【卒業生の今】小学校教師を目指すスーパーボランティア大学生 ゆったんさん
こんにちは!インターン生のコーイチです。
より多くの皆さんに私たちビヨンドトゥモローのことを知ってもらい、理解していただくために、noteではビヨンドトゥモローに関わる様々な人のインタビュー記事を投稿しています!
今回は、2019年度と2022年度にビヨンドトゥモローの活動に参加した、ゆったんさん(仮名)にインタビュー!
ゆったんさんは、2023年度のインターン生としても活躍してくれています。
ビヨンドトゥモローを卒業した今だからこそ思うこと、そして今までのことやこれからのことなどを沢山聞かせていただきました。
1.プロフィール
ゆったん
・神奈川県出身。
・現在大学2年生、小学校の教師を目指して北海道の大学で教育を専攻している。
・母からの「名前が残るような何かをつくりなさい」という教えをモットーに中学生のころから様々なボランティア活動を企画・運営し、地域貢献活動に取り組んでいる。
2.バックグラウンド
突然の両親の離婚、少ない荷物で祖母のもとへ
私は小学校6年生の夏休みの夜、父に母と妹とともに家を追い出されました。
私の家は両親と私と妹の四人家族でした。
小さなころから父のDVがひどく、よくビール瓶や包丁が出てくるような家でした。特に母への暴力が多かったので妹と一緒に母を守るために父をなだめていました。
ですが、その日の父の怒りは凄まじく私の携帯を真っ二つにしてしまうほどでした。私は携帯を壊されてしまったので、誰にどうやって助けを求めればいいか分からずその夜は近くのスーパー銭湯でやり過ごしました。
次の朝になって、もともと北海道の祖母の家まで帰省するために準備していた荷物を、父が出かけた隙を見計らって取りに行きました。そして、そのまま祖母の家に向かいました。
大好きだった小学校を離れて何も知らない北海道の小学校に転校
父と母が別れたことも悲しかったですが、大切な友達がたくさんいた小学校をお別れも言えないまま転校したのも同じくらい悲しかったです。
特に夏休み明けに行われる運動会では実行委員長に選ばれていたので、参加できないことが本当に辛かったです。
転校した北海道の小学校では教科書もありませんでしたし、授業のやり方も全く違いましたし、なかなか友達をつくることができなかったので苦労しました。
このままではダメだと思い、中学受験を決めました。願書の締め切りが9月だったので本当にギリギリでしたが、何とか出願することができました。その後、先生方の協力のおかげもあり無事合格することができました。
ただ、いざ卒業直前になると北海道の小学校のクラスメイトとかなり仲良くなっていたので卒業式では一番泣いてしまいました(笑)
周りとのギャップを明確に感じた中学生時代
中学生になってから親などの環境の違いを感じるようになりました。
クラスメイトには市議会議員や医者などの親を持つ裕福な家で育った子が多かったので、ブランド品を身に着けていたり送迎の車がある子もいました。
なので、自分の環境とのギャップをかなり感じていました。
ただそのおかげで経済的感覚が身に付いたので、できるだけ多くの奨学金をもらうために勉強を頑張りました。
3.ビヨンドトゥモローとの出会い
高校1年生のときに学校でジャパン未来リーダーズサミット2019の参加者を募集するポスターを見つけたことが、ビヨンドトゥモローを知ったきっかけです。
サミットで大きく変わった自分
サミットはいい意味で私の自信を無くしてくれました。
私はサミットに参加する前から色々なボランティア活動を一から企画して運営してましたし、そのことで市から表彰されたこともありました。
なので、最初はサミットに参加する学生の中で一番すごいのは私だという自信がありました(笑)
ですが、実際に参加してみると私よりももっとすごい規模の活動に取り組む学生がたくさんいました。そして、その子たちも私と同じように様々な逆境を経験していることを知りました。
体験共有の時間ではリーダーを務めるスカラーの先輩が泣きながら自分の経験を最後まで話しきる姿には心を打たれました。自分の辛い過去を共有することで心を通わすことのできる大切な仲間をつくることができました。
今でもサミットで出会った仲間たちとは仲良くしています。
他にも提言発表や政治家の方と直接話す機会が用意されていたりと普段では経験することができないレアな学びを得る時間を過ごすことができました。サミットが終わったときには、自分の視野が大きく広がったことを実感していました。
※体験共有…参加学生同士が自身の経験やバックグランドについて話し合ったり、その時に感じたことを伝え合ったりする時間。
※提言発表…同じ班の学生同士でディスカッションを重ねて、自分たちにできる社会課題へのアクションを発表する。
大学進学後スカラーに
初めてのサミットが終わったときから、来年も絶対に参加すると決めていましたがコロナウイルスの影響で中止になり、2年間開催されませんでした。
なので、ビヨンドトゥモローの大学1年生を対象とした奨学金(ジャパン未来スカラーシッププログラム)に応募しました。
スカラーは年間を通して活動するため、サミットよりも多くのプログラムを受けることができたので、自分の視野をさらに広げることができました。
特に嬉しかったのが3年ぶりに開催されたジャパン未来リーダーズサミット2022で、スカラーの紫のポロシャツをきれたことです。前のサミットのリーダーと同じ役目を果たせることがものすごく嬉しかったです。
※ジャパン未来スカラシッププログラム…親との死別・離別や虐待などの社会的困難を経験した大学1年生に返済不要の奨学金50万円と1年間の人材育成プログラムを提供するもの。通称「スカラー」。
さらに視野が広がった海外プログラム
スカラーとして受けたプログラムの中で最も印象に残ったのはハワイに訪問した2022年度米国プログラムです。私は海外のことがどこか自分とは関係のない遠い場所のように感じていて、あまり興味がありませんでした。英語も翻訳機があればなんとかなるだろと思っていました(笑)
ですが、現地の方々と交流する中でたくさんの人たちの優しさに触れることで海外をより身近に感じることができるようになりました。
なかには自分の過去を話すと完璧な英語ではなくても一緒に泣いてくれる方もいて、国籍が違っても同じ人間なのだと強く感じることができました。
このプログラムで英語学習に対するモチベーションが一気に高まりました。今まさに英検準1級合格に向けて勉強しています!
インターンとしてビヨンドトゥモローをつくる側に
スカラーとしての卒業が近づいてきたなかで、もっとビヨンドトゥモローのみんなに頼ってほしいという思いが強くなっていました。
そして、インターン生として今までボランティアを企画・運営してきた経験を活かせるのか試してみたいと思い、2023年度インターン生になりました。
インターン生になって半年間が経って多くのことを学べました。特に最初は企画書の作成や会議などで自分の考えを伝える力が足りていないと感じました。
言葉の表現をビヨンドトゥモローは自分よりもものすごく大切にしていて、相手を傷つけずこちらの意図を伝えきれるように考えつくしています。
このスキルは将来教師になったときに必ず役に立つと思うので私も頑張って吸収しています!
4.目指している夢と原動力
将来は小学校の教師を目指しています。
教師を志したきっかけは北海道に転校したときにたくさんの先生に助けられたというのも大きいですが、それ以上に大きな理由があります。
それは小学校を転校したことで授業が子どもにどれほど大きな影響を与えるのかを知ったからです。
私の転校前の学校では黒板の板書や授業の司会などを児童が行い、ディスカッションも盛んだったので自分の意見を積極的に伝える子が多かったです。
一方で、転校後の北海道の小学校ではそういった取り組みが行われておらず、自分の意見を伝えられない子が多いと感じました。そこから教育の影響の大きさを感じたことで教育に興味を持つようになり、教師を志すようになりました。
今の大学では教育方法学のゼミに入っていて教授やゼミのみんなと理想の教育を探求しています。自分の好きなことなので毎日が本当に楽しいです。
5.ジャパン未来リーダーズサミットの応募を迷っている高校生へ
人によって何がターニングポイントになるか分からないからこそ、勇気を出してほしい。実際に、私はサミットに参加したことが今の自分にとって大きなターニングポイントになったのでぜひ参加してほしいです!
私もインターン生として誰も参加したことを後悔しないようなものにするので応募してほしい!ビヨンドで待ってます!
※この記事ではビヨンドトゥモローが提供する年間プログラムを修了した学生を卒業生とし、彼らの活動展開をお伝えしています。
<ジャパン未来リーダーズサミット2023募集要項はこちら>
ジャパン未来リーダーズサミット2023募集要項
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