長富蓮実の発言には4パターンある。
長富蓮実は『アイドルマスターシンデレラガールズ』の190人のアイドルの中のひとりで、昭和アイドルが大好きなアイドルだ。
自身も幼少期からアイドルへの憧れを持ち続けてはいたが、その理想のアイドル像は現代風のそれではなく、昭和、その中でも1980年代のアイドルたちであり、リスペクト具合はとてつもない。
彼女がそうなった最大の原因は母親からの影響なのだが、いかに刷り込みがあったにせよ、現在までそれが続いているということは本人にとってもどストライクだったということに他ならない。
彼女の容姿をひと目見て、昭和生まれのプロデューサー諸氏ならすぐにピンときたに違いない。
そう、いわゆる「聖子ちゃんカット」である。
松田聖子といえば、1980年代といわず「昭和アイドルの女王」と位置付けても異論はほぼほぼ出ないだろう。
それほどまでに彼女は絶対的な存在だった。
モバゲー版『アイドルマスターシンデレラガールズ』は2011年11月28日にリリースされた。
平成でいえば23年に始まったが、昭和の次の元号が平成と言えど、昭和アイドルブーム最盛期からは幾星霜。
蓮実の初登場も2012年の1月13日。
長富蓮実がニッチなアイドルであることは疑いない。
が、なにしろこれだけの数のアイドルがいるシンデレラガールズ、目立ってナンボである。
目立てなければ埋もれるのみ。
その点、蓮実にとっての昭和アイドル属性は大きな武器だ。
しかもメイン武装はあの女王・松田聖子だ。
『Fate』の世界で言えばサーヴァントとしてかのアーサー王アルトリア・ペンドラゴンと契約できたようなもの。
これなら勝算はある、と運営も踏んだことだろう。
こうして長富蓮実は16歳として唯一無二の昭和アイドルオマージュ特化型アイドルとしての地位を確立した。
蓄えた知識量たるや川島瑞樹をはじめとしたアダルト組ですら舌を巻くほどで、島村卯月や月宮雅の母親たちともすっかり打ち解けるレベル。
アイドル活動のみならず、昭和アイドル好きは彼女の人生そのものに活力と潤いを与えてくれている。
それでは前置きはこれぐらいにして、そろそろ記事タイトルの話題へと移ろう。
タイトルの通り、長富蓮実の発言には4パターンがある。
1. ごく普通の会話。
2. 松田聖子ネタが含まれるもの。
3. 松田聖子以外のレトロアイドルネタが含まれるもの。
4. レトロアイドルネタっぽくはあるが、特定の元ネタがないもの。
以上の4つだ。
1.については特に触れるべきものではない。
人間として当たり前過ぎるからだ。
逆に言えば全ての発言がレトロアイドルに絡めたものなら不自然極まりないし、無理がある。
第一そんなのは担当ライターの負担があまりにも大き過ぎる。
4.については1.以上2.と3.未満といった感じだ。
蓮実のキャラクター性を守りつつ大事にしつつ、会話を成立させる努力と苦労がしのばれる。
ひとつネタ師の立場から苦言を呈させてもらうと、散々調べた結果どのアイドルからの引用でもなかった時の徒労感たるや。
いや個人的過ぎましたね失敬。
2.こそ長富蓮実が長富蓮実たるアイデンティティと言ってしまっても過言ではない。
彼女が関わるコミュなどの体感実に9割以上が松田聖子にまつわる何らかにかかっている気がする。
メジャーな曲からの引用からすさまじくマニアックな所からの引用まで、長富蓮実担当ライターのただものではなさには毎回舌を巻く。
まず知識そのものが生半可なものではない上に、引用のセンスが秀逸過ぎる。
毎度毎度「そう来たかー!」と膝を叩かせてもらっております。
やはりプロのライターはすごい。
そして3.の松田聖子以外のレトロアイドルネタ。
これが非常に多岐に渡っていて網羅が難しい。
はあはあ……(興奮ではなく肩で息をしている)。
きっとこれでも氷山の一角。
私がSNS上にアップしていないものも、それ以前に元ネタに気付けてすらいないものもまだまだゴロゴロあるはず。
蓮実担当Pさんたちはどこまで把握できているんだろうか。
元ネタ情報集積サイト、時間さえあればいつかは……。
ともかくともかく。
他のアイドルたちにはない楽しみ方をさせてくれるのが長富蓮実。
歴戦のヲタクたちを今からでもシンデレラガールズ沼に引きずり込もうとするなら、最もその突破口になりえるのが長富蓮実。
知識や閃きが要求されたりもするけれど、そこがいいんです!
元ネタ探しにこれまでどれだけの労力を捧げたことか。
蓮実にボイスが実装されれば、あんなことやそんなこと、色々な展開が期待できる。
昭和アイドルソングカバーCDなんかはマストですよね。
なにしろシンデレラガールズのCDを出しているのはあの日本コロムビアですからね!
これほど推し甲斐のあるアイドルはなかなかいないと思いますよ?
知れば知るほど深い、長富蓮実沼にあなたも浸かってみませんか?