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東西南北玉ねぎ事情

ラテン語で「1」は「unus」と表現するが、それが転じて「onion・オニオン」、日本語でいうと玉ねぎになったといわれている。

世界中のレシピを見ましわしてみると最初に出てくるのは「まずは玉ねぎを炒める」と出てくることが多い。そしてカレー作りにおいてまず最初にするのが玉ねぎを炒めることである。そしてそれをどのように切るか、どのくらい炒めるかは多くの人の関心事である。

「玉ねぎ」はインド料理においてもとても大事である。インドでよく使われている玉ねぎは日本のと比べると水分量が少なく、小さくて紫色のものをよく使っている。切り方は色々だが地域によって大きく分けることもできる。カレーのグレイビーが濃厚でナーンやチャパティなどと行った小麦粉から作られたパンのようなものと一緒に食べることが多い北インドを中心とし地域では玉ねぎをみじん切りにすることが多い。みじん切りにすることで玉ねぎの甘みを引き出しているのかもしれない。玉ねぎをスライスして強火でサクッと炒めて玉ねぎの甘みというよりも香ばしさを引き出してそれを料理に使っているのは南インドに多いような気がする。さらっとしてグレービーに香ばしい玉ねぎは相性が良く南インドのフィッシュカレーなんかを作るときは大抵スライスした玉ねぎ使う。半分にした玉ねぎをさらに横に切り1/4になった玉ねぎをスライスする手法も南インドでは見かける。南インドでも東の方では玉ねぎよりもエシャロットをよく使う地域もある。それの方が香ばしさが強いのであろう。南から北上して東インド、ベンガルやバングラデシュの方を見てみると玉ねぎをペーストにしたり、すり潰して使うことが多い。水分が多く出る分炒める時間は長くなってしまうが、しっかりと炒めると滑らかな口当たりのグレービーができる。ツンとしたマスタードとレモン、青唐辛子の爽やかな辛さと合わせると美味しいフィッシュカレーが出来上がる。これがまたご飯と絡まって美味しい。

切り方によっても玉ねぎは変わってくるが、どのくらい炒めるかでも大きく料理の出来上がりを左右する。玉ねぎを半透明まで炒めるとどちらかというとマイルドでクリーミーなカレーにあったりする。さらに炒めていくと薄い飴色になってくる。玉ねぎの中の水分が少なくなり、アミノ酸と糖が反応してメイラード反応を起こしてくる。さらにメイラード反応が進むとゴールデンブラウンな玉ねぎが出来上がってくる。ここまでくるとローガンジョシュといったようなヘビーなカレーによく使われる。そしてそのままさらに炒めるとキャラメル化してくる。デザートやチャツネにも使えるような玉ねぎが出来上がってくる。

どのくらい、そしてどのように玉ねぎを調理するかは作りたい料理によって変わってくるが玉ねぎをどのように切ったらどうなるか。どのくらい炒めたらどうなるか。を知れば知るほどカレー作りはより面白くなってくる。

玉ねぎに始まり玉ねぎに終わる。そんな風に言われることもある。

西インドの一部では玉ねぎを使わないで調理をする人々もいる。

玉ねぎに振り回されながら料理を作っていくのもなかなか悪くない。

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