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トンチキノリなら踊らにゃ損損。:デレステイベント『スマイルファンタジー』
『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ』(以下『デレステ』)の期間限定イベントLIVE Carnival『スマイルファンタジー』が終了し、そのコミュを読了したので感想などを記す。
イベント楽曲である『スマイルファンタジー』の作詞・作曲・編曲はTAKT(TRYTONELABO)氏。
同氏は過去に『N.O.R. ~Notes of Revolution~革命についての覚書』、『HALLOWEEN GAME』の作詞・作曲・編曲も手掛けている。
歌唱ユニットはアナスタシア、川島瑞樹、城ヶ崎莉嘉、鷹富士茄子、道明寺歌鈴の『\ゴライコー!/』。
様々な類似点から一部からは「デレステの『マツケ●サ●バ』」などと呼ばれていたようだ。
物語冒頭、莉嘉が「お正月にチャレンジしてみたいこと」についてのアンケートを採って回る。
歌鈴が「掃除」、川島さんが「キャピキャピ」、アナスタシアは「ア~レ~(帯を引っ張られてくるくる回る例のアレ)」、そして茄子は「腹踊り」。
茄子さんはあんなに女神然としているのにどうしてあんなに腹踊りにこだわっているのだろうか。
って。
そういえばこの人、デレステの1コマ劇場では顔面テープ芸やろうとしてましたっけ。
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きっと「そういう人」なんでしょう。
もしかしたら自分のある種近寄り難いイメージを払拭したいが故の行動なのでは。
歴史パークから「正月イベントを盛り上げたい」とのオファーが。
そこでプロデューサーは「何があってもお正月を楽しく過ぎせるメンバー、つまりは『お正月ガチ勢』」として5人を選出したと明かす。
ふーん。
いや大人の事情だろう(言わぬが花)。
ところでなぜプロデューサールームの暖房器具がコタツのみに?
エアコンが壊れた描写とかありましたっけ?
それはともかく歌鈴だけが妙に冷静。
この時点で今回のイベントは歌鈴を中心に回ることが確定。
歴史パークに到着した一行を出迎えたのは老いぼれ忍者軍団で、そのひとりがオーナーその人。
施設も至る所がボロボロ。
パークの名前は『東海道・元禄村』。
この正月イベント後に今の施設を取り壊し、新しく建て替えて『トレンディ未来村』となって大儲けする青写真だとか。
やりたい放題を確約された5人、莉嘉はキラキラフォトスポットを設置し、川島さんは『ミズキ姫』となって大暴走、普段は常識人枠のアナスタシアまで同調してツッコミ不在。
ユーザーもすっかり置き去りに。
え?
一体何をどうしたいん?
我々は何を見せられてるの?
あえなく飾り付けの撤去が決定。
でしょうね!
川島さんも暴走の原因となった大人ニキビが治り、冷静さを取り戻す。
が、茄子はしっちゃかめっちゃか時のオーナーが幸せそうな顔をしていたことに気付く。
これは裏がありそうだ。
その直後、どんでん返しの向こう側にてオーナーとパークスタッフが若かりし頃に撮影したヒーロー物の8mmビデオテープが発見される。
黒歴史?
否、これこそが鍵だ。
歌鈴は「私だけここに来てから大したこと何もしてない」と反省する。
なにをなにを、むしろ君だけだよしっかりしてたの。
プロデューサーは彼女に「歌鈴こそがメンバーに欠かせない扇の要。イベントだって歌鈴のセンスがあれば絶対に上手くいく。それは君が神社の生まれだからだ。神社という場所で大切に育まれてきたからだ。神社は人と人が交流する場所。その空気を肌で理解しているのは歌鈴だけ。君なら他の誰よりもイメージできるはず」と長さの割に説得力があるのかないのか微妙な励ましを送る。
せめて最初に言ってやれよ。
そんなプロデューサーの言葉が逆に混乱を招いたのかオーナーのことを相談しそびれた歌鈴は莉嘉とともにオーナーの元へ直談判に赴く。
オーナーはトンチキノリが大好きだったが客にはウケなかった。
ウケないトンチキノリはスベったバカ騒ぎでしかない。
なので真面目な知的好奇心を刺激する内容へと方向転換した。
だからこそ何十年も続けてこられた。
だがついに資金問題が立ちはだかった。
終わってしまう『東海道・元禄村』にアイドルたちを呼んだのは、最後にバカ騒ぎをしたかったから。
ところが。
その思い出作りのためのヤケが功を奏す。
バカ騒ぎは見ている方は冷めてしまうが、どうせ参加するなら踊らにゃ損損。
まさにこのイベントのスタンスそものではないか。
野々村そら、キャシー・グラハム、丹羽仁美、メアリー・コクラン、ケイト、矢口美羽……事務所のアイドルたちが大挙して押し寄せ、三日三晩どんちゃん騒ぎが続いた。
その後、オーナーが事務所に表敬訪問に訪れる。
イベントは大反響、『トレンディ未来村』なんかよりもっと儲かることが分かったので、『東海道・元禄村』のままでイマーシブシアター『Oh!Edo!106』を企画するとのこと。
「イマーシブシアター」といえば『ワタシ御伽ばなシ』コミュでも登場した没入型エンターテインメントだ。
参照:→『ワタシ御伽ばなシ』で我々が体験したものとは。
この再登場のさせ方はかなり心憎い。
今回の成功以来5人へのオファーもどんどん舞い込んできており、正式にユニットとして動くことが決定。
ユニット名は『\ゴライコー!/』。
例のオーナーとパークスタッフが若かりし頃に撮影したヒーロー物にあやかってのものだ。
めでたしめでたし。
そうはならんやろ?
*この物語はフィクションです。
正直、今回のコミュが私は好みではない。
ランキングを付けるのであれば過去最下位クラスに位置するだろう。
「ウケないトンチキノリはスベったバカ騒ぎでしかない」
これ。
こんなのならまだギスギスした関係や無駄に重い内容の方がマシだと思った。
それらの方が最終的には得られて今後につながる情報が多いからだ。
さりとて。
「踊らにゃ損損」もまた事実。
いくら好みでなかろうとも、その中から少しでも美点を見付けてより良い思い出に昇華させたい。
たとえば。
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参拝者たちが引いたおみくじの結果の『超凶』は道明寺歌鈴のソロ曲である『満願成就♪巫女の神頼み!』に登場するアレだ。
って、自分の神社のだったんかーい!
とか。
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道明寺歌鈴のバナナ天敵属性は父親譲りであることが判明。
遺伝子強っ!
つーか『ジャイアントバナナ』is何。
なんならドジ体質そのものが父親譲りなのだろう。
ぶっちゃけ今回のコミュで得られた一番有益な情報がコレだった。
好きじゃない。
そこで終わればそれまで。
徒労感しか残らない。
それではもったいない。
だったら自ら動いてマシな思い出にしようではないか。
そこに注ぎ込んだ気力も体力も時間も無駄にはしないためにも。