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前へ進むジュニア勢と逆行する海野翔太。【新日本プロレス2024年6月3日後楽園ホール大会】

2024年6月3日(月)、東京・後楽園ホールにて開催された『レック Presents BEST OF THE SUPER Jr.31』第13戦を視聴した感想などを記す。

今大会の目玉は『BOSJ』準決勝、石森太二VS.TJP、そしてエル・デスペラードVS.DOUKIだ。

石森太二VS.TJPは4連敗のあと5連勝と完全に勢いに乗るTJPがタッグパートナーにして無念のBOSJ途中棄権となったフランシスコ・アキラの想いも背負い、ジュニアの完璧超人・石森太二に立ち向かう構図。
一進一退の攻防が続いた終盤、勝負を分けたのはTJPの掟破りのBone Lock
精神的に揺さぶりをかけたのか、それとも今の自分の身体の状態からそちらの方がダメージを与えられると踏んだのか。
奇しくもBone Lockとピノイストレッチは鏡合わせのような技だ。
策に溺れたかTJP、これが完全に逆効果だった。
キレた様子は見られなかったが石森は見事に息を吹き返し、そこから一気の猛攻で勝利を奪取。
終わってみれば盤石。
変身なしの正調スタイルで臨んだTJPを真正面から跳ね返した形だ。

エル・デスペラードVS.DOUKIは、勝利したデスペラードがガッツポーズしたのが全てだろう。
DOUKIがそれほどの相手になったということだ。
来年のBOSJこそはDOUKIが主役になるのではないか、と大いに期待させる。
お互いをよく知る両者、大ダメージを与えるには相手の予想を超えるしかない。
袂を分かってから身に付けたものこそ有効打となり得る。
観ていて「これは!」と目を瞠ったのは、DOUKIの場外のデスペラードへ向けてのトペ・スイシーダと見せかけての飛び付きスイング式DDTと、デスペラードのDOUKIの両膝をクロスして抱え上げてシットダウン式のニークラッシャーだった。
必殺の域までに極めたイタリアンストレッチNo.32で追い詰めたが、デスペラードの牙城はついぞ今回も崩せなかった。
思うにデスペラードが昨今積極的に取り入れた外部からの刺激が上回ったのではないか。
まさに財産。

今大会のジュニア選手で他に目に付いたのは藤田晃生だ。
第2試合の6人タッグ戦においてわずか1分7秒、オコーナーブリッジでクラーク・コナーズを仕留め、IWGP Jr.タッグ王座挑戦への権利をほぼ手中に収めた。
若さと負けん気に溢れ、師匠・ザック・セイバーJr.仕込みのテクニックにも日々磨きがかかっている。
ハイフライヤー志望でもないことも私としては高評価。
この先が楽しみで仕方がないレスラーがいるというのは、プロレスファンにとってとても幸せなことだ。

が。
さて。
褒めるのはここまで。
これから先は苦言タイムです。
海野翔太、あなたです。

相変わらず口を開けば「モクスリーモクスリー」。
この前のシングル対決を機にとうとう独り立ち宣言でもするのかと思いきや、「5年後を見とけ!」発言。
誰がそんなに待つねん、と。
この1分1秒でも早い世代交代、並びに若手エースの出現が叫ばれている時になにを悠長な。
あまりにも危機感がなさ過ぎる。
辻陽太ボルチン・オレッグが焦っているのは自身の年齢だけではない。
彼らの目にはしっかりと現実が見えている。

4人の「X」の正体は、永田裕志、天山広吉、真壁刀義、タイガーマスク
「海野翔太くん保護者会」日本支部の結成である。
モクスリーが日本にいない間のシッターさんたちの誕生だ。
きっとここに小島聡や本間朋晃なども後々合流するのだろう。

情けない。
ああ情けない。
なにが「力を貸してください!」だ。

なぜ「俺一人でもやってやる!」と言えない。

虚勢でもハッタリでもいいから。
5人中3人ジュニアを相手になにを勝ち誇っているのか。

それを聞いて感銘を受けた周囲が助けてくれる流れならまあ分かる。
頼むから最初から助けを求めてくれるなよ。
あなたにはプロレスラーとして一番大切な「俺が俺が」の闘志がない。
なんならヤングライオン以下の闘魂だ。

私は成田蓮の生き様が嫌いだ。
HOUSE OF TORTUREに虐められてストロングスタイルを作ってもらっておきながら、結局そのイジメっ子集団に尻尾を振って加入。
なんて無様。
だが今の海野とどれほど違うのだろう。
Tシャツを着たまま試合をしない、反則攻撃をしない、そういうパッと見の部分以外で。
いやむしろ海野翔太が「ラフネック(=荒くれ者)」ですよね?
どの辺が!?
モクスリー譲りのジャンパーぐらいしか要素なくない?

いつになったら自分の足で歩くんだ海野?
H.O.T狩り?
そんな眼の前のことにばかり囚われている場合か?
何をすれば勝ちになるの?
あのEVILが「参りました解散します」なんて言うと思う?
会社側もH.O.Tをこれからも便利に使い続けるつもりなのに。
もっと大局を見てくれ。
自分の、新日本プロレスの、プロレス界全体の。

ベテラン勢にスポットライトが当たるのはいいことだと思う。
まだまだやれるのに試合からあぶれているのはもったいない。
だが海野よ、分かっているか?
自分がそのためのパーツに使われていることを。
彼らが「海野翔太くん保護者会」であると同時に自分自身も「新日本プロレスシルバー部門ヘルパー」になってしまっているのを。
言い方は限りなく悪いが、それが現実だ。
あえてそういう言い方をさせてもらった。
あなたは優遇されたんじゃない。
第一線から遠ざかった連中といっしょくたにされたんだ。

BOSJ期間中とはいえ、なんと二極化された大会だっただろうか。
明暗が分かれたと言い換えてもいい。
ジュニアの明るい未来とヘビーの先が見えない未来。
オカダ・カズチカが言い残した「俺がいなくなるのはチャンスじゃない、ピンチなんだよ」は、まさしく予言だった。
時間がない。
もっと焦れヘビー級の若手たちよ。
なんなら私は新日愛溢れるゲイブ・キッドをエースに据えたいぐらいの心境だ。

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