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All for Her:デレステLive Carnival『Fantasia for the Girls』

まずは楽曲情報。
イベント楽曲は『Fantasia for the Girls』で、イベントタイトルと同一のものだった。
作詞は八城雄太さん、作曲&編曲は設楽哲也さん。
このコンビといえばそう、『ガールズ・イン・ザ・フロンティア』
再度の周年曲の担当であり、曲中にも明らかにセルフオマージュめいたフレーズが存在する。
歌唱メンバーは久川颯、イヴ・サンタクロース、白雪千夜、神谷奈緒、藤原肇、依田芳乃、赤城みりあ、星輝子、小早川紗枝という大所帯。
ユニット名にはついぞ言及がなかった。
すでに『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ』(以下『デレステ』)9周年ライブ『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT FANTASY』共々テーマはファンタジーであることは周知の事実であった。


コミュがスタート。
おおう、のっけからどっぷりファンタジー世界だ。
これは『HALLOWEEN GAME』の時のように最初から最後まで現実とは違う世界に終始する感じか?
立ち絵も完全に今回のために用意されたもので、かなりの準備期間がかかっていることが伺い知れる。

ファンタジー眼鏡っ娘紗枝はん!

キャラ名がカタカナ表記になる役柄イベントタイプでお馴染みのもの。
没入感は万全、それでは読み進めていくことにしましょう。


『灰化』という現象が今回最大のキーワードか。
『灰』がうねり、生きとし生けるものに襲いかかってくるバイオハザード。
『灰』に呑まれた者は通常ならば廃人化するのだが、そうなってもなお戦い続けることを誓った者たちをこう呼ぶ。

『灰被り』


と。
ヒューッ!
超大作映画的と言おうか、はたまたジャパンRPG的と評すべきか。
とにかくスケールが大きい。
これまでプラスイメージ偏重で使ってきた「シンデレラ」という称号を、『灰被り』と言い換えることで「苦難とともに前へと進む者」とのイメージに変換した手法はお見事。
ある日突然『灰』が空を覆い尽くし、衣服も『灰化』したためにツギハギ状態だったとか。
童話『シンデレラ』が魔女からドレスをもらうまでの姿になぞらえている。
そこまでの汚染力なら吸い込んだだけでヤバそうなものだが、そこにはツッコまないでおくのが得策だろう。

プロデューサーのあちらの世界でのポジションは「ぴーちゃん」
魔法少女モノよろしく珍獣化はせずに、そのままでのマスコットポジション。
名前の由来は颯曰く「『ぴーっ』て泣きそうだったし、今も泣きそう」だかららしいが……うん、ハッキリ言って強引だね!
でもまあまあまあまあ、ギリギリアリでしょう。
泣き顔のオッサンの顔は想像しない方向で。


物語の舞台は元々魔法で発展した王国。
『魔法』とは「願うことは全て形にできる限りない力」を指す。
イヴ・サンタクロースはここでもサンタと兼業。
チヨは「旗手」でショウコは「狂戦士(バーサーカー)」とのこと。
いやいや「配役」は『天使』、『踊り子』、『勇者』、『トレジャーハンター』、『悪魔』、『ソルジャー』、『占星術師』、『マリオネット』、『精霊』の9つって発表済みなのになんでそこにないジョブ出してくるの。
参照→『STARLIGHT FANTASY』の各アイドルの配役を予想しようそうしよう。
ライブとのシンクロのためにそこはきっちり合わせるべきでしょうよ。
何がやりたいのか正直よく分からんなあ。

どうやら『Fantasia for the Girls』歌唱メンバーの久川颯、イヴ・サンタクロース、白雪千夜、神谷奈緒、藤原肇、依田芳乃、赤城みりあ、星輝子、小早川紗枝が別勢力に分かれており、
ハヤテ&イヴ&チヨ&ナオ&ハジメ+ミリア&ぴーちゃん
VS.
ヨシノ&ショウコ&サエ

といった図式。
人数的にバランスがおかしいが、ヨシノ軍は各人がチート級に強いみたいなのでハンデか。
ヨシノなんか空間転移とか使えるラスボスクラス。
ミリアは元ヨシノ側だったが現在は非戦闘員みたいだし。
ヨシノVS.ハジメの山紫水明対決とかちょっとゾクッとした。
紗枝はんはともかく(堪忍え)、芳乃の悪役は新鮮だ。
アニメ『シンデレラガールズ劇場 Extra Stage』の『月影忍伝あやめ』での『ミス・フォーチュン・天狗』の時ぐらいか?

天狗→山伏→法螺貝……OK!

対立の理由としては、サエたちが「『灰』に抗わず、誰もが最期まで穏やかに」という破滅思考型なので、ハヤテたち『灰被り』たちが目障りらしい。

『灰』が最初に生まれて人々に襲いかかり、真っ先に崩壊を始めた国の中心である「王都」で、ミリアが元王女であったことやハジメの祖父が王国お抱えの職人だったことなどが次々に明らかに。
私はメンバー発表時には「この面子の中にみりあがいるのいいな!」などと呑気に喜んでいたものだが、こっちのミリアがショックで言葉や記憶が不自由になっている難役で、中の人である黒沢ともよ嬢の演技力がここでも大いに当てにされていた。

ショウコVS.チヨやらチトセ(黒埼ちとせ)の遺言やら法螺貝アタックを駆使するヨシノVS.ナオ&イヴやらを経て、ハヤテとぴーちゃんのふたりだけが玉座へと辿り着く。
『灰』からハヤテをぴーちゃんがかばうも、結局ふたりとも『灰』に呑み込まれてしまう。
『灰』の正体は「真理を知る者」だった。
世界の総体もしくは概念であり、その意志は全ての『灰』に宿る。
だからこそ『灰』に呑まれた者は世界の行く末を見ることができるという。
ここでふたりともが『灰』に呑み込まれたことが逆に功を奏する。
荒療治となったか、ぴーちゃんの記憶が戻ったのだ。

ぴーちゃんの手の中にはガラスの靴が。
灰からガラスを作り出す、それこそがぴーちゃんの『魔法』だった。
『魔法使い』と呼ばれたこともあったような」
ここでチヨ、そしてチトセとつながった。
ハヤテは「ぴーちゃんがしてたそのお仕事はなんていうの?」と問いかける。
ぴーちゃんは答える。

「プロデューサー」


と。
ハヤテは次に「じゃあ、一緒にいたお姫様ははなんていうの?」と問いかける。
ぴーちゃんは答える。

「シンデレラガールズ」


と。
来ましたタイトル回収
しかも大きくコンテンツタイトルの方。
これよこれ、このカタルシス!
脳汁ドバドバ分泌されまくりですわ。
さっきまで「ぴーちゃん」だったプロデューサーは言う。
「プロデューサーの使う『魔法』はね、ふたりいて初めて使えるものなんだ」
そうしてふたりは『魔法』を発動する。

空から光が降り注ぎ、あれだけあった『灰』が消失した。
『灰』の中からすくい上げられたのは「希望」だった。
まるでパンドラの箱ではないか。
「自分を好きになれない」と嘆くハヤテにプロデューサーは手を差し伸べる。
「一緒に夢を叶えよう。何も特別なものがなくたって、強がりだって、足を踏みしめて、前を向いて、夢を追う。これからも、そうやって生きて、輝いていこう」
ナオは踊り子への夢を語った。
「応援してくれる誰か、そういう存在のことを『ファン』と呼ぶんだ」
彼女にそう教えた彼がめでたく「プロデューサー兼ファン第一号」に就任する。
各アイドルコミュの1話でそのアイドルをスカウトする時のエピソードなんかでよく聞くお約束のアレだ。
ここに現実とのリンクが実現した。
と、次の瞬間、プロデューサーの意識が現世へといきなり引き戻される。
今回は『HALLOWEEN GAME』パターンではなかったか。
先程までのことは夢だったかと疑う彼のポケットには灰とガラスの欠片が。
……やっぱりあっちの世界でもスーツ着用だったんかーい!

ちひろさんからの言葉でプロデューサーはこの直後にオーディションに立ち会う予定だったことを思い出す。
ん?
今何て?
「新しい仲間が増える」!?
え。
ウソ。
今さら?
190人からさらに!?
それをこんなところで発表!?
……違った。
はーホッとしたー!
そしてそのオーディションを受けに来たのは久川颯だった。
なんと時系列が久川颯がアイドルになる直前の話だったとは。


それにしても。
どうやらシンデレラガールズ運営は久川颯を次の看板センターアイドルとして位置付けているように思える。
ニュージェネレーションズの後継ユニットと目されていたニューウェーブの売り出しに失敗し、ならばと#UNICUSプッシュにシフトするかと思いきや、それも中途半端な印象。
ユニット売りを諦めバラ売り路線に走るのだろうか。
エンディングコミュのタイトルは『All for You』
直訳すると「全ては君に」。
ここの「You」は複数形ではないだろう。
まさしくこの『Fantasia for the Girls』は久川颯のためのものだったと言える。
デレステ9周年ライブ『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT FANTASY』のセンターも久川颯が担当する気がする。


あ!
最後にこれにだけは触れておきたい!
『Fantasia for the Girls』コミュは「ログ」で『灰被り』たちの詠唱のダブルミーニング(ハジメの『ひたむきなる美器』=『つくりあげるはじめのうつわ』など)や用語解説が楽しめるので読み返し推奨。
「アナザーコミュ」では主にボイスなしアイドルたちの活躍も見られるので必見。

エモ過ぎるフリスク。

今回読めなかった人もアイテム「秘密の鍵」を使って解禁と同時にぜひ全部読んでください。

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