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晴る/ヨルシカのレビュー

 どうもべっちょです。

さて、新年一発目のnoteは今日(昨日)解禁されたヨルシカの「晴る」の簡単な感想とレビューやっていきますか。


葬送のフリーレン見てないからそことリンクしてるかどうかは知らん。曲としてのレビューだけ。


■サウンド面

・いつものヨルシカより抑揚は少し激しいけどシンプルなヨルシカサウンド

ギター…イントロとメロでは小節頭でハネて、サビでは8分音符の単音メイン(一部は最後4分音符の7音)から高音連打(もうこれn-bunaさん手癖になってる気がする)。俗に言うクランチサウンド(サビ以外のリフは少しワウ入れてるっぽいけど)。2番サビ後のアルペジオ側(サイドギター)もハネてて凄く気持ちよく、その上のソロを引き立てている。全体的にn-bunaさんの趣味かつ「ヨルシカ感」。

ベース…サビ前と2番から目立ち始める…んだけど、かなり最低限の音数。これ、アタック音もかなり消してる。いわゆるウッドベース的なサウンドセッティング。常々思っていたsuisちゃんの声とベースのアタック音がぶつかる問題が無いので非常によろしい。これフレットレス?

ドラム…手数は多くない(打ち込みなので手は無いが)。まあ、この系統でドコドコやられても困るわけだが…
メロはスネア主体でサビはシンバル主体。ってか1番のメロ部でシンバル9回しか叩いてないよね?(いや、打ち込み音源相手に「叩く」って表現もおかしいんだけれど)
(※2024/1/6/14:51 コメントでのご指摘で、ドラムは生ということが解ったので、その部分を残したまま取消線で取り消します。)
サビでも他の楽器を苦もなく聞き取れるレベル…というかギターの方が聞き取れる。これが「ヨルシカ」である。低音域疲れの人にマジおすすめ。

ピアノの音が一音だけあるんだけど、そこは未成年も読む記事なので解説は控えます(歌詞の段で説明してしまうので意味ないが)

アウトロで楽器隊の音がなくなるのが割と最高です(後述)。

楽器側は総じてシンプル。本当にシンプル。日本音楽的と言えば良いのかな?ジャジーな部分(特にソロ)もあるんだけど、俗に言う「引き算の美学」を感じる。そして使っている音調と進行はヨルシカでかなり聴いたことありますね(パレードは結構近いと思う)。でも新鮮味あるんだよな…


■suisちゃん面(歌詞のレビューだから厳密に言えば「詞の面」なんだけどsuisちゃんがヤバいので)

・成長が止まらない

「吐く側のブレス」の使い方が更に向上している。これにより「名残」と「感情の吐露」を表現しているんだけど、歌詞にピッタリハマってる。
んで、当然「吸う側のブレス」も表現力が上がっていて、「待望」の部分が引き立つ(特に「晴るを待つ」の部分)んだけど、ブレスだけで感情表現する能力の飛躍的な向上によって、「ヘッドホンで聴く時に耳元で囁かれている気分になる」ので、アウトロの楽器無しのsuisちゃんの声がゾクゾクしてヤバい(このフェティシズム伝われ)。これは有線ヘッドホンで聴いて欲しい。suisちゃんと一緒にカラオケ行きたい(やめろ)。
逆に言えば、これがあるからブレス無しの部分の「説得力」が増している。

歌詞面での俺の解釈としては「晴る」と「春」のダブルミーニングだと思うんだが(むしろそれ以外無いでしょ)、これ、季節は当然「春(実はこれ単独でもダブルミーニングなんだけど、ヨルシカの記事は未成年も多く見るのであえて説明しません)」なんだけど、降ってる雨は「花の雨」だろうね。この季語だけでここまで膨らませるのもn-bunaさんのセンスなんだけど、「ビードロ(これはトリプルミーニング)」をあえて夏の季語ではなく「青空」の代名詞として「ガラスの古語としてのビードロ(板ガラスは晴れると青く見える)、目の「硝子体」」、そしてサビ前で1音だけ出る鍵盤の音は「ポッペン」としてのビードロの音(つまり雨が降り始める時、水面に雨滴が落ちた時の音)を表現していると思う。脱帽。「海」は「海」と言っているからね。
「青」を表現させたらn-bunaさんの右に出る者は居ないんじゃないかな…すげぇよ…

そして、「晴るを待つ」は俳句や和歌でよく使われる「待ち人」を捻ってるだろう。

ここまで分解して初めてわかるんだけど、この曲の本歌は「きみ恋し おぼろ月夜に 濡れつきぬ 一人慰め 女せつなや」ですね。孤独な女の心境を著したことで有名な与謝野晶子の情歌ですね。学校で習ったけど、学校で教えていい内容じゃないだろ!オナニーだぞ!(言ってしまった)
つまり、「雨滴」も別の意味で捉えられますね(生々しすぎるからこれ以上言わんとくわ)。

まぁ、n-bunaさんに「春」の歌を作らせたらこうなるんだわ。

逆に、分解しない限りは分からないし、分かったところで題材的に問題ないわけだが。与謝野晶子の「名歌」なので。

…これをsuisちゃんが歌ってるんですよ…


■総評

まず俺が心配しているのは…歌詞聞き間違えてないよね!?(歌詞サイト見てない)
いや、「晴るを待つ」が自信なくて…(なら歌詞サイト見ろよ)n-bunaさんのことだから曲の展開的に「春を待つ」ではないと思う(だから歌詞サイト見ろよ)

「タイアップ物なのでTVサイズの曲にしてくれ」ぐらいのリクエストはあったんだろうけど、全く以て制限を感じさせないというかすり抜けているというか…「エルマ」に入ってても全く違和感が無いレベルなんですが。

改めてヨルシカって凄いですね…


■おわりに

こう…耳にスッと何の抵抗もなく入ってきて、全身を優しく巡っていくタイプの曲を作るのって難しいんだけど、n-bunaさんそういうの作りすぎやろ。やっぱ天才だわこの人。
そしてsuisちゃんの表現力が上がりすぎて逆に怖くなってきたわ…
n-bunaさんが「ヨルシカ」として出す曲を作って、suisちゃんがその期待を超えてくるのを何曲も聴いてるけど、今回はいつも以上にそれを感じさせられる曲でした。今後も期待しか無いですね。

ではまた。







ヨルシカファンを敵に回さないか不安だけど、俺だって大概こじらせたヨルシカファンだからな!許せ!

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