かさぶた
ひっかいたら、血が出た。
「かさぶた」っていいですよね。
漢字で書くと瘡蓋。
そこまで難しい漢字ではないものの草なぎ剛のようにあえてひらがなで書かれているのは、かさぶたのもつ老若男女だれしもが通る身近さ、何かの例えとして使う場合のことばとしての奥行き、音としての柔らかさ、などがそうさせていると勝手に感じています。
「そばかす」もかさぶたほど万人のものではないにしても同様かもしれません。カスとか言っちゃってますけど。あっけどブタとも言っていますね。
それはさておき何気なくひっかいてしまった瘡蓋からにじむ血を眺めていると、『金色のガッシュベル!!』のOP曲を筆頭に記憶や成長などの隠喩として歌詞にもよく使われることばの魅力があいまってなんだかストーリー性を感じて面白そうだったので、ググって一発目にでてきたページをなめる程度に調べたりなんかしていました。
ちなみに僕は『はたらく細胞』については白血球がイケメンらしいというくらいしか情報がありません。
ケガをしてからのかさぶたができる流れを簡単にいうと、
ご主人様のケガを察知した血液中の血小板が奮起し、仲間を呼びながら自分ごと固まることで傷口の接着をし、仮の止血をします。
しかし本来体の中にいた血小板たちは、止血のために空気に触れることで破壊されてしまいます。
それでもタダでは終わらない血小板はその際たくさんの子を残します。
それらが同じく血液中の普段授業中ずっと寝ているだけのような存在のたんぱく質やカルシウムなどの仲間たちと手を取り合うことで大きな「おもち」となり、傷を覆います。
その体の外で乾いたおもちが「かさぶた」ということらしいです。
どうでしょう、体を張って宿主を守り、壊れてもなお次世代に未来を託すなんてなんだか健気でかわいいじゃないですか。
かわいいついでに『はたらく細胞』での血小板を検索してみると、これまたかわいらしい園児がモチーフのキャラクターが出てきました。
日本人はつくづくどうしようもないヘンタイさんですね。