対(つい)がもたらす皮肉。:FGO『踊るドラゴン・キャッスル! ~深海の姫君とふたつの宝玉~』
2024年6月28日から『Fate/Grand Order』(以下『FGO』)にて行なわれている期間限定イベント『踊るドラゴン・キャッスル! ~深海の姫君とふたつの宝玉~』を高難易度クエストまでクリアしたのでその感想などを記す。
今年の水着や周年を間近に控えていることもあって私は今回のイベントは清姫の新規霊衣のみで新規サーヴァントの実装はない読みだったのだが、その予想は見事に外れて★5阿曇磯良(ひびき&千鍵)が登場。
まさかあの『ひびちか』とは懐かしい!
アニメイトTVで配信されていたネットラジオ 『TYPE-MOON VOICE PHANTASM ひびちからじお!』を当時毎回楽しみに聴いていたものだ。
もう軽く10年以上は前になるのか……(遠い目)。
それはともかく、思い出補正の恩恵には与れなかったようで、性能面では限定★5にしては正直やや物足りない感じ(in オブラート)。
アタッカーとしてありとあらゆる場面でメインで起用したいのであれば完全体前提の愛(色んな意味で)が必要だし、サポーターとしても恒常★4のエレナやキャスギルがいれば代用が利いてしまう。
恒常である太公望の方が有用との声もあるが、あれはあっちが破格の性能なだけなんですぅー。
「自社コラボサーヴァントなのに盛られてないなー」とブー垂れるも、思えば『魔法使いの夜』なんかでもそうでもなかったので期待し過ぎたか。
当初は第3再臨が隠されており、ワンチャンそこで化けるか!?
などと淡い期待もされたりしたが、公式サイトですでにスキル3の詳細も公開されていたこともあり、そんなことはなかったぜ!
ただまあ、シリウスになるのには驚かされましたが。
ここでシリウス持ってくるかー!とか。
え、だったらやっぱり性能をもっと盛ってもよかったんじゃ(以下ループ)。
「せっかくひびちかお迎えしたのにショタ化しちゃったの!?」とざわつくも「性別不明」で一安心(?)。
イベントスタート当時は正直どっちつかず感が強かった。
龍宮城に乙姫様ってことは『浦島太郎』?
織姫と彦星で七夕イベント?
どっちなの!?
エピローグまで辿り着いた今となってはそのどちらでもあったわけですが。
というか、ありとあらゆるものが「対」、もしくは「ニコイチ」になっていた。
ひびきと千鍵。
海幸彦と山幸彦。
シーボルトとお瀧さんは織姫と彦星になぞらえてあった。
なんなら清姫と乙姫まで含めてしまってもいいかもしれない。
今回のイベントのメインサーヴァントはかなりの少数精鋭だった。
イベント開始前に告知された特攻サーヴァントの数からして少なく感じたものだが、蓋を開けてみればこちら側はほぼひびちかとロード・エルメロイII世と清少納言のみ。
謎のユニット『パリピと軍師with女子高生』ネタには笑った。
ギリギリアウトでしょ。
あ、あと乙姫様か。
復刻ピックアップ召喚で今度こそエジソン獲得を目論んでいた私としてはまんまと当てが外れた恰好となってしまった。
ほんの最初だけやん!
こりゃ復刻ないわ。
今にして思えばミスリードに連続して引っ掛かってしまった感。
イベントタイトルに「ドラゴン」とあるのですっかりエリザベス・バートリー関連と思い込んでおりましたが、影も形もナッシングでなるほど龍宮城でドラゴン・キャッスル。
直訳にもほどがありんす。
乙姫も清姫のコスプレではなく、幻霊である乙姫と英霊である清姫が相性抜群に融合した複合サーヴァントだった。
もはや★3の器ではない気がするが、強化内容が少々控え目で残念。
その乙姫のマスターがシーボルトで、今回の微小特異点を作った張本人。
オランダ人医師でありながら日本文化研究で有名な博物学者でもあり、ご禁制の品(伊能図)を持ち出したことで国外追放処分となる「シーボルト事件」のまさにその人。
日本を去ったはずのシーボルトが突然帰って来たかと思ったら、実はそっちは聖杯によって召喚されたサーヴァント兼マスターであり、聖杯から得た未来の記憶で理想国家の樹立を目論む。
まるで異世界転移アニメの主人公の設定だ。
サーヴァント兼マスターとは、無印Fateのメディアやアポクリファの天草四郎ポジションではないか。
まーシナリオライターの手の平の上で(私が)くるくる踊らされるドラゴン・キャッスル。
物語の根底に流れるテーマだったのが「怨念」。
「呪い」の方がFate世界で一般的な気がするが、今回ばかりはこちらの方が相応しかろう。
ロード・エルメロイII世がウェイバー化したのを見て「はっはーん。龍宮城だけに逆玉手箱か?」なんて想像をしていたらそんなものはなく、改築された出島全体に巧く偽装された術式(海幸彦が自身の呪いを増幅・放射するもの)が設置されたいたことによる霊基の若返り現象だった。
「イワフネ」の正体も大亀なのではなく、怨念の集合体。
ある日突然地上に生まれ落ち、何の記憶も持っていなかった阿曇磯良を拾った少女・ユタ。
彼女の一族は奇妙な儀式を行なう集団であり、「門」を開くことで死んだ人間の善くない感情、怨念をどこかへ送る役目を担っていた。
彼女自身もまた怨念と同質の存在だった。
海幸彦は聖杯の力によって現世と常世を直接繋げ、神代の呪いを解こうとしていた。
彼は呪いに蝕まれた状態でずっと戦い続けており、その反動でとっくに彼の霊基は限界に来ていたからだ。
怨念怨念また怨念。
ロード・エルメロイII世は最後に「本人の与り知らぬところで大きな存在に利用される理不尽さ」を嘆いたが、そういうどうにもならない運命によってこそとてつもない怨念とは生まれるものか。
阿曇磯良。
『太平記』にもその名を記された神。
神功皇后が知恵を授かるべく日本中から神々を招集するも、最後まで来なかった一柱。
渋った理由は醜い姿を晒したくなかったからだという。
しかしその実、素顔は醜いどころか光り輝いていた。
ペラリと布がめくれるだけで溢れ出す光。
まるで『キン肉マン』ことキン肉スグルのフェイスフラッシュではないか。
そういえばキン肉マンも初期のギャグ漫画だった頃は幼少期から散々ブタだのなんだの醜いとののしられ、挙げ句ブタと間違われて自分の星から放り出されてしまっている。
あまりに穿ち過ぎだろうか。
FGOと例の作品は『クリスマス2018 ホーリー・サンバ・ナイト ~雪降る遺跡と少女騎士~』で悪ノリし過ぎてしまったせいで復刻もできないのでさすがに……。
スマホさんの姿を借り、彼は「海幸彦と私は大して変わらない。別に人間の味方な訳でもなく、この世界の未来にも興味はない」と話した。
どこまでそれが本気だったのかは本人にしか分からないが、確かにそこだけを切り取ると、阿曇磯良と海幸彦も近しい存在だったのかもしれない。
だが決定的に違うのは、前者が海の神・阿曇磯良であると同じくして星の神・シリウスでもあったことだ。
海と星。
やはり対極の位置だ。
常世からの魔力供給をも得て潮干珠で海を割ったシリウス。
だがどうがんばっても海幸彦に星は割れない。
星は海へと落ちても海は星には届かない。
シリウスも改めて魅力的だなあ、と。
だからなおさら第3再臨でシリウスにもなれちゃうひびちかいいなあ、欲しいなあ、と。
あれって聖典『トライテン』ですよね!?
ストーリー中でも活き活きと動き回り、コロコロと変わる表情で実に楽しませてくれた。
特にええ、緑の方が好みでしてね、ハイ。
実を言うと『まほうつかいの箱』の頃から。
これでもTYPE-MOONのオールドファンでして。
なにやら一部でキャラデザインが気に入らないとアンチが騒いでいるようだが、私は気にならないどころかむしろドストライク。
きららっぽいとかAIっぽいとか、自分の言葉では説得力を持たせられず他の何かに例えずにはいられないのはなんとも哀れ。
韓国人絵師だからどうとか今更だろうに。
pixivを巡回していて「このイラストいいなあ!」と思って絵師さんみたらあちらの方率の高さたるや。
あちらで若い層の反日ブームがもう流行っていないように、日本でももはや嫌韓は流行らないのでは。
話が思いっきり逸れてしまった。
阿曇磯良(ひびき&千鍵)及びシリウスやっぱ欲しいわ、ってのが本題。
珍しくマスターの方から仮契約を持ち出してましたけど、さもありなん。
そりゃあそうしたくなりますわ。
私だって当然したい。
宝具2まで上げれば今回難しいと評判のフリークエスト90++も普通に周回でき、第3再臨なら宝具1でもアペンド2を解放して編成を工夫すればイケるとか(シリウスになっちゃってるけど)。
うわー、そそる。
あと2週間以上もひびちかと周回しまくれるとか!
つーか、各攻略Wikiさんよ。
なーにが「このゲームは強いバーサーカーさえいればいい」なのさ。
嘘吐きー!
今回の90++はまさにバーサーカーゲーミングの敗北じゃないか。
やっぱ快適にプレイするには各クラスに満遍なく強いサーヴァントを持っておかなきゃなんだよ。
私の場合は本当に強くしておいて良かったティアマトママ!
まったくなんてタイミングでひびちかを実装してくれたんだ運営!
今年の水着と周年のサーヴァントもう公開してよ、総合的に検討して判断するからさあ。
ちょっくらイースター島に行ってお迎えしたい。
モアイどもどけ!俺が店長だ!(予定は未定)
バレンタインシナリオも面白そうなんでめっちゃ興味ある。
そろそろバトル面の話もしておこう。
一応今回のラスボスポジションである海幸彦は言っちゃ悪いがなんとも楽勝だった。
彼のいいひとキャラを反映してのあの強さ設定にしたのかもしれないが、開幕と同時にシリウスをオーダーチェンジで下げて、Wキャストリアでバフ盛りまくったドラコーで危なげなくわずか2ターンクリア。
海幸彦、いいキャラだったのに気の毒なぐらい小物感。
いいキャラだったのに、本当に。
最近FGOのラスボスポジション、小粒続きでは?
バトルはともかく、さすがにストーリー上ではもう少し強者感が欲しい。
高難易度クエストはきっとシリウスなんだろうなあ。
90++はボイジャーだったし。
って予想していたら、そこはすんなりひびちかで来るのね。
『アーネンエルベへようこそ!(ドラゴン島出張店)』
うん、あのタイトルコールが瞬時に脳内再生された。
山の翁が店長(代理)って中の人オマージュやん!
でもまあラスプーチンよりはそっちだよなあ。
こちらの難易度も過去最低で、「一部では90++の方が難しい」なんて囁かれる始末。
えー、ストレス溜まるギミック満載バトルとか要らんくない?
簡単に伝承結晶もらえる方がいいじゃーん。
ちなみに私は凸黒聖杯持たせた利休さん+スカディ&W水着スカディで宝具3連射して3ターンで危なげなく終了。
真っ先に大黒天を倒すことを意識していれば安泰のはず。
次に厄介なのは即死攻撃してくる翁かな。
藤乃のスキルでチャージ増えたひびちかが宝具撃ってきてパーティが瓦解するようならガンドで足止めしましょ。
総合的に見て良いイベントなのではないでしょうか今回。
規模感もお手軽だし、ストーリー的にもひびちかをFGOから入った層にもアピールできたし。
宝箱や発掘ほど美味しくないにしてもスイーツ貿易システムはありがたいし。
フリクエの90+も90++もドロップ素材的にも周回する価値が十分にある。
ああでも時間がっ。
そしてひびちかをお迎えして宝具レベルを高くしたいけど諸々の事情がっ。
まさに二律背反。
ん?
これもまた「対」なる悩みだったか。
なんとも厄介な。
おのれおのれおのれ!(怨念)
(追記)
我慢できませんでした。
ラァァァッキィィィ!!!!
……ん?
一気に育て切ったけど胸元の黒いモヤこれなに???
ま、まあいいかそんなの!
とにかくYATTA!