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海外移住しますか?

今日は「海外移住」についてのお話。

海外生活20年ちょっと日本での生活20年ちょっとの私ですが、最近よく聞かれるのが....

「日本の将来は暗いですよね~ミケイラさんは海外移住を考えていますか?」

答えは NO & YES!

最近日本の未来は明るくない!という理由で海外移住希望の方たちとお話する機会がとても多いですが、そういう人達の多くは海外生活経験がまったくないか、少なくても長く住んだことがない人たちです。そして日本の未来は「暗い、暗い」というだけで、未来が明るくなるような行動はなにもしていません。 アメリカで感じるのは「個人」の力の底力。政治に国の未来を全て託すのではなく、「自分達のレベルで改善できることはすぐやろう」という姿勢は本当に素晴らしいと思います。

海外生活は独身で若く責任もなく健康なうちは最高。そしてそこの国の人と結婚すればそこで新しい頼れる家族も出来るのでまた状況も違うと思います。また、理数系の天才や音楽・アートの才能があるならアメリカやイギリスに行くのもいいでしょう。というよりそれらの国から真鍋先生のようにぜひ来てほしいと呼ばれると思います。ただ平凡・凡人なら日本は悪くはありません。離れてみると分かりますが、凡人にとっては日本は最高の国かもしれません。

海外は基本「大人」の国です。銀行の手続き一つとっても、あなたに億の預金がなければ窓口で日本のように丁寧に手取り足取り誰もあなたの面倒を見てくれません。なにをするのも全て「自分の責任」。大事な手続き事も、必要な書類はこれです、あれですと親切に誰も教えてくれませんし、人によっていう事も違います。「誰々に前こういわれた」と話すと「私はその時にいなかったから分からない」でおしまい....選挙時投票会場の受付で作り笑いでもにこやかに消毒済みのキレイに削ってある鉛筆を丁寧に渡してくれる国は世界ではまれです。

誰も頼れる親族や友人がいないこれらの国々で日本人夫婦が家族をもって、子育てをするとなると、これはもう本当に大変なことがたくさんあります。企業から海外に数年行く駐在員の場合は現地で全て面倒を見てくれる人たちがいますし、ロイヤルなKKさんたちのように特別に面倒を見てくれる人達が現地で現れることもあるかもしれませんが、一般人が個人で海外移住する場合、普通は空港に降り立った時点からサバイバル生活のスタートでしょう。

海外移住

第一の難関は病院!

海外で病気になると本当に不安で大変です。主人が腹痛でロンドンの病院にかかった時に忙しいからという理由で、朝まで激痛に耐えながら10時間待合室でほっとかれ、やっとドクターが対応してくれると思ったら専門じゃないから分からないと言われるなど、散々な目に度々あいました。イギリスでコロナが落ち着かないのは国民性もあるのではないかと思います。

アメリカの場合医療費が高額過ぎて、日本にいたらすぐ病院や歯科医に診察してもらうようなことも多少我慢するか薬局にお世話になるようになります。NYで夜中に歯が痛くなり、次の日歯科医に行くと、「すぐインプラントしましょう」といわれ車一台分ですか?というような目のくらむ治療費を請求されそうになったりと…。友人がマラソン中に倒れて病院に付き添った際、ストレッチャーをこれでもかっていうほど柱という柱にガンガンぶつけながら病室まで運ぶ看護師たちの悪気はないけれども大雑把な患者さんの扱いに、愕然としたのを覚えています。

ワルシャワで娘が転んで鼻の骨にひびが入ったかもしれない…などのことがあった時に、ドイツに行かないとはっきりしたことが分からないと言われた時にはめまいがしたことも。オーストラリアで乳がん検診を受けた時には再検査の必要があり、専門医までにたどり着くまで一般診療しかできないドクターに3回会いました。毎回「日本に帰った方が早くない?」と何度頭をよぎったことか。

もう外国の医療に関しては本を一冊書けます。

海外移住

第二の難関は老人になった時!

自分が40を過ぎて、ある程度65歳~老人寄りに近づいてきた年齢になったこともありますが、海外でボランティア活動を通して日系の老人コミュニティーの様々な問題にかかわった経験上から移住に関しては自分なりに思うことがあります。

どこの国でも感じたのは、老人になり、病気や痴ほうがなどが進むにつれ、まず最初に忘れていくのが、大人になってから学んだ第二言語。NYの日系人の集まりで、いつもご老人から聞いたのが、英語を母国語として育ってきていない方たちが英語をすっかり忘れて喋れなくなり、アメリカの老人ホームでの生活が大変なので、日本人用の老人ホームをつくって欲しい...というご要望。痴ほうなどのご病気になられていなくても、お年寄りになるにつれ英語を喋るのが面倒くさくなってくる、日本語の環境に囲まれていたい、日本食を毎日食べたい等々。

ちなみに日本人コミュニティーに比べて数もはるかに多くて団結力のある韓国や中国人コミュニティは現地に彼等専用の老人ホームが必ずありました。

そしてさらに痴ほうがすすみ、ご家族も誰もそこの国にいなければ、ご自分の運命はそこのスタッフに全て委ねなければなりません。日本でさえも不安なのに、これを海外でとなると...

言語と同じくらい大事なのがお食事。マクドナルドのファウンダーのレイクロックが「人間は基本10歳までに食べていたものが全て」というセリフがありますが、 LAやNYでも現地の老人ホームのお食事が口に合わないから、日本食を毎日出してくれる日本人用のホームをつくって欲しいというお話はよく聞きました。基本アングロサクソン系のお食事はあまり美味しくありませんし若い時はピザやカップケーキでも乗り切れますがお年を召されるとお味噌汁とおむすび!となってくるのでしょう。勝手な想像ですが、老人ホームで最もおいしいお食事がいただけるのはきっとバルセロナ、 トスカーナそして日本の気がします。

老人ホームとは関係ありませんが、お食事つながりでアメリカの出産について...NYでママ友が出産する度に驚いたのは入院期間の短さと病院食の内容。産後2日目には退院・入院は基本2泊3日。そして最初のお食事に思いっきり身体を冷やすアイスクリーム、甘すぎて驚くフレンチトーストやお皿からはみ出てるステーキ。胃袋が丈夫でないと乗り切れません。

また、国際結婚して海外移住した場合、やがてお子様が育ってご夫婦二人だけになり、ある程度お年を召されると、それまではお互い気を使って、価値観や文化の違いも乗り越え、お互い片言の英語や日本語を理解しながら、なんとなく会話してきたが、年老いていくにつれお互いそれをするのもさえ面倒になり、男女ともあっさりと別々の道へ…などという体験談もよく聞きました。

基本老人になると男女共に「わがまま」になってしまうのは万国共通ですね。

そして何より、日本で育ち大人になってから海外に移住された方たちが80歳を過ぎてくると共通しているのは、とにかく「日本」を美化すること。日本が嫌いで海外に新天地を求め、現地で成功していたとしても「日本」は故郷で大好きだというふうに変わってきます。会うたびに「日本」の話をし「日本人」に会うのを楽しみにし始め、「日本食」をこよなく好み始めます。そしてお墓は日本の方角に作ってほしい、亡くなられたら日本の海で散骨して欲しいなどという思いをお持ちの方も。

ただ、最初にNo&Yesとお答えしたのは…

もしも娘と将来一緒の国に暮らせるのであれば海外移住もありだと思います。親族・家族・親友のいない土地で主人だけ残る、または私だけ残ってしまうと片方がその国で独りぼっちになってしまうので....経験上、やはり家族がその国にいるのといないのではまったく状況が違います。それに、やはり最後は家族の手を握ってこの世を去りたいので。

そして、唯一主人がいなくなった後も娘がいなくても一人でも生きていける海外移住先は、あり得る場所として考えられるのは、今はハワイくらいでしょうか?もちろん40,50年後既に中国人だらけになっているかもしれませんが、今のところ日本人対応もばっちりで日本語OK、お食事も日本食を出してくれる老人ホームがあるそうです。 シンガポールも親友家族さえいてくれれば大丈夫な気もします。ただ、両方とも物価が日本に比べてとても高いので、少なくても自分に数十億以上の資産があればの話ですね…

ちなみにですが、私の周りにいる富裕層は海外移住ではなく、ベースは日本において、ハワイ、ニューヨーク、シンガポール、オーストラリアなどの国々に不動産を多数持ちながら、気が向いたら好きな時にそれらの場所で過ごすというライフスタイルです。経済的に可能であればこれが実はベストな気もします。

我が家の13歳の娘にはいつでも日本を出られるように、そしていつでも帰ってこられるようにしておきなさいと話しています。彼女の国籍は日本でパスポートも日本ですから。自由に出入りしていいのは好きでも嫌いでも今のところ世界中にこの国しかありません。

私たち夫婦は娘が大人になった時、困難なことに対峙する際には国に全て頼ったり、責任転換や人任せではなく、自分「個人」が今出来ることはなにかというメンタリティーと行動力をつねに持ち合わせて欲しいと思いながら、日々彼女に接しています。

今回は最近よく聞かれる「海外移住」について私の思いを書いてみました。

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