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接客業は資格が「まだない」れっきとした専門職! 改めて大事にしたい教育係Kさんの教え

こんにちは!
「接客業出身者は接客する人への評価が厳しくなる」と思っている、
BFT名古屋支店・インフラ女子のやまぐちです。

エンジニアになって10数年の私が新卒で入社した会社は、駅ビルやショッピングセンターに入っている雑貨屋さんです。
私自身は三年半で辞めてしまったけど、不思議なもので普段の行動の多くは、この雑貨屋時代に教えてもらったことが多いです。

最近同期改めて諸先輩方のありがたみを感じ、せっかくなのでブログに残しておこうと思いました。

入社当時の状況は

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今から17年前、入社した時の同期は関西採用含め20人強、大体半分くらいが関東採用だったと思います。その頃の接客業はどの会社でも「ホスピタリティ」という言葉がよく使われていました。今では当たり前の概念ですが、当時はホテルのような高級な施設・場所で行わるようなことをどの接客業の現場でも実現する、みたいな流れだったと思います。

教育は基本的にOJT(On-the-Job Training)で店舗で実務を通して学んでいくスタイルですが、入社前の一週間に泊まり込みで研修がありました。まるで部活のように朝の大声の接客用語(「いらっしゃいませ」など)復唱から始まるのでみんな日に日に喉が枯れてしまったことを覚えています。

その研修中に教育係のKさんから言われた今でも大切にしたいことTOP3をご紹介します。

「あなたたちにできることは元気いっぱい笑顔でいることだけ」

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オフィスワークになって困惑したことの一つで「なぜみんな無表情で仕事しているのか」ということがあります。時には腰や首を痛めそうな姿勢で「周囲からどう見られているのか」をこんなに気にしないものなのか、と。

いつしか私も無表情で仕事をするようになりましたが、慣れるまでは「微妙に笑顔」(笑顔過ぎても怖い)をキープしようと頑張っていました。

何故なら笑顔でいることでお金をいただいていたからです。
どんな仕事でもスキルがなくても絶対にできること、それが笑顔です。

「一年目なんて見込み給料なんだからせめて笑顔で元気に声を出しなさい」

職場の雰囲気を良くすること、自分にできることを探して全力で取り組むことの大切を知った教えでした。

「目配り・気配り・心配り」

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ホスピタリティを実践するのに必要な要素がこの「目配り・気配り・心配り」です。

目配り…自分だけに視点を置くのではなく、アンテナをはるように周囲の様子を察知する。
レジでお会計をお待たせすることのないように、何か聞きたいお客様の視線にすぐに気づくように作業に集中しすぎず周囲の状況をよく見ること、と教えられました。

気配り…あらかじめ必要なものを考えておく、困っている人に気づいて手を差し伸べるなど、目配りの先にあるのが気配りですね。たくさん商品を持っているお客様へのカゴ渡し、取りにくい場所にある商品を見ようとしているお客様へ商品を取って見やすく広げるなどです。

心配り…気配りよりも相手目線で必要なこと・モノを考えてする行動が心配りです。みんなに平等にするのが気配り、その人個人を喜ばせる気配りが心配り、という感じでしょうか。研修ではこの「心配り」で自分は何ができるかをリストアップしました。私は急な雨で濡れてしまったお客様へタオルをお貸しする、と書いたことを覚えています。

この精神はどの職業・職種でも求められるスキルです。そして絶対も完璧もないので常に「これで良かったのか」と迷う部分ですが、相手を観察し相手の立場で考えることは一朝一夕では身に付かないことだと思います。

「どんな時も"お客様"と言うこと」

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どんな時も「お客様」と表現することで、もし万が一困ったお客様のことを他の人に話す時もきちんとプロの話し方を続けることができる、だから絶対に「客」とか「お客」ではなく「お客様」と呼べ、と教えてもらいました。

× この間の客がまた来たよ。ほら、ちょっとしたシミで30%割引しろって言ってた人。
 この間のお客様がいらっしゃいましたよ。ほら、30%割引してほしいとおっしゃっていた方です。

どうでしょうか、全然違いますよね。
これを教わった時、人間のバランス能力(とでもいうのか)に驚愕しました。不思議なもので「お客様」と言うとその後に続く文章は必ず丁寧な物言いになります。言葉が人を創っていくということを実感できた教えです。

誰でも「できない」接客業

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よく接客業は「誰でもできる」と表現されます。この記事を書くにあたっていろいろ調べた中で、以下の記事がとてもしっくりきました。

接客業は誰にでもできる仕事って?冗談でしょ?接客業は「専門職」です。

接客業は「誰にでも就くチャンスがある門戸の広い仕事」ではあっても
「誰にでもできるヌルい仕事」ではない。
~中略~
接客業は「”懐の深い”専門職である」

その通りだと思います。どんな理不尽な対応をされても笑顔で根気強く最後まで誠実に対応をする、こんなに人間力を試される職種はありません。
私は全然できませんでした。同期の話を聞く度にいつも自分のダメさ加減を思い知って辛くなっていました。

・常に自分から心を開き、笑顔でいること
・相手が間違っていたり勘違いしていたりしても、常に相手の立場で意見を尊重し誠実に向き合うこと

IT業界で資格を取る方がどれだけ簡単なことか…!!
いつか接客スキルが資格化されて多くの人々にその素晴らしさが認知され、もっと接客業に従事する方々の社会的地位や待遇が良くなるといいなぁと思います。

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