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FOMC 9/20 パウエル議長スピーチ


FOMC Press Conference, September 20, 2023

  パウエル議長スピーチの主要ポイント

  • 同僚と私は、アメリカ人の最大雇用と物価の安定を促進するという二重の任務に引き続き真剣に取り組んでいる。 私たちはインフレが引き起こしている困難を理解しており、インフレ率を目標の 2% に戻すことに引き続き強く取り組んでいる。物価の安定は連邦準備制度の責任である。 価格の安定がなければ経済は機能しない。

  • (英文)My colleagues and I remain squarely focused on our dual mandate to promote maximum employment and stable prices for the American people. We understand the hardship that the inflation is causing and we remain strongly committed to bringing inflation back down to our 2 % goal. Price stability is the responsibility of Federal Reserve. Without price stability the economy doesn’t work for anyone.

  • 我々は政策金利を5.25パーセントポイントまで引き上げ、保有有価証券を急速なペースで削減し続けました。 私たちは多くの分野をカバーしてきましたが、引き締めの完全な効果はまだ実感されていません。本日、我々は政策金利を据え置き、保有有価証券の削減を継続することを決定しました。 今後に向けて、私たちは追加の政策強化の範囲が適切であるかどうかの判断を慎重に進める立場にあります。 私たちの決定は、入ってくるデータと進化する見通しとリスクの継続的な評価に基づいて行われます

  • (英文)We’ve raised our policy interest rate by five and a quarter percentage points and have continued to reduce our Securities Holdings at a brisk pace . We have covered a lot of ground and the full effects of our tightening have yet to be felt. Today we decided to leave our policy interest rate unchanged and to continue to reduce our Securities Holdings. Our decisions will be based on our ongoing assessments of the incoming data and the evolving outlook and risks.

  • 消費者物価指数(CPI)および8月までの12か月間でPCE価格の合計が3.4%上昇したと推定するその他のデータに基づくと、インフレ率は我々の長期目標である2%を依然として大幅に上回っている。そして、変動の激しい食品とエネルギーのカテゴリーを除いたコア PCE価格 は 3.9% 上昇し、 インフレは昨年半ば以降、若干鈍化した。

  • (英文)Inflation remains well above our longer run goal of two percent based on the Consumer Price Index or CPI and other data we estimate that total PCE Price rose 3.4 percent over the 12 months ending August. And that excluding the volatile food and energy categories Core PCE Prices rose 3.9percent. Inflation has moderated somewhat since the middle of last year.

  • インフレ率を持続的に 2% まで下げるプロセスの進展には長い時間がかかる。 SCP における PCE 総インフレ率の予測中央値は、今年 3.3% となり、来期は 2.5% に低下し、2026 年には 2% に達する。

  • (英文)Nevertheless the progress the process of getting inflation sustainably down to 2% has a long way to go. The median projection in the SCP for total PCE inflation is 3.3% this year falls to 2.5% next year and reaches 2% in 2026.

  • 経済が予想通りに進展すれば、フェデラルファンド金利の適切な水準における参加者の予測中央値は今年末には5.6%、2024年末には5.1%、2025年末には3.9%となるだろう。 6月の経済予測サマリー に比較して、予測中央値は今年末まで修正されていないが、今後 2 年間の終わりには 0.5% ポイント上昇している。

  • (英文)If the economy evolves as projected the median participant projects at the appropriate level of the Federal Funds rate will be 5.6% at the end of this year,5.1% at the end of 2024 and 3.9% at the end of 2025. Compared with our June summary of economic projections the median projection is unrevised for the end this year but has moved up by 0.5%point at the end of the next two years

  • 私たちは今後も、入手するデータの総合性と、それらが経済活動とインフレの見通し、リスクのバランスに与える影響に基づいて、会議ごとに決定を下していく。

  • (英文)We will continue to make our decisions meeting by meeting based on the totality of the incoming data and their implications for the outlook for economic activity and inflation as well as the balance of risks.

  • 我々は、適切であればさらに金利を引き上げる用意があり、インフレが我々の目標に向かって持続的に低下していると確信できるまで政策を抑制的な水準に維持するつもりである。

  • (英文)We are prepared to raise rates further if appropriate and we intend to hold policy at a restrictive level until we are confident that inflation is moving down sustainably toward our objective.

  • 英語スピーチ全文書き起こし(日本語翻訳版)

  • 英語スピーチ全文書き起こし(英語版)

結果

  • 今回9月FOMCでFF金利は据え置きが決定され5.25-5.50%で維持された。今後のFF金利については2023年の年末の予測中央値は5.6%、2024年末には5.1%、2025年末には3.9%となっている。これから判断すると、11月FOMCで再び0.25%引き上げられ5.50-5.75%となることが予想される。年内のFF金利引き下げは無いと見られる。

  • 余談だが、スピーチを見ていてパウエル議長の顔の表情がいつもより厳しいように感じた。もう一段の引き上げするぞという感じがした。

今後の影響

市場は現時点で年内のFF金利は現在の金利水準5.25-5.50%からこれ以上引き上げはなく、このまま維持されると見ている。これに反して11月FOMC会合ではFF金利が引き上げられる可能性が高いため、市場のギャップに対する米国株式への動向に注意が必要である。S&P500株価指数は7/27に4607ドルの高値を付けて9/20の終値4402ドルで高値から約205ドル下げて終了している。今後どこまで下押しするかを見極めたい。9月末、10月末に下げたところを拾う戦略を取りたい。


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