フリクションポイントノックの多色軸化考察/あるいはシナジーチップとの和解(2021年に書いたのを元に2023年12月25日に大幅な追記修正、アップデートして改めて単独記事化。クリスマス当日に何やってるんだ俺は)
どうもべっちょです。
今回は
これのアップデート版です(時の流れで色々変わったので)。
■フリクション否定派だった頃
・嫌いだった理由
そもそも自分、フリクションが大っ嫌いだったのです。
理由は
①そもそも消すぐらいならボールペン使うなよ(フリクションのレーゾンデートル否定)
②色が薄い
③書き心地が最悪(特にフリクションポイント)
④掠れが頻繁に発生する
⑤ノックがクリップ部って…
この5つが主です。
■筆記環境の変化による時代の要請
嫌い「だった」ということは、自分とフリクションの間で和解フラグが立ったということです。
・俺降和睦会議調印内容
①消すぐらいならボールペン使うなよ→
紙のスケジュール手帳に予定を記入した後に変更することが月に何度も発生するようになった。特にここ4年ほど顕著。
②色が薄い→
フリクションポイントノックの登場と、齋藤式3色ボールペン活用術を採用したことにより、黒を使わなくなったので解消(これが一番大きい)
③書き心地が最悪
④掠れが頻繁に発生する→
フリクションファインライナー、フリクションポイントノックの登場により解消(ファインライナーは立ちながらメモを執る際の福音となった)。
フリクションポイントは置いてきた。あいつはこの戦いについていけそうもない…
⑤ノックがクリップ部って…→
これはもう三菱さんの特許切れるのを待つしかないし、慣れました。アフォーダンスを特許として認めるのはどうかと思うけど、これを発明と特許庁が言うのだから仕方ない。
■シナジーチップとのシナジー
・俺の手帳メソッドの模索と確立
で、ファインライナーは別ジャンル(あれはメモとカレンダー用です)として、ポイントノックですよ。
最初は「ジュースアップの0.3はガリガリするからなぁ…」と、シナジーチップそのものにネガティヴな印象を持っていたのですが、ネットを見ていたら綺麗に書いている人が何人もいたので、ジュースアップの0.5とポイントノック04のブルーブラックを20°程傾けて弱めに筆記して(多分これ大事)比較してみたところ…
色の違いがわからないレベルで濃くて驚愕しました。そして、0.3ではなく0.5ならジュースアップも1軍レベルで登用出来ることが判明しました(ログノートに欠かせなくなっています。あと0.3のコーンチップ以外のゲルは俺には無理でした。ハイテックCは昔から0.5でも無理です)。
これにより、スケジュールの予定はフリクションポイントノックで3色、完了分はジェットストリーム4で書き直しというメソッドが確立しました。メソッドとしては「齋藤式3色ボールペン情報活用術」を軽くカスタムしたものになります(金銭関係は緑、体調関係(通院含む)は赤、プライベート予定は青)。
学習にも使えるので、文庫サイズの中古本買うのがおすすめです(この本自体を3色ボールペン情報活用術の練習として使ってみて下さい)。
訃報は黒って決めてたのですが、2023/12/9に初めて使いました。
→スケジュール完了分はジェットストリーム4からジュースアップ4にアップデートしました。「あの」ジェットストリーム4を抜いたということは、俺が慣れたのとシナジーチップのポテンシャルを引き出せているからですね。
■パイロットさん、早くしてくれませんかね
・ペンケースの圧迫
ただ…皆さんも切望しているはずです。
フリクションポイントノック3or4の登場を(ジュースアップ4が出た今なら尚更)。
今回は何故実現しないのかをキャッキャと邪推しながら考えていきましょうか。
・ノック部が…
→多色だから関係ないし、そもそも普通のフリクションボール3とか4は出ている。
・インキの出が…
→ふむふむ。
・パイロットさんはコーンチップのハイテックCコレト出しているんだし出せるでしょ?
→うーん…
・そういえばジュースアップも出るまでに時間かかったよね
→そ れ な
つまり、何が考えられるかというと、
シナジーチップのゲルインキは多色化が難しい。
と言うことです。
コーンチップ、パイプチップ(ニードル含む)、シナジーチップそれぞれの違いは
この広告(とは言うものの本質を衝いた)記事を参照してください。
・フリクションインキの特性
要約すると、
・コーンチップはノック式にも多色にも向いているオールラウンダー
・パイプチップは細くしやすい代わりにノック式には向いていない。
それらに対してシナジーチップは「インキフローが良いし細くしやすいのでノックでもキャップでもいける」ということなんですが…
ここで落とし穴というか、ジレンマがありまして…
「ボールの手前の気室(この場合は液室)が大きいので、多色化してインキタンクが曲がり、後ろからのインキ供給量が少なくなるのでフローが悪くなる(蛍光やメタリックはフローが追い付かなくなる前に供給されるぐらいに遅く書くことが多いタイプのインキというか、そういう立ち位置の色(主にデコ用途)なので問題になりづらいと思います)」
これがシナジーチップ多色ペン化を妨げている大きな要因の一つとなっていると邪推しましょう。
→そして、これが解決したとしても、
「インキフローが良すぎてインキの減りが早い(ゲルインキボールペンの運命)」→ジュースアップはこれを甘んじて受け入れた。
→フリクションインキの場合、一つ一つの顔料が入っているカプセルが大きいので更に減りが早い。
「な、ならインキタンクを大きくすれば…」→一応JIS規格あるし、規格外品を作るにしてもペンそのものの直径ヤバくなるわw
「ならジェットストリームエッジ3みたいにオフセット…」
→おいやめろパイロットと三菱鉛筆にまた紛争させる気か(特許出ているか調べたけどジェットストリームエッジ芯の特許しか見つからなかったので紛争案件になるのかわからないけど)
んで、多色化するという取り組みはほぼ間違いなくパイロットコーポレーション、パイロットインキ両社で行われていると思うんです。
そして、上述全てをクリアしたとしても避けて通れない壁が
・デザイン
ですよ。
ジュースアップとフリクションポイントノック04で口金の形が違うのは周知の通り。通常の円錐型のジュースアップと、そこから先端に向けて一段絞ったフリクションポイントノック04(長いなこの名前)では、後者の方がペン先の視認性が良いので採用する形はそちらだと思うんですけど…
あの、多色ペンでそれをやるとプラだとヒケが問題に、金属だと加工精度とコスト、設備が問題になるんですね。
そして、ジュースアップ、フリクションポイントノック04共通の問題として
「直線を組み合わせたデザインと機能美の昇華」
ですよ。
双方クリップ部以外は直線、クリップ部は一部有機的な曲線というのは共通しているので、コンセプトは崩したくない。
かといって、ゲルを多色化するとペンの直径が13㎜以上になるのは避けられない。
左が現行の単色を適当に描いたやつ、右は多色の案(ペン先は適当)。バランスの悪さが凄いけど、シナジーチップの見通しの良さを活かすにはこれしかないような気もする(ジュースアップ4を2年常用してみて(発売日翌日に買ったので)、シナジーチップ単体で見通しの良さが立つことが使ってその日にわかったのでここは問題無いということが判明)。
これは恐らく無理。グリップも一体で作らないといけないから更に難しいんですよね。(ジュースアップ多色は中身の部材スーパーグリップ多色と同じで出た。多分これが出来ないからフリクション多色が難航している(JIS規格的にも問題)。)
一番の妥協策は
「ハイテックCコレトのように細い替え芯を使う」
だと思うんですけど、そうするとフリクション芯とジュースアップ芯の見分けが外部からわからなくなるし(今もそうだけど)、めっちゃインキ減るの早くなるから避けたい(ジュースアップ4のインキの減りはえげつない)。
というように、あちらを立てればこちらが濡れ…立たずで、かなり試行錯誤をしているはずです。
では「フリクションポイントノック多色」は出ないのか?という部分ですが、
将来的に絶対出ます。
なぜこれほど断言できるかというと、冒頭のフリクションと自分の和解にあった
「齋藤式3色ボールペン活用法」の後に出た「3色ボールペンで読む日本語」(ともに齋藤孝氏著)に「FEED GP3」が付いてきたんですが、これが「赤青緑の3色油性ボールペン」なんです。
これね。
これ以降もハイテックCコレトで黒以外を入れる自由度が上がるという取り組みもしていますし、市場の要請も絶対にあるので、開発に取り組まない選択は存在しないということになります。
そして、ジュースアップ3、4は2021年の年末に出ました。シナジーチップでも多機能ペン化出来るということです。
■何としてでも出して欲しい理由
・ペンケースペン内のスリム化
本当にこれに尽きます…
フリクションポイントノック04の赤青緑だけでペン3本分占有しているんですよ…マジキツいって正直…
ハイテックCコレトぐらい替え芯細くなって構わないので(替え芯1本ずつ持っても)、ペン先の摩擦だけに注力して開発していただいて全然構いません本当にお願いします…
それにしても、フリクションポイントノック04の多色化を妨げている(と邪推している)問題が「ペン先とペン軸の摩擦(Frixion)」っていうのも皮肉な話ですね(うまくシメたで!)
■おわりに
2021年4月にこれの前段を書いてから2年8ヶ月(現在2023/12/25)、フリクションの方はまだ出ねぇ!あと2021年の記事、ちょっと俺フリーダム過ぎるだろ!
出すつもりがあるのか不安になってきたけど、どう考えても市場の要請は確実にあるので開発が難航しているとしか考えられない。サーモクロミックインキ(パイロットではメタモカラー®️)の研究は60年以上行われているので、ポイントノック04でのブレイクスルー(枯れた技術の水平思考の多岐に渡る組み合わせ)と似たようなことが起きないと難しいのかどうなのか…ポイントノック04でのインキ配合によってフリクションボールノックゾーンの黒さが可能になったと思ってるので、やっぱり逆は難しいのかもしれない。
出し惜しみをしていることはあり得ないと思うので(寡占市場で出し惜しむ意味がない)、パイロットさんとパイロットインキさん、発売を心よりお待ちしております…
そして、今回の改訂で全ての「インク」を「インキ」にしました。「インキフロー」なんて初めて書いたけど…
ではまた。
(何故か未だに元記事ビューが多いので、内容を2023年仕様に大幅に追記修正アップデート(ジュースアップ3、4出てるから)して、これも単独記事にします。)