制約主導アプローチの原則
カナダに留学に行っていたときの写真。。顔がわからないから使ってみました。。。カナダのラクロスをたくさん学べたのもいい経験でした。コーチ育成の考え方とかアプローチとか日本とはだいぶ違いました。さて、続きです。
このアプローチの制約は『個人制約』『タスク制約』『環境制約』の3つにわかれています。
個人制約は、構造的な制約と機能的な制約に分かれています。
構造的制約とは身体が有しているストレングスや柔軟性の部分です。わりとフィジカルな部分。機能敵な制約は認知や疲労状態、Motivationなどです
タスク制約とは、ボールのサイズ、重さ、コートのサイズ、人数といったところでしょう。
環境制約とは、物理的な制約や社会的な制約です。芝かダートか、温度、湿度、標高、天候、現地までの移動距離、社会的とはスポーツの文化レベルや家族からの支援や、地域や学校、OBOGからの支援状態もこれに含まれます。
コーチはこれらを目的に合わせて、制約することで学習者を自己組織化できるようにフィードバックを行います。例えば、ボール保持時間に制限を設けたり、フィールドを分割してみたり。
コーチがコントロールできることは非常に限りがあります。選手の身体能力はコントロールできない。足を早くするとか。。その場その場の選手が何を認知して判断したのか。とか。。しかし、練習メニューでのランの速度をコントロールすることはできます。DFの強度をコントロールすることはできる。あくまで制約として。
他にも天候はコントロールできない。しかし、あえて雨の中で練習することで環境という制約から得られるアフォーダンスはあります。
知覚(環境情報)によってアウトプットされる運動を、どうやって目的に導くのかが非常に重要ということです。
そして、コーチが制約主導アプローチにおいて重要としているプリンシプル(原則)は5つです。
1.代表性
2.タスクの単純化
3.機能的バリアビリティ(反復なき反復)
4.制約操作
5.注意のフォーカス
簡単に言えば、
代表性とはより試合の感覚に近いかどうか。試合に近い知覚と運動のカップリングが生まれるかどうか。
タスクの単純化とは、制約をコントロールすることで難易度や強度を下げつつ、試合環境で起こりえる情報と動作を保ち、特定のスキルの誘発を多くする。
タスクを分解した部分練習ではなく、あくまでも全体性を保ったまま試合で使える運動やスキルを学習させる。例えば、スモールサイドゲームがそれです。ロンド、ポゼッション、ミニゲームをピッチのサイズや人数、特別ルールで制約を操作して正規の試合を操作し正規の試合環境を修正単純化したトレーニングです。
機能的なバリアビリティとは、バリアビリティとは『バラツキ』です。つまり、反復なき反復を繰り返して行うことで、修正力をつけていくことです。慣れる前に制約をコントロールし、常に学習者が新しい動作を獲得できるようにしていくことです。ただ注意したいのは、選手によって修正力の速度に差があるということです。しっかりと観察し適切なバリアビリティーを設定する必要がある。
制約操作は、、、、そのままですね。
注意のフォーカスとは、どこに注意を向ければよいかということです。
エコロジカルアプローチにおいて重要なのは外的な環境です。
こういったところに注意しながらコーチは指導していくのがエコロジカルアプローチになります。選手の学習レベルによって制約が大きく変わってくることが非常に難しいところになります。同じチームの中でも差が大きいケースはたくさんあります。
したがって、コーチは観察洞察の部分が非常に求められます。1段階の学習なくして、2段階目のスモールサイドゲームでは難易度が高くなりすぎてします。
ラクロスの場合、多くのチームが人数が少ないため、1−4年生まで同一のメニューになりやすいチームもあります。レベル別が非常に難しい。
コーチ自身も頻繁にフリーズをかけてすべてティーチングしてしまう人も多い。現社会人プレイヤーで学生のコーチをやっている人では多く見られる傾向にあります。ラクロスの場合コーチが週1回程度であとはすべて選手自身が行っていることが幸いしているように思います。おかげで選手自身が試行錯誤しやすい。
スモールサイドゲームのほうが個人的スキルの習得でも、チームコーディネイションの動きにしても、自発的な適応が起こりやすく転移しやすい。コーチはいかに抽象的なゲームの原則を設定し、スモールゲームにおける制約をコントロールする。
質の高い練習とはこういった練習のことを言うのだろう。
次回はトレーニングアイディアについて触れたいと思います。
読んでいただきありがとうございます。最近ラクロスの動画をYouTubeであげています。よかったらそちらもどうす。one play wlaxで検索してください。私自身は現在ラクロスのコーチとして活動しています。常に新しい学び先を探しております。もし、ラクロッサーの方で読んでいただき興味を持たれた方がいらっしゃいましたら声をかけていただけると嬉しいです。