、高校時代に持続可能性団体を立ち上げたり、LSE最大の学生慈善団体にマーケティング担当として参加したり、中国、日本、そして現在の英国に住む人々を観察して得た多くのフィールド観察など、私の活動の多くに反映されていると思います。

LSEで楽しみにしているコースの一つは、「持続可能性のための消費者心理学」という3年生のコースで、私の興味のある心理学が一度に学べるのでとても楽しみです。

―それはとても面白そうですね!では、最後に、Luoyiさんのこれからやりたいことや希望するキャリアを教えてください。

大学2年生になったら、自分の興味のある分野で心理学や行動科学の実践を探求する機会を得て、より多くの研究やプロジェクトに関わりたいと思っています。自分の将来がどうなるかはまだ分かりませんが、自分にとって知的に刺激的な仕事、そして持続可能性や意識的な消費などの分野で世界に有意義な変化に貢献できる仕事を見つけたいと思っています。学際的で多目的なコースで学べることをありがたく思います。

―ぜひ、さまざまな経験を通じて、自分の道を見つけていってください!ありがとうございました。


 
<編集後記>
 
今回は、サマーインターンとして、熱意を持って素晴らしい貢献をしてくれたLuoyi Shenさんのインタビューでした。
 
謙虚に学ぶ姿勢や、常に期限を守って素晴らしいクオリティの仕事を完成させる姿勢にとても感銘を受けました。
 
Luoyiさんが制作に携わったものは、今後、こちらのnoteやポリシーナッジデザインのウェブサイトなどを通じて公開していきます。どうぞ、お楽しみに!
 
(構成・インタビュー:ポリシーナッジデザイン合同会社 植竹香織)
(写真提供:Luoyi Shen)
 
 
 
ポリシーナッジデザインでは、ボランタリーインターンを通年で募集しています。関心を持たれた方は、こちらからお気軽にご連絡ください。

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