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【イベントレポート】特集12月8日『青春伝説序論』『現代性犯罪暗黒篇 ある通り魔の告白』

今日12月8日の福間健二監督特集は特別上映の2本立て。
福間健二が大学時代に監督した16ミリ作品『青春伝説序論』1969年と、脚本・主演した若松孝二監督『現代性犯罪暗黒篇 ある通り魔の告白』1969年。レアな2作です。
トークゲストは、『青春伝説序論』主演の長谷川隆志さん、本作撮影で現在も撮影監督として活躍中の高間賢治さん。大学卒業以来の再会だそうです。そんなお二人に、54年も前の作品について、当時の思い出について、語っていただきました。

長谷川隆志さん (左)

長谷川「50年以上がすぎて、僕もこんなに変貌しました!」(笑)
高間「あの美青年がねー(笑)。今日は、作ったあとに見て以来初めて見たんです」
長谷川「この作品は、当時2年目の草月フィルムフェスティバルに出す予定だったけど、ヨーロッパの映画祭が時代情勢で粉砕されたのを受けて、草月も中止になった。だから、上映会ぐらいでしか見られてないんです」
高間「僕は大学入って8ミリで映画を撮ってた。そんなところに福間くんから撮影の話がきた。福間くんは詩的で、僕はカメラやりたい。いい分担だったと思う」
長谷川「僕は映研じゃなかったけど、英文科で福間くんと一緒で、ゴダールやヌーヴェルヴァーグの映画やロックのコンサートによく一緒に行った。あるとき、道玄坂の喫茶店に呼び出されて、僕の映画で主演してくれって頼まれたんだよね。
自分の撮影、どうですか?」
高間「いやー、恥ずかしい。先々月、初めて原將人監督と会ったんだけど、『青春』のカメラはすごくいいと褒めてくれた。うれしかったです」
実際、この映画を見た人のほとんどは、高間さんの画がすごくいいと言ってます!
 
長谷川「『通り魔』は『青春』とオーバーラップするところがあるよね。若松プロにはどれぐらいいたの?」
高間「助手で3年ぐらい。吉岡さんというカメラマンの助手。おかかえ助手になってきて、だんだん若松プロに行かなくなった。撮影デビューしたときの監督が、文化庁芸術家在外研修制度の留学に、「君、行け!」と押してくれて、アメリカに一年間いた。それがなかったら、どうなっていたかわからない」
帰国してからの撮影監督高間賢治は、金子修介、中原俊ほか当時の気鋭監督の撮影を担当して、その才能を開花させました!

高間賢治さん

長谷川「福間くんとは組まなかったの?」
高間「そう。声かけてくれれば、やったんだけど……」
長谷川「僕は広告会社にいたんだけど、2005年のドキュメンタリー『67歳の風景 若松孝二は何を見たのか』を撮った竹藤佳代さんは、うちの会社にいた。それで、下北沢で『青春』を上映したときに、福間くんに竹藤さんを紹介した」
高間「僕も会ったことある。若松監督で柄本佑主演の『17歳の風景 少年は何を見たのか』のメイキング撮ったんじゃないかな」
 
長谷川「福間くんも高間くんも、映画をやってきて、それは残される。『きのう生まれたわけじゃない』には本人が出てて、会うことができる。僕たちに残してくれてる。これからもまだまだ上映されてほしいです」
高間「あっちゃん(足立正生監督)なんか83歳になっても『REVOLUTION+1』撮ってるもんね。撮影やりました」
長谷川「政治のためにやってる。あのころのパワーなんだよね」
 
まだまだ話し足りないお二人でしたが、時間です。
ここに福間健二がいたら、1時間以上の大トークショーになったことでしょう。
「俺が死んでも映画は残る。映画に時効はない。」
若松孝二監督の名言を思い出す夜でした。
 
長谷川隆志さん、高間賢治さん、そしてご来場くださったみなさん、どうもありがとうございました!

Not Born Yesterday 福間健二監督特集1969-2023は、12月22日までつづきます。2週目に入って最後の上映になる作品もあります。チラシやHPでプログラムをご確認ください。
新作『きのう生まれたわけじゃない』で初めて福間映画に出会った方も、これまでの作品を何度でも見たいという方も、ぜひポレポレ東中野に足をお運びください!