世はまさに大カンフー時代。：デレステ『イーリャンサンキュー』
『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ』（以下『デレステ』）の期間限定イベントLIVE Groove Dance burst『イーリャンサンキュー』のコミュを読了したのでその感想などを記す。
イベント楽曲の『イーリャンサンキュー』の作詞・作曲・編曲は出口遼さん。
過去『Hungry Bambi』、鷹富士茄子ソロの『初夢をあなたと』、的場梨沙ソロの『GEMSTONE』、関裕美のソロ2曲目『ハンドメイドスマイル』の作詞・作曲・編曲も手掛けられている。
ご本人によるとジャンルは「カンフージャパニーズフュージョンシティポップ」とのこと。
ギターで参加の増崎孝司さんはあの『踊るポンポコリン』のB.B.クィーンズの、ドラムスで参加の則竹裕之さんはT-SQUAREの参加メンバーと言えばそのすごさが伝わるはず。
そんなレジェンドたちがシンデレラガールズ楽曲に！
参加メンバーが5人中3人がキュート属性なのでキュート曲。
イベント参加メンバーは中野有香、久川凪、前川みく、三村かな子、大和亜季。
ユニット名はない。
さすがに『天真飯店』じゃないですよね？
古文書に曰く幻の食材『龍の卵』。
ありとあらゆる感覚を刺激し、心身を極地へと至らせる。
その食材を使った料理はこの世の全てを虜にし、食べた者を桃源郷へと連れて行く。
夢や大金を追う誰もがそれを求めて旅に出る時代。
「『龍の卵』か？欲しけりゃくれてやる。探せ！この世のすべてをそこに置いてきた！」
料理王がそう言ったのかは定かではないが、世はまさに大カンフー時代に。
全員にチャイナドレスの新規立ち絵が用意されているのが嬉しい。
最近イベントではこういう痒い所に手が届きますよね。
2Dリッチはなくなりましたが（禁句）。
ミクが紫、カナコが赤、ナギが緑、ユカが赤、アキが青。
うむ、解釈一致。
そして色分けは何かと重要。
カナコが祖父から受け継いだ『天真飯店』は現在畳まれており、『龍の卵』での再建を目指す。
ミクは『天真飯店』のウェイトレス、ユカは自警団、アキはマッスルカンフー使いの旅人、ナギは情報屋で、みんなカナコの料理に惚れ込んだ仲間たちだ。
「人生一発逆転」を信条とする祖父の旅日記によると『龍の卵』は『天真山脈』にあるらしい。
一見どっぷりとレトロチャイナな世界観なのかと思いきや、街には普通にビルやマンションが。
会話にも英語や現代語が飛び交い、説明不足も相俟って没入感が薄く、与えられる情報を「あ、はい」と受け取るだけのユーザー。
現代パートが間に挟まってればなあ。
飲まず食わずで食材探しをしている最中、カナコがイケナイキノコを口にして倒れる。
メンバーに星輝子がいればこんなことには！
だが怪我の功名、彼女は無意識化の中で祖父と出会い、宿敵の存在を知る。
その名は『パンダ師匠』。
全てを捨て去った者にしてアキの師匠。
カナコの祖父と共に『龍の卵』を追っていたが志半ばで道を違え、彼は正しくないカンフーを使い始めた。
『天真山脈』の気が高まる時、奴は姿を現す。
なるほ……ど？
考えるんじゃない、感じるんだ（便利な言葉）。
情報屋以上に情報屋らしいニナ（市原仁奈）が登場。
いやこんなに台詞あるならボイスありでお願いしますよ運営さん！
いよいよ道が拓け『天真山脈』へ。
そして『パンダ師匠』との対峙。
『パンダ師匠』の特技『モノクロームジャイアント』が炸裂する。
一方的で容赦のない「暴」のカンフー。
しかし「カンフー」の本来の意は「足りないものを満たそうと鍛錬する時間」。
そのことを完全に理解したカナコの『満腹パンチ』の前にはもはや敵ではなかった。
ニナの正体は『龍の卵』を守る龍だった。
まさか今となってこの最初期のカードイラストが有効活用されようとは。
つくづくコンテンツとは長く付き合うものだ。
ニナがくれた巻き物には「心も満腹になる豊かな人生を目指そう」的なありがたい教えが書かれており、その心構えこそが宝だ、とかなんとか。
あー、そういえば某国民的海賊漫画も初期は「ひとつなぎの大秘宝」の正体はそれを仲間といっしょに目指した思い出だ、なんて考察が主流でしたね（遠い目）。
それはともかく、巻物と同時にニナが「ぱとろんの気持ち」になってくれた宝石で『天真飯店』はめでたく再建。
やっぱ先立つものがないとね！
再建された『天真飯店』は連日の商売繁盛。
『パンダ師匠』が乱入する『天真バトル』はショータイムとして店の名物に。
めでたしめでたし。
って、改心すらしてへんやん。
場面変わって撮影後の風景。
あ、今回完全異世界イベントじゃなかったんだ。
映画だったのね。
私ってばデレステのLIVEは「2D軽量」でしかプレイしないし、MVはネタバレ防止のためにコミュ読了後にしか観ないようにしているので気が付きませんで。
それであのMVでの『パンダ師匠』のカンフー指導シーン。
あれ古き良きジャッキー・チェン映画のエンドロールのNGシーン集オマージュ感あって良いですよね。
今回のメンバーはみく曰く全員が「カンフーっぽい撮影」の経験者。
みくとかな子以外はモバマスでのものだが、古参ファンには嬉しい仕掛けだ。
「それ以上を見せたい！」
「過去を超えたい！」
との気概も実に素晴らしいではないか。
「当たり前だと思ってたことが実は幸せになるために大事なことだった」
最後にかな子はそう言った。
ニナからの巻き物に書かれていた内容を噛み砕けばそういうことだ。
それこそが『龍の卵』。
みんなで探すべきものは。
本当に手に入れるべきものとは。
現在普通に享受しているもの、できているもの。
失って初めて当たり前なんかじゃなかったと分かるもの。
デレステが楽しめている幸せを大事に。
『アイドルマスターシンデレラガールズ』のコンテンツが存続している喜びを胸に。
日々を大切に生きていきたいものである。