8.別邸プロジェクトチーム発動! ~脳出血を患った旅行会社社長が一組限定宿をつくるまで
宿泊事業補助金申請の採択結果でお祭り気分はその日まで。
これからじわじわと忙しくなっていく。
早速別邸プロジェクトチーム発動だ。運営の大塚夫妻、建築士の治子さん、森さん、そしてスタッフの恵莉菜さん、千春さん、僕の7名で、初回zoomで顔合わせ。簡単な自己紹介をし、別邸にかける思いを共有し、早速レイアウトプランの練り直しにかかる予定であった。
ここでちょっと、書いておこう。
初顔合わせということで、司会進行の千春さんより振ってもらい、最初に一言みんなへ感謝の言葉を述べたかった。一人一人へ言葉をかけようとして、不意に涙があふれてしまい、つながらなくなってしまったではないか。
千春さんによると、脳出血の後遺症である高次脳機能障害、その特徴のひとつに、感情のコントロールが難しくなるというのがある。取材記者の鈴木大介氏が自身の高次脳機能障害をどう克服していったかを詳細に書いた希望の手記『脳は回復する』に何度も出てくる、「変なときに急に涙が止まらなくなって」涙もろくなったという記述のとおり、まさにこのとき、どうしようもなかった。そんなぼくを、皆さん温かく受け止めてくれていた(ような気がする)。
宇建築設計事務所、そら建築設計事務所と読む。最近はもっぱらsolaさん、と呼ぶ。
そのsolaさんから、改めて平屋建てプラン、2階建てプランを提案してもらい、それぞれのメリット、デメリットの意見交換。
続いて2回目zoomミーティング、3回目・・と頻度は高くなる。
図面の立体図案お披露目の時は歓声が上がった。平屋図面のファザード屋根がなんて格好いいんだろう!伊豆高原に「静かに」際立つ別邸を想像する。
ぼくは同時進行で、気になる人たちへのアプローチを気づいたらしていた。
今喫緊で固めたいのは、ブランディングだ。唯一無二の、別邸ならではの明確なコンセプトをイメージし、形にすること。
宿のイメージにあった名前も決めなくてはいけない。
もちろん、レイアウトの善し悪しの意見を皆で出し合う作業も大事だ。
まずは、世界的エコリゾート第一人者の某リゾートセールスの懇意にしているSさんへコンタクトを取り、僕らの考えいてるコンセプトからフリースタイルでアドバイスをいただく機会を設けた。
また、昔の上司の思い出深い方へ、宿のネーミングを相談し、コピーライティングまでイメージを膨らませて考える作業をしていただいた。
そして、あちこちに散らばっている思い、やりたいこと、コンセプト、アドバイス・・諸々含めて、うまくとりまとめていこうと思うものの、やはり素人チームの僕たちに限界があることを痛感し、プロの力に頼りブランディングとディレクションを託すことに決めた。
毎日何かしら別邸絡みで人と接したり作業したりすることが増え、そうこうするうちに、ついに「伊豆合宿」を迎えようとしている。
→9.伊豆合宿@大室山の麓