オンラインセミナー「今から備えるインバウンド戦略」をレポート!~Part.2「タイ・台湾・オーストラリアの訪日メディア担当者が語るインバウンド戦略」 ~
皆さん、こんにちは!
リングフィットアドベンチャーに今更ハマり、軽い運動で全身筋肉痛になっている佐々木です。
先週に引き続き、先日29日(水)にインバウンド復活記念セミナーとして「今から備えるインバウンド戦略」を開催した様子を皆さんに
お届けしたいと思います!
今回はタイ・オーストラリア・台湾の最大訪日メディアを運用する
スペシャルゲストを迎え、今後インバウンドが再開するに向けどのように
復興させていくのか、マーケティングのアプローチ方法がコロナ前と
どう変化しているのかをお話いただきました。
上記市場の訪日トレンドがまとまった内容となっているので、
セミナーを見逃した方もぜひチェックしてみてくださいね^^
オンラインセミナーPart.1の紹介はこちら:
タイ編:
鈴木啓太(すずき けいた)氏
株式会社アジア・インタラクション・サポート 取締役
2020年に観光庁「広域周遊観光促進のための専門家」、2021年に東京都観光財団「東京都観光街づくりアドバイザー」就任。大規模なタイ人調査データを活用し、自治体や企業のタイ人向けのデジタルプロモーション支援を行い、訪日タイ人向けでは最大級のメディア「Chill Chill Japan」を運営。自社運営旅館「京町家楽遊」が高評価の外国人口コミを獲得したノウハウ、実体験に基づくOTAやGoogle MAPの活用に関する観光事業者向けセミナー等の依頼を全国から多数受けている。
海外旅行の需要が高まるタイ市場
最大級の訪日タイ向けメディア・ChilChil Japanを運営する
アジア・インタラクション・サポート株式会社代表・鈴木さんによると、
1日平均2万人くらいのペースでタイに海外旅行客が来ていることから、
タイ人の海外への旅行ニーズが高まっているそうです。
今年に訪日意向のあるタイ人に実施したアンケート調査では、
93.4%の人が日本の最新旅行情報を必要としていると回答。
その中でも、日本の最新情報やコロナについての情報を求めている方が
約半数おり、旅行の検討層が一定数以上いると推測できます。
客数より客単価をどれだけ上げられるか
アンケートによると、コロナ後訪日旅行を検討している人の約8割以上が
以前より長期での日本滞在を希望しており、よりお金を使いたいと
回答していることが明らかになりました。
これらの傾向から、以前はいかに客数を稼ぐかに注力する自治体様が
多い印象でしたが、客数だけでなく客単価を稼ぐ重要性が高まると
鈴木さんは話しています。
その地域ならではのストーリーや食への関心が高まる
では、アフターコロナでは具体的にどのような旅を求めているのか?
調査の結果、タイではメジャーな観光スポットへのニーズが
下がり、まだ海外ではマイナーな地方の観光スポットへの関心が
増えているそうです。
以前は東京や大阪、京都などゴールデンルートへの関心が高かった
タイですが、最近は上記に加え銀山温泉や姫路城など、
地方の観光スポットに行きたいという声が増えてきているとのこと。
また、最近では農泊や食、ガストロノミーツアーなど、
その地域ならではの食や地域のストーリーを知ることができる体験への
注目が高まり、タイ国内では既に農泊ブームになりつつあるのが特徴です。
しかし、日本の農泊体験の商品を取り扱っている現地の旅行代理店は
まだ無いそう。そのため、タイ向けにプレゼンを行っていくことで、
需要が大幅に伸びる可能性が高いコンテンツだといえます。
以上の傾向から、ただ情報を発信するのではなく、
タイ人がどんな情報を求めてるのか・実際に来ていただくけるコンテンツを造成していくことが大切だということが明らかになりました。
台湾編:
次に、年間閲覧ユーザー数1,300万人の訪日向け台湾メディア・ラーチーゴーを運営する萬歳様に、日本の注力市場である台湾の最新動向を伺いました。
・萬歳昂大(ばんざい たかひろ)氏
2017年より営業部長として、全国各地、施設の繁体字圏域向け誘客プロモーションやデジタル施策を支援。観光庁:インバウンド地方誘客促進専門家
繁体字圏向け訪日観光情報WEBメディア「ラーチーゴー!日本」の営業責任者として、日本全国100を越える企業、 自治体、観光協会、の誘客プロモーションを支援。
「コロナの感染者がまだ落ち着かない中で何を発信するべきか」
この疑問に対して、台湾ではコロナ情報よりも
最新の観光情報を求められていると話されています。
根本的な訪日に対するニーズは変わらないが、
そのバリエーションが増えている台湾市場
では、台湾の観光ニーズはどう変化しているのか?
元々日本食、自然、四季が人気な台湾ですが、
根本的なニーズはコロナ前と変わらず、
それらのバリエーションが多様化していくと予想されています。
例えば、台湾現地の旅行会社によると、日本最大の赤レンガのアーチ橋
「碓氷第三橋梁」や「高野山」「阿字観瞑想」など、
アフターコロナではよりアウトドアや自然の魅力に焦点を当てたものが
観光コンテンツとして拡充される見込みがあるそうです。
地方だったらどこでも良い、というわけではない
将来の都市部以外のエリアを訪れたいと回答の割合が一番高く、
旅行経験回数としても10回以上と回答する人が4割を占める、
超リピーター層である台湾旅行者。
しかし、地方だったらどこでもいいというわけではなく、
選ばれる地域にはある傾向があると話されていました。
JNTO株式会社の2022年の調査によると、まだ行ったことがないが
いつか行ってみたい県として多数挙げられたのは、
青森、熊本、秋田、鹿児島、山形、静岡。
これらの県が挙がっている理由として、特産品の輸出を行ったり、
震災やコロナで打撃を受けたとき、互いに助け合う関係を構築したことで、友好関係を築いているという背景があります。
地方であればどこにでも行きたい、というわけではなく、
わざわざ来てもらうための王道のストーリー、そしていかに旅行客を
歓迎しているという姿勢をお伝えできるかが重要となります。
オーストラリア編:
最後に、オーストラリアの訪日メディア・JAMS.TVの遠藤さんに
オーストラリアの最新動向について伺うと、オーストラリアでは
既に海外旅行をする人が動いており、いかに迅速に情報発信を
していけるかが重要になると話されています。
・遠藤烈士(えんどう つよし)氏
福岡県出身。1995年4月渡豪。シドニー大学中退。2001年豪州国内初となるストリートダンススタジオの設立に携わり経営を行う。現役引退後はデザイン会社、クラウドシステム会社、留学サービス会社等を設立し経営に携わる。
2018年より現地メディア運営・訪日観光プロモーション業を行うJAMS.TV社の取締役に就任。プロモーションやイベントの設計から集客までを中心に、日豪の架け橋として活動中。
他国に比べ、情報発信量が圧倒的に少ない日本。
プレゼンスを高めるために、いかに情報発信できるかが鍵
2月22日には国境が開き、現在月間75万人が海外に渡航している、
オーストラリア。
なんと海外向けの旅行支出はコロナ前の水準を超えており、
海外旅行へお金を使う人が増えている傾向にあるそうです。
しかし、日本の情報発信量が圧倒的に他国と比べ少ないという遠藤さん。
オーストラリアで旅行のプロモーションイベントの設計や
集客も行う遠藤さん。
現地のフードEXPOでは世界中からブースが出店されるなか、
日本から参加していたブースはたった1社のみだったそう。
日本の情報を探している方が多くいたものの、
情報が無いため諦めて他の国のブースに来場者が流れており、
かなりの機会損失になっているのが懸念だとおっしゃっていました。
求められるのは、知的探究心が満たされるサステナブルな旅
自然が多く、国民の自然保護への感度が高いオーストラリア。
観光局でもサステナブルな旅を推進しており、
シュノーケリングしながらマンタなどの海洋生態を学ぶなど、
簡単なアクティビティを体験しながら知的学習ができる、
高付加価値の旅を求める方が多いのが特徴です。
また、オーストラリアのアフターコロナの旅行トレンドとして、
旅行の目的がはっきりと明確になっており、
到着してから決める人が少ないのが大きな特徴です。
また、ゴールデンルートやダイヤモンドルートの
人気が根強いオーストラリアですが、
今後日本のまだ観光地化が進んでいないような地域を
開拓したいという、ニーズも増加傾向にあると遠藤さんは話しています。
旅の目的として選ばれる地域になるために、
①訪れた場所でしか得られないその地域ならではの学びや体験を
徹底的に磨き上げる
②目的と対象を明確にし、行きたい、買いたいと思わせる
マーケティングを設計する
上記2点をどれだけ徹底的に考え抜けるかが、
オーストラリアの大きな差別化ポイントになると言えそうです。
まとめ
アフターコロナにおける訪日旅行のトレンドとして、
地方への注目度が大幅に高まっています。
3人のゲストの話からにもあったように、
旅行客に選ばれる地域になるためには、
各エリアに合わせた訴求・差別化を意識した情報発信をしていくことが
重要になってきます。
ビヨンドでは定期的に最新インバウンド情報やデジタルマーケティングに
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