見出し画像

フリクションポイントノックの多色軸化考察/あるいはシナジーチップとの和解

※この記事の改訂版を2023/12/26に公開しました。

ジュースアップ多色が出ても加筆修正などもしていなかったので、改めて書き直しましたので是非改訂版もご覧ください。


 どうもべっちょです。

今回は「何故ジュースアップとフリクションポイントノックの多色が出ないのか」の考察を

珍しく大真面目に

やっていきたいと思います。

そもそも自分、フリクションが大っ嫌いだったのです。

理由は

・そもそも消すぐらいならボールペン使うなよ
・色が薄い
・書き心地が最悪(特にフリクションポイント)
・掠れが頻繁に発生する
・ノックがクリップ部って…

この5つが主です。

嫌い「だった」ということは、自分とフリクションの間で和解フラグが立ったということです。


・消すぐらいならボールペン使うなよ
→紙のスケジュール手帳に予定を記入した後に変更することが月に何度も発生するようになった。特にここ2年ほど顕著。

・色が薄い
フリクションポイントノックの登場と、齋藤式3色ボールペン活用術を採用したことにより、黒を使わなくなったので解消(これが一番大きい)

・書き心地が最悪
・掠れが頻繁に発生する
→フリクションファインライナー、フリクションポイントノックの登場により解消(ファインライナーは立ちながらメモを執る際の福音となった)

・ノックがクリップ部って…
→これはもう三菱さんの特許切れるのを待つしかないし、慣れました。アフォーダンスを特許として認めるのはどうかと思うけど、これを発明と特許庁が言うのだから仕方ない。


このように、初代のフリクションから10年以上かけてお互い歩み寄った結果、フリクション(ファインライナーとポイントノックのみ)と和解したわけです。フリクションイレーサーが使いやすいのも良いですね。

で、ファインライナーは別ジャンル(あれは本当にメモ用です)として、ポイントノックですよ。

最初は「ジュースアップの0.3はガリガリするからなぁ…」と、シナジーチップそのものにネガティヴな印象を持っていたのですが、綺麗に書いている人が何人もいたので、ジュースアップの0.5とポイントノック04のブルーブラックを20°程傾けて弱めに筆記して(多分これ大事)比較してみたところ…

色の違いがわからないレベルで濃くて驚愕しました。そして、0.3ではなく0.5ならジュースアップも1軍レベルで登用出来ることが判明しました(ログノートに欠かせなくなっています。あと0.3のコーンチップ以外のゲルは俺には無理でした)。

これにより、スケジュールの予定はフリクションポイントノックで3色、完了分はジェットストリーム4で書き直しというメソッドが成立しました。

ただ…皆さんも切望しているはずです。

フリクションポイントノック3or4の登場を。


今回は何故実現しないのかをキャッキャと邪推しながら考えていきましょうか。


・ノックが…
→多色だから関係ないし、そもそもフリクションボール3とか4出ている。

・インクの出が…
→ふむふむ。

・パイロットさんはコーンチップのハイテックCコレト出しているんだし出せるでしょ?
→うーん…

そういえばジュースアップも多色出てないよね
→そ れ な

画像5

そういえばコーンチップのジュースも多色ボールペン出ていないね(ってかジュースの1世代前感がすごいね)。

つまり、何が考えられるかというと、


シナジーチップのゲルインキは多色化が難しい(蛍光とかメタリックのハイテックCコレト芯でシナジーチップが出ているのは知っていますけど、黒赤青緑はいまだに無いはず)。


と言うことです。


コーンチップ、パイプチップ(ニードル含む)、シナジーチップそれぞれの違いは

https://www.buntobi.com/articles/entry/stationery/010277/

の広告記事を参照してください。

要約すると、コーンチップはノック式にも多色にも向いているオールラウンダー、パイプチップは細くしやすい代わりにあまりノック式には向いていない。
それらに対してシナジーチップは「インクフローが良いし細くしやすいのでノックでもキャップでもいける」ということなんですが…
ここで落とし穴というか、ジレンマがありまして…

「ボールの手前の気室(この場合は液室)が大きいので、多色化してインクタンクが曲がって後ろからのインキ供給量が少なくなるのでフローが悪くなる(蛍光やメタリックはフローが追い付かなくなる前に供給されるぐらいに遅く書く子が多いタイプのインクというか、そういう立ち位置なので問題になりづらいと思います)」

これがシナジーチップ多色化を妨げている大きな要因の一つとなっていると邪推しましょう。
→そして、これが(何らかの超絶技術で)解決したとしても
 「インクフローが良すぎてインクの減りが早い(ゲルインキボールペンの運命)」
  →更にフリクションインキの場合、一つ一つの顔料が入っているカプセルが大きいので更に減りが早い。

   「な、ならインクタンクを大きくすれば…」→一応JIS規格あるし、規格外品を作るにしてもペンそのものの直径ヤバくなるわw

「ならジェットストリームエッジ3みたいにオフセット…」
おいやめろパイロットと三菱鉛筆にまた紛争させる気か(特許出ているか調べたけどエッジ芯の特許しか見つからなかったので紛争案件になるのかわからないけど)


んで、多色化するという取り組みはほぼ間違いなくパイロットコーポレーション、パイロットインキ両社で行われていると思うんです。
そして、上述全てをクリアしたとしても避けて通れない壁が

「デザイン」

ですよ。

ジュースアップとフリクションポイントノック04で口金の形が違うのは周知の通り。通常の円錐型のジュースアップと、そこから先端に向けて一段絞ったフリクションポイントノック04(長いなこの名前)では、後者の方がペン先の視認性が良いので採用する形はそちらだと思うんですけど…
あの、多色ペンでそれをやるとプラだとヒケが問題に、金属だと加工精度とコスト、設備が問題になるんですね。
そして、ジュースアップ、フリクションポイントノック04共通の問題として
「直線を組み合わせたデザインと機能美の昇華」
ですよ。
双方クリップ部以外は直線、クリップ部は一部有機的な曲線というのは共通しているので、コンセプトは崩したくない。
かといって、ゲルを多色化するとペンの直径が13㎜以上になるのは避けられない。

画像1

左が現行の単色を適当に描いたやつ、右は多色の案(ペン先は適当)。バランスの悪さが凄いけど、シナジーチップの見通しの良さを活かすにはこれしかないような気もする。


画像2

グリップも一体で作らないといけないから更に難しいんですよね。


一番の妥協策は
「ハイテックCコレトのように細い替え芯を使う」
だと思うんですけど、そうするとフリクション芯とジュースアップ芯の見分けが外部からわからなくなるし(今もそうだけど)、めっちゃインク減るの早くなるから避けたい。

というように、あちらを立てればこちらが濡れ…立たずで、かなり試行錯誤をしているはずです。

では「フリクションポイントノック多色」「ジュースアップ多色」は出ないのか?という部分ですが、

将来的に絶対出ます。

なぜこれほど断言できるかというと、冒頭のフリクションと自分の和解にあった
「齋藤式3色ボールペン活用法」の後に出た「3色ボールペンで読む日本語」(ともに齋藤孝氏著)に「FEED GP3」が付いてきたんですが、これが「赤青緑の3色油性ボールペン」なんです。

画像3

ペンの在庫漁ってたらこないだ出てきた

画像4

親切にもメソッド書いてくれてる

これね。
これ以降もハイテックCコレトで黒以外を入れる自由度が上がるという取り組みもしていますし市場の要望も絶対にあるので、開発に取り組まない選択は存在しないということになります。

そして、ここまでしてまで出す理由も、個人的に出してほしい理由もあります。


ペンケース内のスリム化


本当にこれに尽きます…
フリクションポイントノック04の赤青緑だけでペン3本分占有しているんですよ…マジキツいって正直…

ハイテックCコレトぐらい替え芯細くなって構わないので(替え芯1本ずつ持っても)、ペン先の摩擦だけに注力して開発していただいて全然構いません本当にお願いします…

それにしても、フリクションポイントノック04の多色化を妨げている(と邪推している)問題が「ペン先とペン軸の摩擦(Frixion)」っていうのも皮肉な話ですね(うまくシメたで!)

いいなと思ったら応援しよう!