【イベントレポート】11/18 くるみさん、正木佐和さん登壇
秋が深まってきて、ポレポレ東中野での『きのう生まれたわけじゃない』は、好評のうちに第2週目に入りました。
11月18日土曜日、たくさんのお客様を迎えての上映後のトークイベント。
今日のゲストは、七海役のくるみさんと、岬/綾子二役の正木佐和さん。映画の冒頭から、この物語を引っぱっていく大事な役を担うお二人です。
今日、お客さまと一緒に、ポレポレ上映を初めて観た正木佐和さんに、まず感想を聞かせてもらいました。
「福間監督の映画って、童話の本を開いていくような、好きな画集をめくっていくような、ワクワクする印象がいつもあるんですよね」と正木さん。
いっぽうくるみさんは、「試写で2回見たときは自分が気になって緊張したけど、ここで見たときはちゃんと落ち着いて見ることができました」。
たしかに今日のくるみさんは落ち着いていますね。
学校に行きたくない「七海」と夫を亡くしたばかりの「岬」は心が通いあい、友だちになります。
「台本を読んでから、顔合わせでくるみちゃんを見たとき、わ、七海が来た!って思った。わたしはこのごろお母さん役が多いのですが、くるみちゃんが友だちとして接してくれてるのがわかって、安心して撮影に挑めました」と正木さん。
二人は撮影中に「スケルトンフナムシ」という歌を作って歌っていたとのこと! 公園で次郎(守屋文雄)がやってくる前、二人で口ずさんでいたのが、劇中でも少しだけ聴こえてるそうです! ぜひ耳を傾けて、聴いてくださいね!
「佐和さんが、撮影前もすごくフレンドリーに話しかけてくれたので、とてもやりやすかったです」とくるみさん。
正木さん「ワーって飛ぶところ、めっちゃいいですよね。あれ、どうやってるんですか?」
くるみさん「脚立みたいなやつ、その間に入って、腕で支えて、スタッフの人に持ち上げてもらうんですよ。腕が痛くなるからタオルとか敷いて。でも、わたしのワーって言う演技がすごく下手くそだったんで何回もやり直して、申し訳なかったです」(笑)
ここは、これまでの福間映画では考えられなかったシーンで、そこから空高く舞う二人が見ている河原の景色に、寺田の「七海ちゃん、マー君、ありがとう!」の声がかぶる場面です。
福間組に出ている人たちは、役者じゃない人も多くいて、今回の寺田を演じた福間監督がそうだったように、それぞれの個性が出ているところがいいといつも思うんです、と正木さん。
くるみさん「公園に出てくるみなさん、すごく陽気でいい方たちで、おもしろかったです」
撮影中大変だったことは?と質問を投げかけてみました。
「わたしは、七海と似ているところがあって、中学1年の1学期で学校に行かなくなったんです。映画の冒頭で七海が一人で立つところ、隣が中学校だったんですね。ちょうど下校時間で、大勢の生徒がそばを通る景色につらい思いが湧き出てきて、泣いちゃいました」とくるみさん。
そんな思いをさせてしまったのですね。でも、メインビジュアルになったくるみさんのこの表情こそが「きのう生まれたわけじゃない」を代弁していると思います。
「ずっと福間監督の映画に憧れを抱いていたのですが、ふだん自分がやってる役のセリフとはずいぶん違っていて、詩のような言葉がたくさん出てくるので、毎日大変でした(笑)。綾子は自分に近いところがある気がしたので自然に楽しくやれたけど、岬は苦労しました。でも、福間さんの映画に出られて、わたしは幸せ者だなと思ってます」と正木さん。
知らなかったエピソードや、苦労したことなどを率直に話してくれたお二人のトークは、とても興味深く楽しいものとなりました。お客さまの一喜一憂する表情が目に残る時間でした。
くるみさん、正木さん、そしていらしてくださったみなさん、ありがとうございました!
『きのう生まれたわけじゃない』ポレポレ東中野にて絶賛上映中!
12月2日(土)より福間健二監督特集も開催!