2切れのバアムクーヘン
文学の才のない私ですが、ある事柄について
どうでもいいことを書き綴ることは、
できるかもしれません。
例えば今、私の傍らには、
バアムクーヘンが2切れ置いてあります。
友達が私に残してくれたものです。
友達がいたのは、もう昨日の話で、
丸1日ここに置き去りにされたわけです。
彼らは怒りに燃えているのでしょうか。
なんとなく、そんな事はなく、
彼らにとって、食べる、食べられるなぞ、もはやどうでもよく
ある種の諦観をもって、そこにある気がします。
机に寝ころがり、紙とペンごしに見える彼らには
己の使命についての意志も
生(?)への執着も
もうあらゆる、他への興味も
おおよそアツいものは全て、何も感じられません。
今ここに存在してしまうこと、
怠惰な主人を持ってしまった、そのもとに在ることへの諦観、
そして何をするというつもりのない無気力さを、感じます。
彼らはどうすれば元気になるのでしょうか。
どうすれば元気のあるように感じられるのでしょうか。
あっ!
もしかしたらこの諦観と無気力さは、
この上質な紙にこの文章を書き殴る、
私の気持ちかはたまた、その様相そのものなのかもしれません。
バアムクーヘンは私だったようです。