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馬はいつだってわかっている

来週から始まる校外実習2回目。大学2年生が始まってからずっとハッピーとは言い難い日々を過ごし、さらには1回目でトラウマになった校外実習の2回目が来週から始まるということで、頭ではとにかく淡々とこなすのみと分かってはいるものの、身体はあちこちに痛みを出すという形でそれを拒否している今日この頃。それでも実習が始まったらしばらく行けなくなってしまうので、仕事やら体調不良やらでずっと休んでいたボランティアに行ってきました。

まずはスキッピー嬢と乗馬の自主練。私自身久しぶりの乗馬だったのと、彼女は自分でバランスを取るのがあまり上手くなくていつも焦りがちな動きになるので、大丈夫かなと思っていたものの、今日はいつもよりは落ち着きを見せるスキッピー。騎乗してからも、彼女が焦り始めそうになったところで、私の騎座と呼吸を整えて、というのを繰り返していくうちにいい感じでコミュニケーションが取れるようになりました。途中何かに驚いてパニックになりそうだったスキッピーを一旦止めて止めて、彼女の首筋を撫でながら(私が)深呼吸を繰り返していると、しばらくしてスキッピーがブヒーっと鼻を鳴らしようやくリラックス。馬は人間の心臓の音を4フィート(1mちょっと)離れたところから聞くことが出来るそうなので、馬上の人間がゆっくり呼吸を整える(つまり心拍数がゆっくりになる)ことが馬に良い影響を与えると言うのは当然といえば当然なのでしょう。その後には駈歩もたっぷりとして、とても楽しい練習となりました。

咀嚼中で鼻先のピントぶれぶれのスキッピー嬢

今日は、気持ちが弱っている私を馬たちが察してくれたのか、馬たちがそれはそれは優しくてスウィートでした。私はボランティアに行くといつも、作業の合間を縫って馬房にいる馬全員に挨拶して回るのですが、いつもはつれない態度の馬たちまでもが私が呼ぶ前に自ら近づいてきてくれたり、頭を私の胸に埋めてきたりと、ストレスでガチガチになった私のハートを溶かしてくれるのでした。思い返し見れば、私が弱っている時に限って馬たちはいつも以上に優しくしてくれているかもしれません。

それはどんな時でも我が道を行くハリーも例外ではなく。夕方、Bridle pathでしばしの自由時間を過ごしていた彼を迎えに行きました。彼の姿がその小径のゲートから少し離れたところに見えていたはずなのに、私がゲートを開けている隙にどこかへ消えてしまいました。もっと遊んでいたいと傍の垣根の中へでも入っていったのかなとドロドロの小径を進んでいくもののハリーの姿はどこにも見えません。あんまり遠くまで探し回りたくなくて、ダメもとで「ハーーリーーー」と呼んでみたら先の方の垣根からひょっこり顔を出してこちらを見ています。そして「帰るよー」と言うと、こちらに向かって歩き始めたのです。
普段は呼んでもガン無視がデフォルトな彼なのに珍しいなと思いつつ、以前同じような状況で近くにやってきたと思いきや、急に私の横を駆け抜けてどこかに行ってしまうなんてこともあったので、少し警戒しつつ立ち止まっていたら、私の目の前でピタッと止まり、顔を擦り寄せてきて、「はい無口つけるんでしょ」とでも言うかのようにじっとしているのです。こういう言葉を介さない会話がとてもとても愛おしい。

そんなわけで「もうちょっと無理」といっぱいいっぱいだった私は、馬たちからたくさんの優しさをもらって、すっかり癒されて帰ってきたのでした。

Horses are the best


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