『ラクロス』がうまい選手に。制約主導アプローチ
こんにちわ。今回はラクロスがうまくなるために必要な『スキル』をどうやって磨いたら良いのか?という内容を数回にわたって紹介したいと思っています。週1か2あたりで。主にはコーチ向けになるかもです。選手もトレーナーも知っていたら役に立つと思います。
試合中において必要なSkillの向上は私自身も選手だったときにも非常に悩んだし、コーチとしてラクロスを教えるようになってからもいつだって悩まされたいわば『命題』ともいうべきものでした。今回はその中でも1つの答えとなるであろうアプローチを数回にわたって解説したいと思います。長くなると思いますが読んでもらえたら幸いです。
現在のラクロスのコーチの取り組み
現在ラクロスのコーチには約3パターン存在します。
1.ライセンス持ちのコースでしかもS or A級思っているヘッドコーチと言われる人たち。
2.同じくライセンス持ちでもB級と言われるアシスタントコーチに分類される人たち。
3.ライセンスは持たないが卒後もラクロスを継続しており技術を教えに来てくれるコーチ
大きく分けることこんな感じです。A級よりも高いと公式戦でベンチに入れることや、ライセンスの等級により多少学べることに違いがある。A級より上ですと年間スケジュールの管理についてやコーチングのやり方などがメインとなり、B級ですと戦術やテクニックに関わることが多くなる。もちろんB級でも優れているコーチはたくさん存在する。
ラクロス指導者を目指すと2つのことを何よりも重要だと教えられる。
1.ラクロス特有の主体的な行動と創造的な思考を大切にする文化の継承
2.ラクロスもチーム作りも、選手や部員が自ら考えて試行錯誤して成長すること。そのため指導者には、答えではなくヒントや気づきを与えることで選手やチームの成長を促進させることが求められる。
上記の太字の部分が私としも非常に重要だと考えていて、全国トップレベルのチームに多く見られる指導者の傾向でもある。ちなみにラクロス協会のものです。
では、現場レベルではどうなのか。。大学から始めるスポーツであることもあり、コーチングよりもティーチングを好むチームは下部組織であるほど顕著に現れる。そして、指導者側もプレイングコーチが多いためなのか、ティーチングが非常に多い。ここについては私はずっと疑問を持っていた。
ティーチングでもなく、コーチングでもなく、選手がテクニックではなく『スキル』を磨くにはどうしたら良いのか?練習の中で試合に使える『生きた練習』を行い、試合で再現性のある行為(スキル)を磨くには指導者は何を指し示し導くべきなのか。
そして、出会ったのがこのエコロジカルアプローチ(Ecological approach)であり、制約主導アプローチ(contains-limid-approach)である。英語が違っている気がする。。。。
サッカーに詳しい人はご存知かもしれないが、確か、ここ10年間くらいでスペインで体系化されつつあるアプローチである。最近では書籍も出版されたので一読してみることをおすすめする。サッカーだけでなく、すべてのスポーツのコーチに関わっている人は一読することおすすめしたくなる本でした。今後スポーツはコーチが『教える』というフェイズからコーチは学ぶ環境をコーディネイトする人となり、選手は『コーディネイトされた環境から自身で学ぶ』というフェイズに移行する。
私としては、非常に選手にとってもラクロスのコーチ、すべてのスポーツに関わるコーチにとって有益だと思ったのでラクロスを交えつつ学んだことをアウトプットしていけたらと思う。
非常に簡単に説明すると
ゲームライクだと良い練習にはなるがSkillの誘発回数が少なすぎる。
よくある反復練習では試合にSkillの転移が見られずテクニックだけの選手になってしまう。
女子ラクロスでいうと3部リーグはこれだと思う。4部はそもそもテクニックもないし、フィジカルもついこれていない。怪我のリスクも高く見ていて怖い。2部だと組織としてパターンの動きはよくできる。個人のSkillも高いが自己組織化されていない。1部だとかなり自己組織化が進んでいる。社会人はほぼ完成形といったレベルだろうか。
話を戻しますが、
エコロジカルアプローチや制約主導アプローチと言われるものは、ゲームライクな感じを損なわず、意図的に環境を制約して、チームもしくは個人において、特定のSkillを積極的に誘発させ、チームもしくは個人の自己組織化を促すアプローチである。と言える。その中でコーチがどのようにチームと個人と関わっていくか、選手の自己組織化を促すかというコーチの教科書です。
今回はエコロジカルアプローチと制約主導アプローチの紹介でした。
よかったら多くのラクロッサーにこの考え方が広まってくれたら嬉しいです。次回からは、詳細を載せていきたいと思っています。
もし、そのほかの記事や今後の記事で興味のあるラクロッサーの方いましたらご連絡お待ちしております。来季からの新しいコーチ先も探しています。