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感情は物質だと気づいた時のこと

頭や肩にのしかかるような重さ
胸を突くような痛み
人と話しているだけで
そんな感覚を覚えることが度々あった

あるとき何気なく
重たいなぁと
手で払いのける仕草をする
本当に無意識に何気なくだった

ん?動いた?
ちょっとだけ重さが動いた
そんな気がした

え?
この嫌な感覚は動くの?
変な発見をした気になったが
意味はわからなかった
ただただその時は
不思議な感覚のみが残った

その日以来
あの重さが動く感覚は
やってこなかった

しばらくしたある日
目の前ですごい勢いで
怒っている人がいた

私を見たその人は
何故だか矛先をこちらに変え
必死で訴えてきた

しばらくまくしたてていたが
ずっと聴いていると
少しずつトーンが下がり
やがて落ち着いてくる

まるで怒りが
吸収されているみたいだな
そんな風に感じるほど
怒りはどんどんおさまる

怒りを吸収したからなのか
機嫌をなおして
立ち去っていった

それと同時に
あぁ重い・・・
ズンと重くなっている
身体を実感した

なるほどね
人の感情を受けると
重たかったりするのね
初めてそのことを自覚した

待てよ?
重いのって
怒りに重さがあるってこと?
感情に重さ?

目に見えないものにも
質量があるのか?

現実のものしか信じなかった自分

目に見えないモノに
興味を抱いた瞬間だった







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