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夏の終わりに

今年の夏もなんだかパッとしないまま終わってしまったと思っていたのですが、インディアンサマーと呼べるのかちょっと微妙な9月の頭、夏の陽気が戻ってきました。明日明後日はもっと気温も上がるらしいです。

夕方からずっとベッドの上で、久しぶりに、ロゼワインを片手に仕事とは全く関係のないどうでもいいようなものをひたすら読み続けていました。こんなにリラックスしたのいつぶりかしらというくらいに。

するとふと腕に何やら気配を感じます。気配に目を向けると、蚊が止まっていました。「ちょっと!」と手で払い、蚊除けのシトロネラのキャンドルを窓辺に灯しました。が、私の腕に狙いを定めた蚊は、最後の力を振り絞っての食料(血)ハンティングだったのか、なんともシュッとしない飛行をしながら何度も舞い戻ってきます。

それでも殺したくはなかったので、よろけたところを両手でカップのようにして捕まえて、窓の外に逃しました。これでよしと読み物にしばし目を戻したのも、しばらくするとまた、さっきと同じ(だと思う)蚊が私の腕を狙って戻ってきました。

1度は手で払ったものの、この時点でだいぶめんどくさくなってきたこともあり、ほんのり愛着?のような感情も湧いてきて、もう好きにするが良いと腹を括りました。そもそもそんなにパワフルではないイギリスの蚊。刺されてもたかが知れてるし、最後の晩餐を楽しんでもらおうではないか、なんてね。

それから数分もしないうちに、手の甲が痒くなり、彼(蚊)の姿も見えなくなりました。気が済んだのでしょう。痒いところには、ティーツリーオイルを擦り込み、しばらくすると痒みも刺された後も消えていたのでした。

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