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国際結婚12年目:夫婦円満の秘訣は Love & Respect

離婚大国アメリカでの結婚と婚前カウンセリング

アメリカ人の夫と結婚して12年目になる。日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、アメリカでは結婚前に婚前契約や婚前カウンセリング等のオプションが豊富だ。私たち夫婦も、このカウンセリングを受けてみることにした。

婚前カウンセリングの目的

婚前カウンセリングは、結婚生活をより円満にし、長続きさせるための大切な準備の一つと考えられている。結婚後に「思っていたのと違う…😮‍💨」というギャップを減らすために、価値観をすり合わせ、建設的かつ現実的な解決策を見つけることが目的だ。

カウンセリングの進め方

まず、それぞれが心理テストのようなものを受ける。テストの項目は以下のように細かく分かれている。

  • 金銭感覚(何にお金を使うか、貯金や投資への考え方)

  • 家族観(義家族との関係、子どもを持つかどうか)

  • 宗教観(信仰する宗派があり、パートナーに参加を求めるか)

  • キャリアの構築(家事・育児の分担についての考え方)

  • ストレス耐性(どんな時にストレスを感じるか)

テストの結果を分析し、大きく食い違っている部分を優先的に、カウンセラーを交えて話し合う。

意見の対立とカウンセラーの介入

私たち夫婦は結婚前からこうした話し合いをしていたため、大きく食い違うことはなかったが、異性との交友関係については意見が分かれた。

  • 私:既存の異性の友人との関係は維持してもいいが、新規の異性との交友は注意する。例えば、仕事関係の男性と二人で食事に行くのは控えるべき。

  • 夫:男女関係なく自由に交友関係を広げるべき。

カウンセラーは落ち着いた口調で夫にこう伝えた。

「あなたにその気がなくても、相手がどう思っているかは分からない。誤解を招くこともあるし、"火のない所に煙が立つ"こともある。例えば、異性の同僚と二人で出張になった場合は、上司に相談して回避する努力をすべき。」

夫は第三者の意見を聞くことで、私の考えが一般的なものであると理解した。

婚前カウンセリングのメリット

カウンセラーは中立の立場で意見を述べるため、議論をスムーズに進められる。また、婚前の段階ではお互いに相手を尊重しようとする気持ちが強いため、結婚後に問題が起こってから話し合うよりも建設的になりやすい。

課題図書『Love & Respect』

カウンセリングの中で、私たちは『Love & Respect』という本を読むよう課題を出された。アメリカではベストセラーだが、日本語訳はない。

本書の中心テーマは、「夫と妻の基本的なニーズは異なる」というものだ。

  • 妻は「愛」を求める

  • 夫は「尊敬」を求める

つまり、「自分がされて嬉しいことを相手にしても伝わらない」という話である。体力気力を使う場所を間違えたままだと、暖簾に腕押し状態でもったいない。
例えば、妻が愛情を込めて愛妻弁当を作っても、夫は感謝はするが「尊敬されている」とは感じにくい。一方で、夫が尊敬を感じるのは、妻が意見の違いがあっても夫の考えを尊重し、最終判断を委ねる時だという。これは、会社で上司に接するときの態度に少し似ている。夫は妻の「尊敬」を感じ、妻に「愛」を与えたくなるという幸せのループができるのだという。

「クレイジーサイクル」とその対処法

本書には、「クレイジーサイクル」という悪循環についても書かれている。

  • 夫が尊敬されていないと感じる → 妻への愛情が減る

  • 妻が愛されていないと感じる → 夫への尊敬が減る

このサイクルに陥ると、関係が悪化しやすい。しかし、改善のカギは「まず自分から変わること」にある。愛情や尊敬が枯渇している状況で相手に与え続けるのは難しいが、関係修復を望むなら試す価値がある。本には実際の成功例が多々あり、希望が持てる内容となっている。

夫婦関係の現在と本の活用

こうしたカウンセリングを経て、夫婦関係は順調に進んでいる。もちろん、たまに喧嘩をすることもあるし、余裕がない時はお互いイラっとすることもある。しかし、『Love & Respect』の考え方を理解しておくことで、関係を良好に保てている気がしている。



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