陰キャにあこがれて
振り返るとおそらくここ3年くらい、なんだかずっと抱いていた違和感の正体を、ようやく突き止めた気がする。
わたしは、陽陰で区別するならば、陽の方の人間なのだと思う。自分では「陽寄り」くらいに思っているけれど、周りから見たら、ただの"陽キャ"なのだと思う。
たしかに、学生の頃からクラスでは中心の方にいたし、自分の意見や感情を誰にでもあけすけに話せるし、恋愛経験もそれなりに積んできたし、海外もよく行くし、くよくよ考え過ぎないし、あとはなんだろ、クラブでオールすることだって厭わないような、そんな人間であることは間違いないので、だから陽キャだと言われても仕方がないし、受け入れてきたつもりである。わたしが陽キャであることを。もうね、こんなブログを書いてしまっていること自体、陽キャの証拠なのでしょうよ。たぶん。
でも、わたしは陽陰で人間を区別したり、ましてや対立したいなんて全く思っていないし、実際、陰キャと呼ばれている人たちのことがすごく好きなんですよ。陰キャだった彼氏もいるし、全然好きなんですよ、陰キャ。……とか書いていると思うんですよ、ほら、陰キャのみなさんにものすごい勢いで鼻で笑われてるような気がするんですよ。思いっきりわたしとあなたの間にぶっとい線を引かれているような、でもその線はわたしが見ていないうちにいつの間にか引かれているような、そんな頑なな線を。だから戸惑うんです。え、わたしは好きだったのに、と。
今の時代は、陰キャが優勢だと思います。ちょっと前までは違ったかもしれないけれど、今は、圧倒的に陰キャの価値が高いと感じます。
芸能人でも、綺麗で可愛くてどう見ても陽キャそうな人が、陰キャっぽい趣味を持っていたとするならば、人気はうなぎのぼりになることが容易に目に浮かびます。羨ましい。なんだか陰キャは、敵対視されたり、叩かれたりする土俵から、少し外れた場所を確保できるような、そんな感じがします。あくまでもわたしの想像ですよ。
もちろん、単純に「陰キャだから」というわけではないことも分かっています。わたしだって男として付き合いたい相手に「陰キャ」を名指しするくらいなので、陰キャの魅力は分かっているつもりです。重々。単純な言葉を並べると、思慮深いし、優しいし、物事にこだわりがあるし、博識だし、浮気癖がなさそうだし、お話ししてさえくれれば、本当に面白くて魅力的な人がたくさんいると思うのです。あ、もちろん、一口に陰キャと言ってもさまざまなタイプがいるとは思うのですが。それは陽キャも同じでしょう。
さらに、陰キャ同士の結びつきも羨ましい限りです。お互いの知識を掛け合わせながら、レベルの高い遊びをしているように見えて、とても羨ましいです。どうしてそんなに、イケてる人間なのですか。
そして聞きたいです、みなさんは、陽キャのことをどう思っていますか……?
やっぱりわたしは陽キャなのだなと、改めてこうして自分で気がついてしまわざるを得ない文章を書くことになってしまいました。わたしには当てはまらない。陰キャの深さと言いますか、ある意味ですごく人間らしいところと言いますか。
これは陽陰の区分ではなく、シンプルに頭の良し悪しなのではとも思ったのですが、それもあるかもしれない。あるかもしれないけれど、頭の良い陽キャは、やっぱり陰キャに嫌われている絵しか想像できなくて、やっぱり陽陰なのではと思いました。
これは、陽キャであるわたしから見えている世界なので、ぜひ陰キャからの世界も教えて欲しいです。とにかくわたしが伝えたいのは、わたしはただただ、あこがれています。本当です。本当なのです。