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『花伝書(風姿花伝)』/世阿弥さん 編
ちょっと 素敵に くつろぐ #014
「手元に残したい本」シリーズ。
「花伝書(風姿花伝」』
編者:世阿弥さん
校注・現代語訳:川瀬一馬さん
(講談社文庫)。
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川瀬一馬氏は 本書の「序」で
こう語っています。
********************花伝書は、鎌倉時代の末に、
滑稽卑俗な物まね芸能であった申楽を、
芸術性豊かな歌舞伎本位の新しい申楽に
演りかえた申楽者(観阿弥)が、
その芸の実力を養い、
その実力を発揮する方法を工夫し、
また芸術の本質を考究した芸術論であるが、著者観阿弥が、人間の本性を会得した
立場で述作しているため、
単なる芸術論たるにとどまらず、
おのずから達人の洞察した人生論としての
有益な内容をも具えている。
********************この本は「世阿弥 編」
となっています。
花伝書は 観阿弥が
その長男・世阿弥に口述した
能楽論であることから、
世阿弥は 「編者」と
なるわけですね。
原文を理解する力量は、
私にはありません。
現代語訳だって
なかなか手強いです。
ただ、川瀬さんの解説の通り、
能楽論・芸術論でありながら
深い人生観・人生論であることは
私にも感じ取れる気がします。
ここに書かれていることを
より理解して、自分も近づきたい。
そんな思いが沸き起こる
学びの一冊です。