◆クラウドソーシング◆ vol.036 2015/8/28
昨今、大きな市場になりつつあるのが「クラウドソーシング」サービスです。
簡単に言うと、インターネット上で行う仕事のマッチングです。
企業間のマッチングもありますが、多くは企業と個人(事業者)のようです。
例えば、フリーランサーのデザイナーに企業が制作を依頼するなどです。
クラウドソーシングの「仕事受けます」欄には、ホームページやチラシ、ポスターなどの制作やデザインに関わる方が数多く登録されています。
通常、チラシの制作などを企業間で依頼す時は、広告代理店が間に入ります。
ディレクションと呼ばれるデザイナーとのやり取りの管理手数料が請求されるため、価格は上がってしまいます。
デザイナーの方々は職人気質の方が多いのか、営業を含めた顧客とのやり取りは専門化に任せる方任せる傾向があるようです。企業間の取引では、この傾向が今も色濃く残っているようです。
これはIT業界も同じです。プログラマーとSEの関係は近いものがありようです。
両社の機能や役割の振り分けは、従来から必要不可欠と思われていました。
しかし、コミュニケーション能力が高いデザイナーの方々も居られます。
そのような方が、いわゆる直接取引を行うことで、収入拡大を図れます。
依頼する企業もコストを抑えれます。
これを実現させた仕組みが「クラウドソーシング」です。今も市場拡大中です。
面談打ち合わせをしなくとも仕事の受発注、納品を行うことができれば、全国どこからでも東京や大阪などの案件に対応することができるます。
プロのデザイナーの生き方そのものも変化を起こす可能性があります。
若いデザイナー数十名が過疎地に移住してクラウドソーシングすれば、街の活性化も起こせるかもしれない、などの夢も描けます。
筆者は最近5つのチラシデザインをLancersというサイトで依頼してみました。
18件のデザイナーの方々が、我こそは、とお声掛けしてくれました。
選ぶ軸にするのは、
①Lancers認定のデザイナーかどうか(安心)
②過去の成果物が自分のイメージと合致しているか(実績)
の2点です。
結果、宮城県在住の方に依頼することになりました。
納期も守ってもらえたので、非常に満足した取引でした。
価格も5万円という安さで驚きでした。
もちろん、見ず知らずの方に依頼するのはリスクを伴います。
相手は信頼できる人物なのか、支払ったけど、モノが届かないとか、そういったリスクを避けるため、筆者は高額の依頼は難しいと考えます。
Lancersもそうですし、競合のクラウドワークスというサービスもそうですが、デザイナーやプログラマーのプロフィール情報が十分でないのです。
もう少し登録者の情報を引き出せる環境が整う必要があると感じています。
このようなリスクを内在する「クラウドソーシング」ですが、チラシやポスターなどの制作に関しては圧倒的なコスト削減が期待できます。
自社や顧問先の販促費のコスト削減に活用してみては如何でしょうか。
◆執筆者紹介◆山本広高 (BFCA経営財務支援協会 取締役)
群馬大学工学部大学院卒業後渡米し、フロリダ国際大学にてMBA取得。
外資系コンサルティング会社にてERP導入などITコンサルティングに従事。
退職後、経営財務支援協会取締役、株式会社THINCESS代表取締役に就任。
大企業から中小零細企業まで規模、業種を問わず、事業計画策定や、
サービス開発のプロジェクトに携わっている。
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