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買い物で後悔しない!幸福度を上げるお金の使い方を1年検証してみた

「…何でこんなに高いモノ買っちゃったんだろう」
「コレ、絶対に欲しいって思ってたんだけどな~」
「買った時には、めちゃくちゃテンション上がったけど、今となっては邪魔なだけ」

などなど。
買う前は、絶対に欲しいアイテムだと思っていたものの、いざ手に入れてしまうと、

「アレ?」

ってなった経験がある方は、多いのではないでしょうか。

きっとそれ、あなただけではありません。
というのは、人間には、

「快楽順応(hedonic adaptation)

という機能がついているからです。
この「快楽順応」、なかなかに厄介です。
どうしてかというと、

「人間は全ての感情に慣れてしまう。」

という反応だからです。

例えば、お気に入りのお菓子があったとしましょう。
因みに、私は子どもの時に、生クリームが大好きで、毎日生クリームを使ったお菓子を食べていました。

が、ある時を境に、ふっと生クリームに魅力を感じなくなりました。
生クリームが特別なものではなくなり、飽きてしまったのです。

生クリームに限らず、どれだけ大好きな食べ物であっても、長時間食べ続けると、

「あ、もういいや」

という瞬間が、ふと訪れます。
これは、食べ物に限った話ではありません。

所有物や人間関係などでも起こりえます。

買ってすぐは、ものすごく大切に扱っていたアイテム。
そのうち飽きて、粗雑に使い、気が付けばどこに仕舞ったかわからなくなっていた。

恋人と付き合い始めてすぐの時には、常に一緒。
ラブラブ感満載で、周囲が若干鬱陶しいと思うほど。
けれど、数か月後にはそうでもなくなる。

このような経験が、「快楽順応(hedonic adaptation)です。
裏を返せば「嬉しい」「幸せ」という感情は、手に入れた瞬間をピークにして、いずれ薄れていってしまうということ。

「物」を買った瞬間は幸福感が味わえますが、継続させることはできないのですね。

では、"何"にお金を使えば、私たちは満足できるのでしょうか。

それは"経験"です。

最近の研究で分かってきているのは、旅行などの経験にお金を使ったほうが幸福度が高くなるということ。

イェール大学のLaurie Santos教授は、

「私たちは経験に順応しない。それゆえに、経験を得ることは物を購入するよりも私たちを幸せにしてくれる。」

と、「The Science of Well-Being」の授業で解説してくれています。
Coursera "The Science of Well-Being" 4週目の講義より)

確かに、そうだと思いませんか。

”物”というのは、実際に私たちの目の前にあります。見れば見るほど、使えば使うほど、慣れてしまうのです。

一方で、"経験"というのは、私たちの脳内の記憶に留まります。実際に目で見、手で触れられるものではありません。
それゆえに、素晴らしい経験であればあるほど、思い出すだけでふと微笑みがこぼれたり、明るい気持ちになれたりします。

この考え方を学んでから、私は自分のお金の使い方を見直しました。
結果として、不必要なことにお金を使う機会が減り、節約にもなっています。

では、実際に私がどのようにお金を使っているのか、ご紹介します。

1.自分が幸せ経験を重ねられるアイテムかどうか

よくお金の節約術で、安売りに飛びつくな、ということが言われます。
実際に、安いからという理由だけで購入したアイテムって、買ったことさえ覚えていない、なんてことがありますよね。

消耗品などの確実に生活で使う物は別です。
けれど、あってもなくても困らない物に関しては、値段で判断するのではなく、

「これを使い続けることで、自分が満たせる経験が重ねられるかな?」

と、自問自答するようになりました。

例えば、タオル。

今、家にタオルはあるので、特に困っていないし、新しく買う必要もありませんでした。

けれど、工芸品展に出品されていた泉州タオル。
その肌触りと吸水性がすばらしく、シャワーの後にこのバスタオルを使ったら、ちょっと自分が幸せな気持ちになれるな…。

と、そのタオルを使い続けることによって自身が得られる経験を考え、購入しました。

実際、朝起きた時に、ちょっと憂鬱な気分だな…という日には、そのタオルを使って、自分の気持ちを和らげています。

2.心ときめく経験となりえるかどうか

その経験を後から思い出すことで、自分の心にいい影響を与えるかどうかを考えるようになりました。

自分の心が弾みそうにない経験にはお金をできるだけ使わないようにしています。気が進まない食事のお誘い、などですね。

一方で、自分が好きなこと、興味あることに、もっとお金を使うようになりました。

例えば、私は着物が好きです。
呉服屋で、店員さんから、

「あんたは、職業選択を間違えたなあ。いつか職人さんになってても、不思議に思わん。」

と、言われるほどに、大好きです。
だからこそ、多少は無理してでも着物に関する色々な経験がしたいと思っています。

そのために、他を節約する必要はあるのですが、お金の使いどころにメリハリがつくようになりました。
違うところで我慢した分、経験する前のワクワク感も高まるし、経験後も、自分の記憶に留まり続けるので、後から思い返して、

「そう言えば、あの時の、あれ楽しかったなあ…。今度は、こんな経験もしてみたいなあ…」

と、後に残る、ささやかな幸せが噛みしめられる機会が増えました。

3.自己投資にお金を使う

明確になりたい自分、やりたいことがある人には、これはもう、間違いないです。
自己投資は、自身のより良い未来のために経験を買っているのですから。

最近、ビジネスでよく「未来の記憶」に触れる内容を見かけます。
ポイントとして、将来の展望を具体的に思い描くことが、成功につながるということが言われています。

想像してみてください。
今、自分がしていることが、自分を夢に近づけていることを。

例えば、あなたが昇進したいとしましょう。
そのためには、何が必要ですか?
どんなスキルが必要ですか?

コーチング?
マネージメント?

それらを身につけた時、あなたはどんな自分になっていますか。

例えば、今の私はいずれ時間と場所を選ばずに仕事ができるWebライターを目指しています。
そのために、本を購入して読んだり、セミナーに参加したり、ということに日々お金を使っています。

今、私の生活時間の中で、ライティングに費やしている時間が一番充実しています。

なりたい自分、到達したい自分をまずは決めてください。
そして、そのゴール達成に時間とお金をかける。

自分が新たなことを学び、身につけていっているという実感が得られれば、”今"への満足感が高まります。

まとめ

「物」を買うより「経験」を買うことによって、幸福度があがるというお話をしてきました。

私はこの考え方を知り、自分の生活の中で約一年間実践してきました。
その実践を通じて学んだことは、”自分を知る"ことの大切さです。

・自分がどんなアイテムを使うと、ハッピーな経験が増えるのか。
・自分がどんな経験をすると、自分の人生が豊かになるのか。
・自分が何を学ぶと、自分の将来が明るく見えるのか。

自分を知らなければ、自分で自分を満足させる選択ができません。
自分が満足するポイントが分かったら、時間とお金を使わなくていい捨てどころが分かって、選択が楽になりました。

お願いです。
どうか、あなた自身の気持ちを蔑ろにしないでください。

あなたはどんなアイテムを使っている時が、そして何を経験している時が、一番充実していますか。

※この記事は、Coursera "The Science of Well-Being"(イェール大学)で学んだことを自分なりに解釈し、実践して得られた気づきをまとめたものです。

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