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『演舞 天の川にかける思い』は天祥院英智くんのむきだしの愛の話だ。


ミルキーウェイがフルボイス化した。
大好きな天祥院英智くんの台詞に声がついて、より彼の鼓動を感じられるようになった。嬉しい。嬉しい!
改めて読むと彼への愛がむずむずと動き始めたので発散するように文章を以下に散らしていく。

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ミルキーウェイもとい、
『演舞 天の川にかける思い』は
天祥院英智くんのむきだしの愛の話だ。


『天才』への憧れと嫉妬

まず、天祥院英智くんは『神から愛されなかった人間』である。
生まれつき体が弱く、長い間死と生の狭間を揺れる実に不安定な環境で生きている。
それ故に、健常者や『天才』と呼ばれる神からのギフトを賜った者に対して、大きな憧れを抱いている。

そして憧れるあまりに、彼は嫉妬の炎を燃え上がらせ、他人にぶつけてしまうのだ。それほどに彼の中で『神に愛されなかった弱者』であるコンプレックスが大きいのだろう。

特技:『模倣』

(ES2年目からの英智の特技の欄に『技能の模倣』が追加された。以前から英智は模倣することが得意、と言っていたが、公の場で堂々と明記されているのに私は驚いた。)

『模倣』が特技であること。
これは天祥院英智という人がどう足掻いても天才にはなれなかった人間だということの証でもある。
それにはなれないから、代わりに必死に真似して、取り込むことで、憧れに近づこうとする人。貪欲な凡人。
これは英智のコンプレックスに裏打ちされた特技なのだ。

(これをよりにもよって『天才』の斎宮宗さんに言われるの、そうとう効いたと思う。)

ミルキーウェイでも英智が必死に、夢中になって憧れの人(斎宮宗さん)の技能を真似て習得しようとする姿があった。
これまでもきっと、英智はこうして、こつこつと練習を積み重ね、吸収し、習得をすることを繰り返してきたのだろう。
そうして自分の技能を磨いていき、その末に英智はアイドルになり『皇帝』として名を馳せるまでに至る。
彼は夢を自分の力で叶えている。
つまり、『模倣』は天祥院英智の人間としての悪あがきでもあり、天祥院英智の夢を形作る大きな力でもあるのだ。

憧れの存在を愛してやまないから、それになりたい。
それになるために、模倣して、吸収する。

特技と言えるほどまでに『模倣』の技術を磨けたのも、英智が憧れの存在を深く愛していたからだろう。
 

光を目掛けて、光に突き動かされて、跳んでいく


ミルキーウェイのエピローグにとある台詞が出てくる。

何でかなぁ、百万回も繰り返したのになんで僕は気づかなかったのかなぁ?


この苦味のする言葉を、天祥院英智くんは

こんなに楽しそうな顔で言う。

何回も何回も、途方もない努力を重ねても答えを得られなかった自分に絶望し項垂れるのではなく、星の光を眺め、憧れの姿を思い浮かべながら楽しそうに舌舐りをするのが天祥院英智という人間なのだ。

英智は生まれながらに大きな劣等感に塗れ、自己嫌悪の気が強い人だけれども、彼の行動原理のなかでは『夢や理想への憧れ』の気持ちの方が遥かにウエイトが大きい。憧れた星の光を目掛けて湧き出すキラキラと輝いた気持ちが、彼を強く突き動かしてる。

剥き出しの愛で生きる人

ミルキーウェイの物語の最後で、英智は嫉妬の言葉をぶつける。

『ずるい』『羨ましくて仕方がない』と、英智はこうも真っ直ぐに嫉妬の気持ちを顕にすることができる。
それはきっと、英智がそれほど魂をかけて追いかけているから。それくらい、愛してしまっているから。

苦しく厳しい現実にいようとも夢を追い続けるたくさましいところも、自分の夢を叶えるためにわざわざ険しい道を歩む選択までもしてしまうところも、それくらい、英智はその夢を、理想を、愛しているから。

楽しくて、恨めしくて、痛くて、苦しくて。
美しい輝きだけじゃなくドロドロと濁った部分も含有した複雑なかたちをしている愛。その身を蝕んでしまうほどの愛。
こんなにも剥き出しで純粋な愛を抱えながら英智は生きている。

天祥院英智くんは、剥き出しの愛で生きる人だ。


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彼はこんなにも愛で命を燃やしてるというのに、自分に向けられた愛情には鈍感だったり接し方が下手くそでだったり、不器用なところがたまらなく愛おしいですね。


おわり