【観劇記】ミュージカル『衛生』〜リズム&バキューム【多分ネタバレなし】
『衛生』@ACTシアター
糞尿に塗れた話かと思ったら、思ったより塗れてないな、むしろ心の汚い人間の強さと清々しさに溢れてるなと油断して観てたら、やっぱり糞尿に塗れてました。
なのに、最後の爽快感は何なんだろう?それは多分、主人公の諸星親子が徹頭徹尾ブレてないからなんだろうなぁ!
途中、暴力描写や性描写がきっついとこもあるけど(私は大丈夫なやつ。むしろ、当時のリアルな息吹を感じた)、それなのに清々しい。
この作品、女に暴力振るうけど、女も男に容赦ないし、おあいこ。
子供に性的悪戯や暴力を振るうシーンがなくて良かった(ちょっとした脅しはあったけど)です。こればかりは、私がガチで苦手な事なので、まさかまさかとドキドキしてたけど、対象が全員大人だったのでひと安心です。ホッ。
いやいや、安心する内容じゃないんですけれども(笑)。
あと、先日観た『アトランタ・ブギ』と変わらない古田さんにゾクゾクしましたね。オールバックに、いつも以上に強調された吊り眉で、スーツを着て、性欲全開で最高だし、傍若無人っぷりなとことか、回りながらの裏拳とか、ちょっと久しぶりにフランクも思い出したりして、惚れ直しましたね。
尾上右近さんは、やはり歌舞伎役者独特の声が、色気のある悪役にピッタリで、フランクやりませんかね?とか思っちゃいましたね。脚が美しかったんですよ!
そして、善人より悪人が観たい!
※フランクが好きなんで、カッコ良さの基準がフランクなのはお許しを。
女優陣ではともさかりえさんが、カッコ良かったんです!自分を貫き通してて、手段を選ばない姿が、本来は滑稽であるはずの手段も「天才かよ…」と思ってしまいました。長い手脚を活かした振り付けも素敵でした。
初めて見た咲妃みゆさんは、美人でスタイル良くて歌も上手くて、素敵だったので、早速調べたら、元宝塚の女優さんだとわかり、納得しました。
私、元宝塚の女優さんを好きになる事多い気がする。現役の時はあまり観ないけど、退団してから知って好きになるパターン。
閑話休題。
ひとつ残念なのは、数曲フェイドアウトの曲があって、ちょっと不自然な数秒が2度ほどあったんですよ。ミュージカルにフェイドアウトは向かないと思いました。
全編通して楽曲が良かったので、それがほんと残念でしたね〜。
一緒に踊りたくなる曲があったけど、このご時世で大人しく拍手するだけだったので、消化不良です。一緒に踊りたーい!
踊りといえば、air:manさんの振り付け振り付けがめっちゃカッコいいんですよ!
ずっとうんこの話なのかなと思ったら、うんこうんこ言うのは主に冒頭で、その後は話の根底に汲み取り業者であった事が描かれてる感じなので、あんまりうんこと言わなくなってました。
それでもこんなにうんこうんこ連呼してる大人を見る事はあんまりないなと思いながら見てました。
〈まとめ〉
うんこが生み出す錬金術。
それを生業とする親子はクソみたいに悪いし、関わる人間全てがクソでクズかと思ったら、その中に隠れていた「愛」に気がついて愕然とするも、その瞬間にクソもクズも結局はみんなうんこするんだという事にも気がついて、ああ結局うんこ塗れの話なんだなと笑って劇場を後にしました。
全然まとまってねーよ!(笑)
じゃあ、わかりやすく言いますね。
戸梶圭太とか、狂ってる方の平山夢明さんとか思い出しながら見てました。
全然わかりやすくねーよ!(笑)
以上、ラストは一瞬身構えたBettyの感想でした。