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FOMC 11/1 パウエル議長スピーチ

出典:FOMC Press Conference, November 1, 2023

  パウエル議長スピーチの主要ポイント

  • 同僚と私は、アメリカ人の最大雇用と物価の安定を促進するという二重の任務に引き続き真剣に取り組んでいる。 私たちはインフレが引き起こしている困難を理解しており、インフレ率を目標の 2% に戻すことに引き続き強く取り組んでいる。物価の安定は連邦準備制度の責任である。 価格の安定がなければ経済は機能しない。

  • (英文)My colleagues and I remain squarely focused on our dual mandate to promote maximum employment and stable prices for the American people. We understand the hardship that the inflation is causing and we remain strongly committed to bringing inflation back down to our 2 % goal. Price stability is the responsibility of Federal Reserve. Without price stability the economy doesn’t work for anyone.

  • 我々は政策金利を5.25パーセントポイントまで引き上げ、保有有価証券を急速なペースで削減し続けました。政策スタンスは抑制的であり、引き締め政策が経済活動とインフレに下押し圧力をかけていることを意味しており、引き締めの完全な効果はまだ実感されていません。

  • (英文)We have raised our policy interest rate by five and a quarter percentage points and have continued to reduce our Securities Holdings at a brisk pace . The stance of policy is restrictive meaning that tight policy is putting down downward pressure on economic activity and inflation, and the full effects of our tightening have yet to be felt.

  • 本日、我々は政策金利を据え置き、保有有価証券の削減を継続することを決定しました。 私たちが直面する不確実性とリスクをどの程度まで乗り越えてきたかを考えると、委員会は慎重に作業を進めています。 私たちは、新たに政策を決定する範囲と、どの程度の期間、政策を抑制的に続けるかについて、今後得られるデータの総合性、見通しの進展、リスクのバランスに基づいて決定します。

  • (英文)Today we decided to leave our policy interest rate unchanged and to continue to reduce our Securities Holdings. Given how far we have come along with the uncertainties and risks we face, the committee is proceeding carefully. we will make decisions about the extent of additional policy firming and how long policy will remain restrictive based on the totality of the incoming data, the evolving outlook and balance of risks.

  • インフレ率は長期目標である2%を依然として大幅に上回っており、全体PCE価格は9月までの12か月間で3.4%上昇しました。 変動の激しい食品とエネルギーのカテゴリーを除くコア PCE 価格は 3.7% 上昇しました。 昨年半ば以降、インフレは緩やかになり、夏の統計は非常に良好でした。 しかし、数か月にわたる良好なデータは、インフレが目標に向けて持続的に低下しているという確信を築くのに必要な始まりにすぎません。

  • (英文)Inflation remains well above our longer run goal of 2%. Total PCE Price rose 3.4% over the 12 months ending in September. Excluding the volatile food and energy categories Core PCE Prices rose 3.7%. Inflation has moderated since the middle of last year and readings over the summer were quite favorable. But a few months of good data are only the beginning of what it will take to build confidence that inflation is moving down sustainably to our goal.

  • 昨年初め以来、私たちは政策金利を5.25%ポイント引き上げ、有価証券保有額を1兆ドル以上削減しました。 私たちの金融政策の抑制的な姿勢は、経済活動とインフレに下押し圧力をかけています。

  • (英文)Since earlier last year we have raised our policy rate by 5.25% points and we have decreased our Securities Holdings by more than $1 trillion. Our restrictive stance of monetary policy is putting downward pressure on economic activity and inflation.

  • 私たちは、経済成長と労働需要の回復力を示す最近のデータに注目しています。 持続的に潜在成長率を上回っている、あるいは労働市場の逼迫がもはや緩和していないという証拠があれば、インフレのさらなる進展がリスクにさらされる可能性があり、金融政策のさらなる引き締めが正当化される可能性がある。

  • We are attentive to recent data showing the resilience of economic growth and demand for labor. Evidence of growth persistently above potential or that tightness in the labor market is no longer easing could put further progress on inflation at risk and could warrant further tightening of monetary policy.

  • とりわけ長期債利回りの上昇により、金融状況はここ数カ月で大幅に引き締まった。

  • (英文)Financial conditions have tightened significantly in recent months driven by higher longer term bond yields among other factors.

  • 今後も得られるデータと、それが見通しや経済活動、インフレに及ぼす影響、さらには利益を得るために適切と考えられる追加の政策強化の範囲を決定する際のリスクのバランスに基づいて、会議ごとに決定を下し続けます。

  • (英文)We will continue to make decisions meeting by meeting based on the totally of the incoming data and their implications for the outlook and for economic activity and inflation as well as the balance of risks in determining the extent of additional policy firming that may be appropriate to return inflation to 2% over time.

  • 英語スピーチ全文書き起こし(日本語翻訳版) 詳細は下記からダウンロードして下さい。

  • 英語スピーチ全文書き起こし(英語版) 詳細は下記からダウンロードして下さい。

結果

  • 今回11月FOMCでFF金利は据え置きが決定され5.25-5.50%で維持された。今回のスピーチでは現在の政策期間に焦点が移っている。9月のFOMCのスピーチでは、場合によってはさらなる引き上げが必要だとコメントがあったが今回は無く、リスクバランスを強調していた感じがする。また、これまでのデータからインフレが緩やかになってきたとしており、少し満足している感じがした。ただ、コメントでは確信の始まりにすぎないと付け足している。今後のFF金利については、FedWatchのdot-Chartでは2023年の年末の予測中央値は5.5-5.75%、2024年末には4.25-4.50%となっている。これから判断すると、11月FOMCで再び0.25%引き上げられ5.50-5.75%となる可能性は少し残されているが、今回のFOMCのスピーチからすると12月FOMCでも据え置きされる可能性の方が大きいと思われる。いずれにしても年内のFF金利引き下げは無いと見られる。

  • 余談だが、今回はパウエル議長はメガネをはずし、ずっと正面を見てスピーチをしていた。9月のFOMCでは顔の表情が厳しく感じたし、Macbookを見ながら下を向いて話をしていた。今回はスタイルを変えたようで夜明けが近いという感じがした。

今後の影響

市場は現時点で年内のFF金利は現在の金利水準5.25-5.50%からこれ以上引き上げはなく、このまま維持されると95.2%の確率で見ている。また、金利引き下げは2024年5月からと見ている。S&P500株価指数は10/27に4103ドルの安値を付けて11/3終値4358ドル。250ドル程度戻した。
10月末の週から押しを少しづつ拾う戦略を取ったが、現在うまくいっている。11月頭に向け一気に戻しが入ったが、さらに押したところを拾っていきたい。
VOO、VT、QQQを中心に買っているが、個別株も決算を見て買っていきたい。


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