ストーリーズからの転載で2023を締める。サササッと。
40歳の年末。今年のハイライトはインストアルバムを完成させたことです。
題名「けだまとリズム」、11曲入りアルバムを2023年8月29日にデジタルリリースしました。特に誰に求められてるわけでもないけど、先月Instagramに1曲ずつ解説書いたりしまして、インストゥルメンタルで非言語で賞味期限は長い気がするもんで、まあ焦らずしぶとくお知らせしたいのです。
▼「けだまとリズム」はこちらから聴いてください。
以下、Instagramのストーリーズに投稿したテキストを加筆・修正して転載しています。
#01 デルタの宴席
1曲目は景気よい感じで。
開幕いきなり8bitシンセで好き嫌い分かれると思いますが、人気ゲーム"UNDERTALE"の神BGM、"MEGALOVANIA"の構成を原型にした曲です。
YouTubeにあるMUSICエンジンによるフルオーケストラ演奏がめちゃくちゃかっこいいです。メロやコード進行の一部は、"コンビニ"という私の弾き語り曲を原型にして展開した曲。
つくった当時はコロナ禍の真っ只中。また公私で、ここ広島で酌み交わす祝祭、というイメージから、この曲名。
#02 生活のくふう
同名のイベントを過去3度主催しました。銀山ベースさんにて。ダーオカさんと。(ライブを録音し、その場でマスタリングしてCD-Rに焼いて終演時に販売するというチャレンジングなイベントでした)
テーマソングを作り、ダーオカさんとラップを乗せて開会宣言をしたことがあり、その時につくってたトラックをリメイクしてインストにした曲。
スチールパンとフルートを加えて陽気で南国な仕上がりになりました。
#03 ジゴゼン
ゆったりどんぶらこっこ的なベースラインは、Bruno Pernadasの"Recife"という曲をもとに。リシフェ。ブラジルの港町だそうです。ということで、私の地元廿日市の港町・地御前をタイトルに。
曲中のペットとサックスの不協和音は、踏切音のイメージです。地御前の、宮島街道・国道2号線に沿って走る広電宮島線・JR線。
私の脳内では、敬愛するノルウェーのジャズトリオ、Maridalenに演奏してもらっているイメージでつくりました。(和的ペンタトニックスケールの曲ではありますが)
4拍子から3拍子になったり戻ったりをわりと自然に組み込めたとこが、お気に入りポイント。
#04 爆笑の人
2021年からの制作期間で最初につくった曲。主にバンドでやってた"爆笑男"という曲のリフを使って行進曲風ミニオーケストラに。バンドでやってる時も頭の中ではティンパにがディンドン鳴っていたので、後半に成就させました。
父親が昔ユーフォニアムをやっていたらしく(真偽不明)、なんの因果か、うっかり使ってしまった。
#05 バスを待っている
同名の弾き語り曲レパートリーをインスト化。元々いろんな人に評価いただいてた幸運な曲でした。
呉のジョンとポールあにきのサポートをしていた時、ライブ中のワンコーナーで、ストリングスの打ち込みをバックに弾き語りしたのが原型で、トランペット、クラリネット、ドラムを加え、再編曲しました。
曲後半のドラムが抜けて静かになるパートで、調性感のないテンションコードなアンサンブルがお気に入り。
#06 myopia
制作期間の最後にできた曲。
#03と同じく、Maridalen編成に、ピアノとマリンバを加えて、あまり考えずにぴゃーっとつくって。YouTube Musicではなぜかこれだけ再生数が飛び抜けており、勢いでできた軽み?がBGMとしていい作用になったのかしら。
アルバムのほとんどをLogic Pro付属のソフトウェア音源で制作してますが、この曲のピアノだけAKAI MPC Mini Grandの音源です。モノラル耐性に難あって位相処理に苦労した。
LPレコードでは、これでA面終了です。
#07 dama
B面のはじまり。
6分半とアルバムの中で1番長くて人によっては退屈な、でも自分は1番思い入れがある曲。着想は、これまたノルウェーのSSW、Frøkedalの"Hybel"という曲から。
主旋律は"バスを待っている"を元に発展させたり、対位法でフルートの別メロディをあてたり。シンセの音作りについてChatGPTに助言をもらって色々試したり、ストリングスの不協和音でブリッジしたり、チェロにファズかけてみたり(くるり)。
やってみたいことをいろいろ詰め込んだ好奇心ほとばしる力作なのに、なぜものがなしいムードになりますか。私の中の呪詛っぽい魂を浄化する曲。
#08 どちらかの空気 (feat.クボユーリ)
着想はまたまたMaridalenの"Sandermosen"という曲。
またまた愚作の"爆笑男"という曲の歌メロの一部をリサイクルして、私の中の北欧ジャズに。
打ち込みでひと通りつくったものの何かが足りない。そんな折、クボユーリくんがスチールギターを始めたと聞き、またMaridalenの曲にもよくスチールギターが入っている。果たして彼に曲データをぶん投げ、好きなように弾いてもらった結果がこの仕上がりです。クボユーリ万歳🙌救世主🗽
スチールギターが途中ペットとユニゾンするところが、最高にクールだと思っています。
#09 ベヒモスの通勤路 (feat.クボユーリ)
2021年、制作期間初期につくってた曲ながら、これもクボユーリくんのスチールギターによって2023年に大化けした曲。クボユーリ財宝💎わちゃわちゃになってるところはギター3本重ねてもらいました。
サイケなギタープレイが入ったので、The Beatlesの"Lucy In The Sky With Diamonds"をリファレンスにしてミックスしました。スネアの音がお気に入り。
#10 アンダンテ
これも同名の弾き語り曲をまるっとインスト化した曲。
アコーディオン、マリンバ、ファゴット、メロトロンの四重奏です。なんでこんな楽器構成なのか、つくってる頃は色々インストやクラシックなど聴き手として触手が伸びてて、ごった煮になった結果。(マリンバ奏者独演の綺麗な映像とか、メロトロンだけのバンドのTiny Deskとか)でも1番間口の広いBGMらしい曲になったんじゃなかろうか、喫茶店とか。
シングルで配信してた時のアートワークにある曲名ロゴは妻のイラストレーションです。素敵。
#11 ちょっともっと
#01 "デルタの宴席"との組曲?なんだけど、曲順悩みに悩んで、2曲並べるのではなく、最初と最後という配置に。
アルバムをリピート再生した時(それをする人が今どれほどいるのか)に、この曲の終わりから1曲目に戻る時間が気持ち良い感じになるように、アレンジ〜マスタリングでの間合いなど気を使いました。
曲の最後のドラムインから以降は私の中のくるりです。
"春風 (Live ver.)"-Philharmonic or Dieのラストのあの感じ、の縮小版です。
終わりに
このアルバム完成をきっかけに、なんか人の曲の編曲とかできたらいいなーと、ぼんやり思っておったのですが、見事にそんなお話もいただきました。
やってれば何かにつながるもんで。焦らず腐らずしぶとく続けてれば。
それと「好奇心のままに第一線を要チェック/好奇心の変化をよくよくリロード」。そうこうしてたらいつの間にか、あたすは演奏者ではない形で音と遊んでおりました。いろいろ悩める歳にもなってきましたが、来年もメシ食ってゴーです。
良いお年をお迎えください。
🔼「けだまとリズム」と、上記で紹介した曲など他もろもろで構成したプレイリストです(Spotify)