カレー作りとバスケットボール
「沖縄はバスケットボール!」
乗った飛行機の座席の前のポケットに入っていた雑誌の表紙に書いてあった言葉だ。
中学校の時に背が伸びるからと友達に誘われて始めたバスケもたまにだが未だに続けている。経験したことが今のカレーのレシピ作りに活きているとしたらバスケットボールもその内の一つなのかもしれない。
5人でプレーするバスケットボール。基本はみんなで攻めてみんなで守る。そしてその中にも役割がある。ドリブルでボールを運びシュートチャンスを作ったりゲームを組み立てたりするポイントガード。ゴールに果敢に攻めながらも遠くから3点シュートを決められるシューティングガード。オールラウンドにプレーができシュートを決めに果敢に攻めるフォワード。力強く比較的ゴールに近いところでプレーするパワーフォワード。そして大黒柱とも言われチームのゴールを一番近くで守りそして攻めるセンター。それぞれに個性があり、どの選手をメインに試合を組み立てるかでチームの雰囲気も変わってくる。私はそんなことをスパイスやカレー作りで妄想するのが好きだったりする。
最近ではカレーをより自由に作ってもらえるようそれぞれがアレンジしやすいレシピやそれがわかるような講座など開いている。バスケットボールに例えるなら力強いセンターがメインのチームのようなレシピを作るとしたら土台をしっかりとしたクリーミーなカレーを思い浮かべる。ギーや香りが深いホールスパイスでしっかりと玉ねぎを濃い飴色になるまで炒める。クローブやブラックカルダモン、クミンをビシッと決めたらちょっとしたものが足されたとしても味はブレない。安定感があり、スピード感はないが守りが固いカレーになる。攻めづらい分アレンジはし難い。
シューティングガードが強いチームは外からのシュートが入るので軽やかである。ディフェンスを翻弄するようなプレーでふわっとしている。私の中ではハーブなどを後から加えてアレンジがしやすいレシピがシューティングガードが強いカレーである。その時の雰囲気やチームの状況によっては緑色のカレーにも黄色いカレーにもなる。ガードが強いチームのようなレシピ。フォワードが強いチームのレシピ。かつてのシカゴブルズをイメージしたレシピ。ピストンズをイメージしたレシピ。スパーズをイメージしたレシピ。
どんなカレーが出来上がるかは妄想次第だが、スパイスをプレーヤー、ポシションを食材。戦術をレシピと考えたらプレーヤーによって、食材によって戦術(レシピ)が変わってくるのも当然である。そしてそれぞれを最大限に活かしていけるのはシェフであり監督のあなたの腕次第だ。
今日から沖縄ではバスケットボールのW杯が始まる。どんなスパイスが効いたプレイが観れるか楽しみである。