シンガポール：電子タバコの販売で4人に懲役刑

出典: Singapore: Four Serve Prison Terms for Selling Vapes
https://vaping360.com/vape-news/109252/singapore-four-serve-prison-terms-for-selling-vapes/

シンガポール政府は、2020年11月以降電子タバコ製品を販売した8人に有罪判決を下し、罰金や懲役刑を科したことを発表した。 25歳の男性は単純所持で有罪となり、罰金を科せられている。

報道発表によれば、販売を行った8人には合わせて172,500シンガポールドル（約1400万円）の罰金が科せられ、再犯者1人には1週間の懲役と61,000シンガポールドルの罰金が科せられたという。シンガポール健康科学庁（HSA）は、2020年11月から今年2月の間に発生した事件を起訴した。

有罪判決を受けたうちの4人は罰金を支払わなかったため、22日から122日間の懲役刑に処せられた。

シンガポールでは、2011年に電子タバコ製品の販売を禁止（擬似喫煙製品に関する法律）した後、2018年には所持および使用の禁止を追加している。闇市場の販売者は、一般的にソーシャルメディアで顧客を見つけ、メールやポップアップサイト、または対面で販売を行っている。

しかし、販売や所持の禁止にもかかわらず、この豊かな島国では、電子タバコ機器やe-リキッドの闇市場が盛んである。HSAによれば、2018年1月から2021年2月の間に、同庁は電子タバコの販売で43人を起訴したという。オンラインによる電子タバコ製品の販売に対する99,000シンガポールドル（約800万円）の罰金を含め、数十万ドルの罰金の査定が行われている。

アジア諸国の多くは電子タバコ製品の販売を禁止しているが、世界保健機関（WHO）の反ハームリダクションの立場や、反たばこの武器である「たばこの規制に関する枠組条約」（FCTC）をその動機として挙げている場合が多い。

最近、英国議会で行われた調査では、FCTCがたばこのハームリダクション措置に反対していることを受け、英国政府はFCTCへの資金提供を控えるよう勧告がなされた。FCTCやWHOのその他のたばこ規制活動は、アメリカの大富豪マイケル・ブルームバーグ氏が出資する反ベイピングのたばこ規制組織の大きな影響を受けている。

先月、ニコチンの消費者団体であるINNCOは、ブルームバーグ氏が支配する健康団体がハームリダクションに反対していることに異議を唱える声明書を公表した。その直後、広く読まれている『クロニクル・オブ・フィランソロピー』に掲載された記事は、ブルームバーグ・フィランソロピーのたばこ規制に対する影響力と、その反電子タバコの姿勢に疑問を投げかけている。

※ハーム・リダクションとは、個人が健康被害や危険をもたらす行動習慣をただちにやめることができないとき、その行動に伴う害や危険をできるかぎり少なくすることを目的としてとられる、公衆衛生上の実践、指針、政策を指す。主に嗜癖・依存症に対するものを指し、直訳すれば「害の低減 」となる。